昨日小芝居たっぷりの愉快映像と共にご紹介した新作開発資金をKickstarterで募集する「Double Fine」の“Double Fine Adventure”企画ですが、なんと開始から約8時間で目標の40万ドル(約3,100万円)調達を達成し、2日目に突入した現在も続々と資金が提供され続けており、本記事執筆時点で3万人を超えるファンが総額120万ドル(約9,310万円!)を超える資金を提供しています。
この脅威的な結果を受け、お馴染みティム・シェーファーは40万ドル突破時にTwitter上で応援してくれたファンに対し、“俺は世界を愛してる!Double Fineのファンは全世界で最高にグレートなファンだ、みんなの応援に泣いたわ。ニコニコ”と感謝を述べ、その後も増え続ける資金提供に対し次のような発言を行いました。
我々は目標を上回るならば、我々は多くの言語にゲームをローカライズするために余分なお金を使います!
という事で、既に目標額の3倍近くまで膨れあがった余剰資金はローカライズに利用されるらしく、つたない日本語での発言に日本語化の可能性すら感じられる異例の事態となっています。
さらに、とんでもない状況となった今回の“Double Fine Adventure”企画は、クラウド資金調達サービスであるKickstarter全体におけるスタートから24時間で最も資金を集め、最も支援者を得た記録を樹立した事がKickstarterの発言から明らかになりました。
また、多くの海外メディアがこの出来事に面食らったという表現が最も適切と思われる反応を見せており、“ティムが歴史を作った”といった評価や“ビデオゲーム史上におけるモニュメントの1つとなった”、“Radioheadと同じ種類の成功を実現した”といった絶賛、“ビデオゲーム産業のターニングポイント”だとの見解まで、昨今声高に主張される機会の多いパブリッシング主導のゲームビジネス崩壊の論調と併せ、新しいゲームビジネスの可能性発見に向けた議論が加熱しています。
しかし、加速する新しいビジネスモデルの登場論やKickstarter的なサービスに疑問を投げかける声も多数上がっており、まず今回の偉業がビデオゲーム業界のヒーローであるティム・シェーファーとロン・ギルバートの存在感に拠る成功であることや(※ 元○○の誰それ的な大手デベロッパ出身のインディーデベロッパがKickstarterで資金を満足に得られないケースはしばしば見られる)、Kickstarterにはユーザー権利に関する問題が潜在し(※ 提供に対し得られる成果の保証が無いなど)寄付と予約を組み合わせた様なものだとの客観的な意見も登場しています。
一見理想郷的なユーザーと開発者の関係と取れる直接的な資金提供ビジネスが、今後新しい幸福なモデルとして定着する可能性はあるのか、確かに並ぶ者が無い特異点としてのDouble Fineを事例にするのは危険とも言え、今後さらに白熱するであろう議論の行方が気になるところです。
確かに難しい議論が山積する問題ではありますが、とりあえず難しい話は置いておいて今世代にDouble Fineが手掛けるオールドスクールなアドベンチャー新作が登場するほど嬉しい知らせは無く、とにもかくにもめでたい限り。おめでとうティム!おめでとうDouble Fine!
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