Destructoidが行ったValveのChet Faliszek氏へのインタビューによると、近年のゲームにおいて「モラルの選択」は流行のマジックワードの様に用いられる要素となっているが、実際のこれらは言葉通りの機能を果たしていない、と発言しました。
同氏の発言ではBioshockのリトルシスターに対する選択やinFAMOUSの善悪のパラメータによる成長のカスタマイズなどを例にし、これらが本来の意味でのモラル選択とは言えず、ゲームを進める為の戦略的な味付けにすぎないと指摘しています。そしてモラルの選択は現実世界で活きる物である、と発言を締めています。
昨今、ゲームの暴力表現等が教育に与える影響などが大きく問題になる事をよく目にしますが、大多数のユーザーが現実世界とゲームの間にあるモラルの温度差に区切りがつけられないとも考えられません。もちろん真剣に取り組むべき大きな問題である事に違いはありません。
しかし、表現や人間の心理をリアルに表す事が真に目指すべき良い方向かと考えると幾ばくかの疑問を感じずにも居られません。逆説的に考えると本当の意味でモラルの選択をユーザーが可能なゲームが完成するならば、その事こそが現実とフィクションの境界無くしてしまう恐ろしい世界の始まりなのかもしれません。
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