先日イギリスで3日間に渡って開催された“Develop 2013”にて、Developが主催するインディーイベント“Indie Game Showcase”が行われ、事前に選出された10作品のファイナリストが会場に出展されました。
Suspicious Developmentsの“Gunpoint”やNyamyamの“Tengami”といった注目作がファイナリストとして並ぶなか、末期癌に冒され長くは生きられないと宣告された幼い息子の“来る死”に直面した、家族の心象風景を描くポイント&クリック型アドベンチャー「That Dragon, Cancer」が注目を集めています。
“That Dragon, Cancer”は、開発者であるRyan Green氏が今も現実として日々対峙している息子Joel君に巣くった癌との闘いをテーマにしたパズル要素の存在しないアドベンチャーで、愛する家族に訪れようとしている死に直面する中、それでもなお残る希望を描いた作品となっています。(※ “That Dragon, Cancer”の印象的なタイトル名は、Joel君の癌を告知されたお母さんが、Joel君のお兄ちゃんに天国の概念を教えようとした際、Joel君が大きなドラゴンと戦っていると例えたことを元にしている)
Green氏によると、末期癌に冒され2歳まで生きられないと告げられたJoel君は、現在8つ目の腫瘍と闘っているものの、4歳になる今も小さな奇跡が多く重なり生き続けており、“That Dragon, Cancer”には、この状況と同じく何らかの答えや主張、結末を用意しておらず、愛する存在を失う悲しさと絶望、息子が今日を生きていることの喜び、そして巨大なドラゴンの影に覆われるなかで、死に対する恐怖を克服し希望を見出すひと時の情動を分かち合いたいとのこと。
また、Develop Indie Game Showcaseの開催にあたって、FGTVがRyan Green氏のインタビューや無邪気に遊ぶJoel君の様子、病棟を舞台にした静かでポエティックなゲームプレイを収録した映像を公開しており、Green氏とそっくりなプレイアブルキャラクターの姿や、ゲーム内における私的な心境の吐露、ゲームをプレイした男性の反応など、興味深いシーンが確認できます。
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