BioWareが「Dragon Age: Inquisition」のヒール魔法を廃止した理由とそのメリットについて説明、新たなプレイ映像も

2014年10月11日 23:25 by katakori
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「Dragon Age: Inquisition」

先日、シリーズの開発を率いるBioWareのMike Laidlaw氏とMark Darrah氏がPS4版のゲームプレイをお披露目した「Dragon Age: Inquisition」ですが、今回の配信にて明かされた新情報には、ヒール魔法の廃止という予想外の決定が含まれており、ヒールの無いOriginsやDragon Age IIを思い浮かべた層を中心に、来る新作のバランスに対する懸念の声が上がる状況となっていました。

そんな中、BioWareのシニアライターLukas Kristjanson氏が今回の大きな決定について、戦闘バランスの抜本的な変化がもたらすメリットや、決定に至った背景について非常に興味深い情報を公式フォーラムに投稿しました。

今回はシリーズの熱心なファンにとって重要な改善をもたらす変更のディテールに加え、レッドリリウムの影響でクリーチャーと化した強力なテンプラーとの戦闘を収録した新たなプレイ映像を2本ご紹介します。

  • Lukas Kristjanson氏は、ヒールの無い初代や続編が当然機能しないことを前置きした上で、“Dragon Age: Inquisition”におけるヒール魔法の廃止が、より良い戦闘とバランスの保持を目指したものだと説明している。
  • Lukas Kristjanson氏は、今回の決定が“プレイヤーがどれだけのヒットポイントを持ち合わせているか”という点に着目し、バランスの調整を行ったものだと説明。キャラクターの体力を設定するにあたって、Mageの体力値を最も低くし、Warriorが最大となるような基本をベースにパーティの構成を組み上げ、パーティが一回の戦闘で出力するトータルダメージとエフェクトを考慮した範囲内で敵との遭遇を構築するデザインの過程を提示。ここに、ヒーリングの要素を追加した場合、プレイヤーが保有する体力値は“最小のMageと最大のWarriorを範囲とする数値に、ヒール魔法とポーションの最小/最大回復値、さらに、彼らが持つマナとポーションの最小/最大所持数を加味”した数値になると説明している。
  • 続けて、所謂Stats上の実HPではなく、潜在的な体力値を算出する場合、マナ回復ポーションと体力回復ポーション、さらにこれをクラフト/購入するゴールドの総額まで加味すると、最小の体力を持つMageでさえ、潜在的な体力の最大値は天文学的な数字に達すると説明。過去作においてプレイヤーが手に入れた最も強大な能力は、彼らのアビリティではなく、体力値の評価を不可能にする類の前述したような能力だったと明かされている。
  • 氏は、こういった状態のキャラクターに対抗しうるバランス(敵の攻撃)調整が、限界の見えない体力への与ダメージを、有限の死と蘇生に置き換えるため、すなわちキャラクターが耐えきるかもしれないが、瞬殺もあり得るような攻撃に帰結していたことを説明。もう一つの対抗手段として、ポーションの連続使用を断ち切るために更なる敵を追加し、スリープや混乱といった手法でコントロールを奪うか、根本的にそのアクションを封じるといった選択を挙げている。
  • こういった従来のRPG的な背景を踏まえた“Dragon Age: Inquisition”は、ヒールがもたらす影響を縮小させ、現実的な実数を考慮出来る範囲で体力値を定義することによって、より良い戦闘のバランスを模索したとのこと。
  • Lukas Kristjanson氏は、プレイヤーが従来のようにポーションの連続使用に伴う無限にも思える体力値に頼ることが出来なくなる代わりに、アビリティや装備、プレイヤーの選択が戦闘時により大きな効果を発揮する戦闘体験が得られると強調。ポーションの連続使用を軸としない戦闘に、以下のようなメリットがもたらされると説明している。
    • よりバラエティ溢れる決定に時間を費やすことができ、戦闘の流れに優れた効果をもたらすことが出来る。
    • 魔法やポーション、装備から得られるリジェネレーションがより有用となる。
    • 敵を死亡させた際に体力を回復するような装備品を生産可能。
    • アビリティや各種Buff、クラフト要素による被ダメージの緩和がより意義深いものとなる。
    • 体力値の制限とバランスが調整された敵は、より戦術的な選択を可能にし、戦闘におけるチャレンジの維持に帰結する。
  • Lukas Kristjanson氏は、この変更がナイトメア難易度に以前よりも多彩な手段でクリアできる可能性をもたらすと説明。一方で、イージーにおいてはKristjanson氏の7歳になる息子が実際に本作を2時間プレイし、Riftを閉じるために低レベルのPrideデーモンと戦うような戦闘を繰り広げるあいだ、1度もパーティを全滅させることがなかったと説明している。

今回の決定と調整の方向性は、シリーズを象徴していたポーションのがぶ飲みを廃し、その後も様々な調整(※ Life Stealの実質的な削除など)を重ねながら意味のあるタフネスを模索した“Diablo III”を想起させるような取り組みとも言え、前2作の段階で非常に歯ごたえのある高品質な戦闘システムを完成させていたBioWareがどんな進化と革新を提示するのか、来るローンチが非常に待ち遠しいところです。(※ 余談ながら“Dragon Age II”は、しばしば初代の成功に泥を塗った作品として挙げられますが、こと戦闘システムのみを注視した場合、DA2の戦闘システムには、Wave方式の敵スポーンを除けば初代を凌ぐ要素が多く存在しており、特にナイトメア難易度の面白さは他に類を見ないレベルにまで到達していました)

さらに、今回Lukas Kristjanson氏がはっきりと言及しなかったヒール魔法の廃止に伴う大きなメリットとして、パーティメンバーの選択における自由度の飛躍的な上昇が挙げられます。これは、特にロマンスや展開の派生、サブクラス毎のやり込み、もしくはお気に入りのキャラクターの全てを舐め尽くすような周回プレイを重ねる場合に顕著だったウィン(DA1)やアンダース(DA2)の固定面子化からプレイヤーを解放するもので、以前にも増して個性豊かな可愛らしいキャラクター達が大勢登場する“Dragon Age: Inquisition”の周回プレイやナイトメア攻略は、メンバー間のマッチングやシナジー(或いはカップリング)を含め、相当にバリエーション豊かなプレイが期待できるのではないでしょうか。

レッドリリウムの摂取しすぎか、完全に人間らしさを失ったテンプラー“Red Templar Behemoth”との戦闘
巨大な熊と“Red Templar Behemoth”が対立し戦う様子も確認できる
Riftの探索や強力な敵との戦闘を収録したプレビュー
後半にはジャイアントと“Red Templar Behemoth”の戦闘も
情報元:The BioWare Forum

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