「Everybody’s Gone to the Rapture」

2012年7月末にPC向けの新作として発表され、その後今年8月にPS4専用タイトルとなることがアナウンスされたThe Chinese Room(元thechineseroom)の新作「Everybody’s Gone to the Rapture」ですが、当初イギリス中西部の田舎町シュロップシャーを舞台に、世界が終わりを迎えるまでに残された最後の1時間を、6人の異なるプレイアブルキャラクターで何度もプレイするというリプレイありきのゲームシステムを特色としていた本作は、PS4専用タイトルとしての再発表を経て、世界が終わるまでのタイムリミットが数日間に延長され、プレイアブルキャラクターも1人の科学者に変更されたことが判明していました。

そんな中、EurogamerがThe Chinese RoomのボスDan Pinchbeck氏のインタビューを掲載し、PS4への移行に伴うゲーム性の変化に関する幾つかの具体的なディテールが明らかになりました。

今回は、ハロルド・ライミス監督/ビル・マーレイ主演の傑作“恋はデジャ・ブ”や、ジャック・ショルダー監督の“タイムアクセル12:01”に似たゲームシステムが「必ずしも良いゲーム体験を作り得ない不自然なアイデアだった」と語ったDan Pinchbeck氏の発言から浮かび上がるPS4版のゲーム性に関わる新情報をまとめてご紹介します。

  • Dan Pinchbeck氏は、制限時間の中で、“どこまで遠くに行けるか”、或いは“どこまで調べ上げることが出来るか”にフォーカスした“恋はデジャ・ブ”や“タイムアクセル12:01”に似た1時間のプレイスルーによる(PC版として発表した当初の)ゲームプレイは、熱中して読み始めた小説を最後の30ページを残した時点で“残念ながらそこまでです”と取り上げられるようなもので、必ずしも良いゲーム経験を作り得ない不自然なアイデアだったと説明している。
  • 来るPlayStation 4版において、時間はまだゲームの中心的な役割を果たすが、ゲームプレイその物をロックする要素ではなくなったと語り、本作において本当に探求したかったのは、ゲームにおけるストーリーテリングの独自性だったと説明した。氏は、ナラティブがどのように構造化され、プレイヤーがナラティブの構造にどのように関係し、時間がこれら全てにどう影響するか、こういった要素は他のメディアでは実現しえないゲームの純粋な何かだと語っている。
  • “Everybody’s Gone to the Rapture”は、The Chinese Roomの“Dear Esther”に比べて、より多くのプレイヤーによる介入や、キャラクター達の対話がもたらされる。
  • 前述したゲーム性の変化に伴い、1度のプレイスルーで本作が擁するコンテンツの100%を体験できるか、或いは60~70%程度に留まるか、今のところ決定は行われていない。
  • Dan Pinchbeck氏は、優れたゲームにおいて複数回のリプレイが非常に楽しい経験であるものの、氏自身はゲームのリプレイを強いることには必ずしも熱心ではないと明かし、Dear EstherやAmnesia: A Machine for Pigsと同様に、一度のプレイスルーでも十分に豊かで良い物語に駆動される経験を提示したいと強調している。
  • なおDan Pinchbeck氏は、最近7度目となる初代Deus Exのプレイ通じ、未だに得られる新しい発見にゲームを楽しんだと述べており、StalkerとMetroシリーズも同様に繰り返しプレイしているほか、Just Cause 2のゲームプレイ時間が170時間を越えたとのこと。
  • また、本作のゲーム性において一見顕著なようにも思える分岐を持つナラティブについて言及したPinchbeck氏は、自身が分岐を持つナラティブのファンではないと説明。プレイヤーの選択によって展開が変化する代表的なフランチャイズでもある“Mass Effect”を例に挙げた氏は、Mass Effectがライティングのクオリティにおいて、ある意味で“逃げた”と評価。しかし、これは多数の側面を十分に管理することが本質的に困難であることを示しているように思うと語り、同様に多くの選択肢をプレイヤーに提示するTelltaleの“The Walking Dead”が大きな成功を収めた原因が“Telltaleは物語を分岐させるべきではないことを知っていたからこそ”だと、興味深い見解を提示した。
参考:8月に公開されたPS4版“Everybody’s Gone to the Rapture”のトレーラー
情報元:Eurogamer

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