「 Mafia III」

10月27日の日本語版発売が迫る人気シリーズ最新作「マフィア III」ですが、先日東京ゲームショウ2016の開催に先駆けて、国内メディアを招いた最新作のハンズオンイベントが開催されました。

製品版に近いビルドを目一杯プレイしたハンズオンのインプレッションとディテールは後日改めてご紹介しますが、今回はハンズオン情報に先駆けて、“マフィア III”の開発を率いる2Kのエグゼクティブ・プロデューサー、デンビー・グレイス氏にこれまであまり語られることのなかったトピックを根掘り葉掘り聞いたインタビューの模様をお届けします。

なお、前提となる最新作の世界観やストーリーの概要、主な登場人物、主要なディテールについては特集記事の第1弾にまとめてありますので、興味がある方は併せてチェックしておいてはいかがでしょうか。

参考:先日公開された日本語版の“強奪”トレーラー

―― グッドフェローズやゴッドファーザーといった伝統的なギャング映画の影響が見られた初代“Mafia”と、アメリカンニューシネマ的な要素やミーンストリートの影響が強まった“Mafia II”を経て、今回の“マフィア III”にはギャング映画のみならず、黒いジャガーやブラック・シーザーに代表されるブラックスプロイテーションやドキュメンタリーなど、より広い範囲の作品が影響を与えているように感じられます。

“マフィア III”の開発にあたって、インスパイアされた作品やジャンルに大きな変化はありましたか?

デンビー・グレイス氏: そうですね、確かに初代“Mafia”と“Mafia II”においては、ゴッドファーザーやグッドフェローズ、スコセッシ作品など、マフィアをある意味美化したような作品の影響が強くありました。

“Mafia III”については、よりリアルでハードボイルドな、ドロドロしたような要素にスポットを当てています。ブラックスプロイテーションは70年代に台頭したジャンルなので、ここから特に大きな影響を得たわけではありませんが、異なるメディアや映画、小説における、ドキュメンタリースタイルのストーリーテリングに着目した部分がありました。そういった意味ではCocaine Cowboysといったドキュメンタリー作品やリドリー・スコットの映画アメリカン・ギャングスターが挙げられますね。

また、アートディレクターや車両のメカニクスデザイナー達はブリットやフレンチ・コネクションを参考にしたりと、チームのメンバーがそれぞれに60年代の作品に影響を受け開発を進めていることから、従来の狭義なマフィアやギャングにとどまらない、“マフィア III”ならではのハードボイルドな世界観ができあがったと言えます。

※ ここで挙げられた“Cocaine Cowboys”は、2006年に公開されたビリー・コーベン監督のドキュメンタリー映画で、南米と深い関係にあった80年代のフロリダ沿岸における麻薬取引にスポットをあて、ジャーナリストや弁護士、元密輸業者、ギャングのインタビューを軸に当時の麻薬戦争やマリファナ文化を深く掘り下げている。

―― 仰るとおり、様々な要素が全体を構成しているように感じられますが、一方で作品全体はしっかりと統一されている印象を受けます。これは“復讐”が1つ大きな軸となっていることによるものだと思いますが、この変化に影響を与えた作品などはありましたか?

グレイス氏: Haden Blackman(Hangar 13のスタジオヘッド兼クリエイティブディレクター)やBill Harms(Hangar 13のリードライター)がこれを参考にした、というのはあると思いますが、私自身がライターではないので明確にこれといった影響は挙げられませんが、やはりこれには色々な要素が影響を与えています。

これまでのシリーズは、いわゆるイタリアンマフィアに大きくフォーカスしていて、伝統的なスーツを着こなしたマフィアのような要素を描いていましたが、“マフィア III”についてはこれまでの作品と何か違うことをしたかったんです。

なので、いったん従来の要素から離れて、60年代に多彩な組織犯罪や犯罪グループが台頭する状況。つまり、イタリア人組織や黒人組織、キューバ人やコロンビア人勢力など、多種多様な組織が台頭しはじめた時代に新たな方向性を見出したいという思いがありました。こういった背景から、物語を復讐に向けてシフトしたわけです。

「Mafia III」

―― 初代からMafia IIにかけてストーリーのスコープが広がって、“マフィア III”ではこれがさらに拡大したように思います。“マフィア III”は、コンソールの世代も移行した6年ぶりのシリーズ最新作ということで、新しいオーディエンスを強く意識した作品のようにも見えますが、一方で作品とテーマのスコープを著しく拡大させた最新作は、ナンバリングの2作品をプレイしてきたファンに対して、さらに巨大なゲームを提供することを目指しているようにも感じられます。

順当な流れで60年代を描く“マフィア III”が、どちらを想定して誕生したのか、その経緯やコンセプトをお伺いしてもいいですか?

