先月末、ジュリアン・アサンジとエドワード・スノーデンの時事ネタを取り上げたプロットを引っさげ、映画「Postal 2」Kickstarterキャンペーンを開始したお馴染みのウーヴェ・ボル監督ですが、Kickstarterでは意外なほど真面目にインタビューやキャスト情報を含む映像、トロマの父ロイド・カウフマンまで登場する応援メッセージの公開など、意欲的なアップデートを続けていますが、資金はなぜか(やはり)一向に集まらず、初期ゴールの50万ドルに対し1割程度の調達に留まる状況が続いています。
そんな中、Hollywood Reporterがのっけから“ウーヴェ・ボル監督は怒っている”と切り出すインタビューを公開し、資金が十分に集まらない理由がファンにあるというボルらしい見解が明かされました。
多くのポスタルファンが金を持っていないと語ったボルは、「やつらは100ドルさえ出せない。ポスタルファンの90%は映画を見るために金を払わない違法ダウンローダーだ」と言い放ち、映画のサイズを縮小し自己資金を投じることも可能ながら、やはり十分に狂った作品にするためにはファンのサポートによる50万ドルが必要だと説明しています。
Kickstarterのアップデートには真面目に取り組んでいるにも関わらず、もはや資金が必要なのか、それとも企画を投げ捨てたいのか、良く判らない状況に陥っているボルですが、インタビューではオープニングシーケンスのアイデアについて次のように説明しています。
SEAL Team Sixのヘリコプターがイスラマバードでクラッシュし、彼らは不時着した近くの民家に突撃する。
そして違う“男”の頭に銃弾を撃ち込むんだ。
このアイデアをVince Desi(※ ゲーム版の開発を手掛けるお馴染みRunning with Scissorsのボス)に語った際のエピソードに触れたボルは、このプロットの説明に続けて「地球で最も優れた兵士達はヘリコプターさえまともに着陸させられない!」と甲高くわめいたところで、Vince Desiが我を失い「Navy SEALsを侮辱するな!」とマジギレされたことを告白。
しかし、ボルはこういったエクストリームなアプローチが同性愛者に対する糾弾や人種差別を平気で行う一部の若いゲーマー層にある種のインパクトを与えると語り、自身の作品が通常あるべき世界から遠くかけ離れた存在であることを前置きした上で、こういった冗談と侮蔑によって描かれる無政府主義的なコメディーが彼らのモラルを賛成或いは反対の二極化に進め、彼らの心を開く助けになると説明しています。
さらに、現在のシューターゲームは子供達にアメリカが世界警察であることを植え付ける洗脳であり、Nワードのような問題に討論するトピックは逆説的な人種差別の表出だと畳みかけたボルは、自身が“様々な問題について過剰に語り合うことは出来るが、これらを決して解決することが出来ない世界”で映画を作っていると発言。映画“Postal 2”は、全てのこういった事象に対する答えだと断言しました。
もう、後半に連れ何を言っているのか、判るようなそうでもないような謎のエモーションとグルーブに満ちた見解を提示したボルですが、ある意味で岡本太郎の対極主義的な思想さえ感じられる見解が本気である場合、ボルのケースでは本気で取り組む程にオーディエンスと剥離する結果となり、資金調達はますます困難を極めると言え、今後冷静になって適度な着地点を見出すことが出来るか(或いはこのまま突き抜けるか)、残すところ38日となったKickstarterキャンペーンの進捗に改めて注目が集まるところです。
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