作家ニール・スティーヴンスンが謎に満ちたAR企業“Magic Leap”のチーフフューチャリストに就任

2014年12月18日 0:18 by katakori
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「Magic Leap」

92年の“スノウ・クラッシュ”にてソーシャルな仮想世界“メタバース”を生みだし、クリプトノミコンやThe Baroque Cycleシリーズといった作品で知られ、昨年はモーションコントローラーを利用したリアルな西洋剣術シム“CLANG”のプロジェクトを自ら立ち上げ話題となった著名なSF作家ニール・スティーヴンスンですが、新たに巨額の資金調達や著名な開発者の雇用で今年後半から大きな注目を集めている謎のAR企業“Magic Leap”がプレスリリースを発行し、同社が開発を進めている革新的なAR技術(及びデバイス)“Magic Leap”のビジョンとプロダクトの結実を支えるチーフフューチャリストとしてニール・スティーヴンスンを迎え入れたことが明らかになりました。

“Magic Leap”のCEOを務めるRony Abovitz氏は、ニール・スティーヴンスンが一貫したソーシャルな仮想世界“メタバース”を概念化した真の先見者で最初の人物だと語り、ニール・スティーヴンスンの優れた洞察がチームを支援し、“Magic Leap”技術が世界にもたらされることを楽しみにしていると説明。

一方、未だ具体的な技術やプロダクトのディテールが報じられない“Magic Leap”を実際に体験し、その後すぐにチーフフューチャリストの就任に合意したことを報告したニール・スティーヴンスンは、これまでに見た事のない“何か”を目の当たりにしたと語り、知りうる限り“Magic Leap”だけがこれを実現することができると述べ、実際に目にした技術そのものではなく、“Magic Leap”が始めようとしている取り組みに魅了されたと起用の経緯を明らかにしています。

また、自身が予てから熱心なビデオゲームのファンであることを改めて強調したニール・スティーヴンスンは、“Magic Leap”がビデオゲーム専用の技術ではないことを前置きした上で、革新的な三次元表現がエンターテインメントやビデオゲームといったメディアそのものを再定義するポテンシャルを持ち合わせていると示唆し、“Magic Leap”を利用したビデオゲーム開発に強い意欲を示しました。

前述した通り、具体的なプロダクトや技術に関するディテールが明かされていない“Magic Leap”は、Oculus Riftに代表されるVR技術とは異なり、既存のAR技術とセンサー技術をさらに発展させ、オープンな視野に3Dオブジェクトを直接置いたかのように脳が錯覚するほどリアルな三次元表現を実現する革新的な技術(と軽量なウェアラブルデバイス)とされており、Rony Abovitz氏は現在のAR技術と“Magic Leap”に、ライト兄弟が実現した世界初の有人飛行とジェット機ほどの違いがあると説明していました。

参考:“Magic Leap”が以前に提示したコンセプト映像

また、今年10月下旬には“Magic Leap”がシリーズBの資金調達ラウンドを経て、GoogleやLegendary Entertainmentに加え、KPCB、Andreessen Horowitz、Obvious Ventures、Qualcommといった名だたるベンチャーキャピタルから5億4200万ドル(約634億円)の資金を調達し話題となったほか、今年初めには“The 7th Guest”シリーズや“Quake III Arena”を生み、一時はAppleでゲーム開発を手掛けていたベテランGraeme Devine氏を同社のビデオゲーム開発責任者として起用。さらに、System ShockやDeus Ex、Dishonored、Epic Mickeyのライターを務めたAustin Grossman氏や、アラン・ムーアのウォッチメンやマーク・ミラーと手を組んだマーベルの“The Secret Service”で知られ、Broken Swordシリーズにも参加していた人気アーティストDave Gibbonsが“Magic Leap”入りを果たすなど、水面下で粛々と進行する雇用や取り組みに大きな注目が集まる状況となっていました。

情報元:IGN, Polygon, Eurogamer

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