Jeff Kaplan氏が「オーバーウォッチ」の“ライバル・プレイ”とサドンデスの調整について言及、中期的なビジョンも

2016年6月23日 22:54 by katakori
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「Overwatch」

昨日、PC版の公開テストサーバが稼動を開始し、待望のランクマッチ“ライバル・プレイ”(Competitive Play)の試験運用がスタートした「Overwatch」(オーバーウォッチ)ですが、早くもJeff Kaplan氏がコミュニティから得たフィードバックをBluepostにまとめ、サドンデス(Sudden Death)を軸にした新たな調整やシーズン1以降の改善を視野に入れた中期的なアプローチについて興味深い見解と取り組みを明らかにしました。

今回の報告は大きく分けて、現状のPTRビルドに対するフィードバックの概要と、サドンデスに対する調整の効果とこれに対する見解、来るシーズン1を想定した短期的な調整、それ以降の中/長期的な改善と取り組みについて言及したもので、シーズン1のアサルトとエスコート、ハイブリッドに対する新たな調整を含む内容となっています。

  • 現段階で寄せられているフィードバックの概要:Jeff Kaplan氏はPTR版“ライバル・プレイ”について現段階で得ている主なフィードバックとその反応について以下のようにまとめている。
    • +:自身のスキルレーティングを知ることは楽しい。
    • +:途中退出者に対する強いペナルティは好ましい。
    • +:アサルトマップの変更は良い。
    • +:グループが事前に作成可能となったことは良い。
    • -:攻守を決定するコインフリップは好ましくない。
    • -:サドンデスが好きではない。
  • ネガティブな反応を得た最後の2つについて言及したJeff Kaplan氏は、例えサドンデスにおける攻撃側と防御側のアドバンテージを等しく調整(実際のところ現在それに近い状況にあるとのこと)したとBlizzardが感じたとしても、コミュニティはアサルトとエスコート、ハイブリッドマップにおいて常にどちらかが明確なアドバンテージを持っていると考え、結果としてコインフリップで決まるような勝敗がフェアではないと感じる状況にあると説明。氏はバランスを調整することが容易である一方で、この感じ方や印象に関する問題は対処が非常に困難かつ重要な要素だと強調している。
  • こういった背景と見解に基づき、氏は多くのプレイヤーに対してライバル・プレイの経験を改善すべく、バランスを保つための短期的な調整を施した上で、長期的な取り組みとしてサドンデスとコインフリップの両方をゲームから取り除くことを考えていると明らかにしている。
  • サドンデスの現状について:先日ご紹介した通り、ライバル・プレイの導入に当たってBlizzardが掲げた大きな調整の1つは、35%近くにまで達していたサドンデス(Sudden Death)の発生率を下げることにあった。Jeff Kaplan氏は、これが余りにも頻繁に感じられる割合で、Blizzard自身もこれを好ましくないと考えていたことを挙げている。これに伴い、PTRビルドでは、アサルトとハイブリッド、エスコートのスコアシステムとゲームフォーマットを変更すると報告していた。
  • PTR版ライバル・プレイのゲームモード調整に伴い、35%に達していたサドンデスの発生率は一部期待値を超える規模で低下しており、“タイムバンク”と呼ばれる調整を導入したアサルトマップ(Temple of AnubisとHanamura、Volskaya Industrie)のサドンデス発生率は現在9%にまで下がっているとのこと。
  • エスコートマップ(DoradoとWatchpoint: Gibraltar、Route 66)のサドンデス発生率については、現在16~18%となっており、まだ十分とは言えない状況にある。また、ハイブリッドマップ(NumbaniとKing’s Row、Hollywood)については20~29%程度となっており、共にサドンデスが多く発生するように感じられるとのこと。
  • シーズン1を視野に入れた短期的な調整について:こういったデータとフィードバックに基づき、ライバル・プレイのアサルトとエスコート、ハイブリッドマップのイニシャルマッチを5分から4分に短縮。さらに、サドンデスタイマーが2分から1分45秒に短縮される。これに伴いライバル・プレイのプレイ時間を短縮し、より多くプレイする機会を提供する。また、この調整はシステムの中核に対する追加の開発みを必要としないことから、“夏”シーズン(※ シーズン1)向けに実装される予定。
  • 長期的な取り組みについて:短期の暫定的な取り組みに続いて、エスコートとハイブリッドマップに、アサルトと同じ“タイムバンク”システムを導入する予定。これに伴い、同じマップ上で第2ラウンドが行われ、ペイロードを多く前進させたチームが勝利するとのこと。なお、氏はベータ時のライバル・プレイにおいて採用していたランダムなコントロールマップに遷移させるサドンデス方式がバランス的にも優れていたと考えていたものの、コミュニティの評価は非常に悪く、プレイヤーが異なるマップ/異なるモードでプレイすることを好まないことが分かったと説明している。これに伴い同じマップ上でバランスの取れたサドンデスの仕組みを考えたとのこと。
  • さらに、Jeff Kaplan氏はこういった取り組みやアイデアがまだ未決定の内容であることを前置きした上で、これらをもってしてもライバル・プレイを楽しむ大多数のプレイヤーを全て喜ばせることはできない可能性があるとして、さらなる長期的な解決策として、サドンデスとコインフリップそのものを完全に廃止する必要があると説明。一例として、エスコートとハイブリッドにおける非常にまれな結果として、“引き分け”の導入も考えていると明らかにしている。
  • Jeff Kaplan氏は、こういった見解や今後の取り組みに対するアプローチを提示した上で、前述した長期的な取り組みが秋までに実装できる類いのものではないことに加え、これらを改善するためにライバル・プレイの開幕を秋まで延期することも現実的とは思えないと説明。これらを踏まえ、一先ず多くの良好なフィードバックを得ている現行(PTR)のルールで最初の夏シーズンを開始し、今後さらなる学習を進めつつ、複数のシーズンを超える改善を進める一方で、近く(早ければ7月後半頃)PTR向けにエスコートとハイブリッド向けの調整を導入したいと説明している。
情報元:Overwatch Forums

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