グレイス氏: 少々込み入った答えになってしまうのですが、どちらが先かと言う点においてはやや複雑で、フランチャイズの流れとしては初代が30年代で、2作目が40から50年代を描いたことから、自然な流れとして3作目なら60年代だよねという考えがあったのは確かです。

一方で、アメリカの歴史をみたとき、60年代、特に今回の68年というのは特別に興味深い時期で、マフィアの在り方そのものが変わったことに加え、組織犯罪の台頭、ロバート・ケネディやキング牧師といった要人の暗殺、公民権運動、ベトナム戦争と帰還兵、新しい音楽の誕生など、かなり不安定な時代特有の面白い背景があったことから、新しいタイプのマフィアストーリーにチャレンジしたかったということも60年代を選択した大きな要因の1つでした。

もう1つ、ゲームのシステム面においては、60年代後半にこれまで見られなかったマッスルカーが出現しはじめた経緯があり、これがゲームに適合した背景もありましたね。

こういった経緯から、シリーズの自然な流れとゲームプレイのシステム、ストーリーの構成を総合的に見渡すことで、自然と60年代、そして68年前後という時期に定まっていったというような流れでした。

―― これまでのシリーズ作品はリニアなストーリーに集中していましたが、“マフィア III”は本格的なフルオープンワールド作品として、かなり複雑な要素が絡み合いながら1つの物語を形成しているように感じました。

Hangar 13の設立がアナウンスされた際に、ストーリーテリング関連の独自技術を開発していると報じられましたが、サンドボックス的なオープンワールド作品のストーリーテリングについて、技術的なディテールや見るべき点があれば教えてください。

グレイス氏: 技術面では、社内独自のエンジンを開発しています。ここには2K CzechとHangar 13が共同開発した箇所もあれば、もちろんミドルウェアを使っている部分もありますが、これらの技術は主に、全体のナラティブとサル・マルカーノを追い詰めるリンカーンの物語からなるストーリー、そして2つ目の要素であるオープンワールドをどう混ぜ合わせるかということにフォーカスしています。

マフィアシリーズのストーリーは、シリーズ全体を通して大きな特徴として広く知られていて、必ずユーザーに十分なものを届ける必要があることから、この2つをどう混ぜるか、そのバランス取りには苦労しました。“マフィア III”においては、特に色々なサイドミッションやちょっとした行動においても全てプレイヤーに選択が委ねられます。例えば武器は何を使うか、ミッションをどんなアプローチで攻略するか、まずはこの地区の隠れ家を占拠しようかといったプレイヤーの行動や選択の全てがメインストーリーに影響するんです。

全てのアクティビティや選択は全てメインストーリーの中核に集約される形になっていて、サイドミッションの要素が全てメインストーリーをそれぞれに強化するようなものとして機能するよう工夫を重ねて開発を進めています。

「Mafia III」

―― イベントやカットシーンによってストーリーが駆動するオープンワールド作品が多く見受けられますが、“マフィア III”は確かにプレイヤーの行動そのものがストーリーをドリブンさせる作品だと感じました。プレイヤーの行動によるストーリーや展開の変化が本作の重要な鍵だと思いますが、結末についてはいかがでしょう。ずばりマルチエンディングですか?

グレイス氏: マルチエンディングかどうかという点については“イエス”です。

ネタバレになるのでエンディングがどういうものかお話することはできませんが、本作はエンディングが変化するだけではなく、重要なポイントでプレイヤーが下した決定や行動によってストーリーそのものが変わることが特筆すべき点だと言えます。

サイドイベントや腹心の部下達に対するテリトリーの割り当て、彼らの扱いによって報酬や関係性、それぞれの忠誠度が変化することから、特定の腹心をひいきすることも可能ですが、これを繰り返していると他の腹心に嫉妬され裏切られるということもあります。

―― “マフィア III”の開発には2K Czechが参加していると聞いています。2K Czechは他に類を見ない固有のストーリーを作り上げたフランチャイズの立役者ですが、今回はどういった役割で開発に参加しているのか教えていただけますか?個人的に2K Czechの大ファンで以前からとても気になっていました。

グレイス氏: 2K Czechは本当に大きな役割を担っていて、開発を率いるHaden Blackmanのもとで、ある意味作品の要として活躍していますよ。25人から30人近い開発者にわざわざチェコからカリフォリニアのHangar 13まで来てもらっただけでなく、チェコのスタジオも実際に稼動しています。

“マフィア III”のカットシーンには、もともと初代とMafia IIのカットシーンを手掛けた開発者が参加していますし、シリーズのアートディレクターも参加していて、チームの拡大も進んでいます。アメリカとヨーロッパの2大陸に渡って、チームそのものが物理的にも人数的にも大きくなっていますが、今も活躍する旧来のシニアメンバーも存在することから、“マフィア III”の開発はHangar 13と2K Czechのコラボレーションとも言えるような良い関係の上に成り立っていて、2K Czechには非常に大きな役割を果たしてもらっています。

―― Hangar 13には、開発を率いるHaden Blackman氏やAdam Bormann氏をはじめ、Matthias Worch氏やDave Smith氏など、かつてLucasArtsで活躍した開発者達が多く在籍している印象を受けます。先ほどのお話を聞けば、2K Czechの伝統とHangar 13の新しい力が融合したことで“マフィア III”が誕生したと分かりますが、今度は新スタジオであるHangar 13の役割や特色を教えていただけますか?

グレイス氏: そうですね、Hangar 13は“マフィア III”のクリエイティブや開発、ゲームデザイン、アートスタイルなど、開発の全体的なリードを担っていて、一方2K Czechはプロダクションを担当するといった関係にあります。

特定の主要な開発者が特別に大きな役割を担っているというつもりはないんですが、やはりHaden Blackmanに関しては色々なスタジオをマネジメントしたきた経験があって、この経験がもたらす影響はかなり大きいと言えます。ただ、“マフィア III”は開発者それぞれの体験と経験を皆で持ち合って1つの作品として作り上げられていて、それぞれの経験がユニークなんです。皆のコラボレーションが実現したことこそ、優れた作品が出来上がった要因なのではないかと考えています。

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