doope!

日本語版の発売も決定した傑作アドベンチャーLife is Strangeを生んだフランスの“Dontnod”が開発を進めている新作RPG「Vampyr」ですが、本日PlayStation.BlogとGameSpotが本作の世界観やテーマにスポットを当てるインタビューを公開し、幾つかの新しい情報が明らかになりました。

第一次世界大戦の終戦直後、スペイン風邪によるパンデミックが吹き荒れる1918年のロンドンを舞台とする新作“Vampyr”は、戦場で軍医として活躍し、ある事件で吸血鬼化した優秀な外科医Jonathan E. Reidを主人公とする作品で、吸血鬼としての本能とドクターでもある人間的な理性の狭間に揺れる選択を特色とすることが報じられていました。

• アクションRPG作品となる“Vampyr”は、タイトで直感的な戦闘メカニクスと探索、調査を特色とし、手掛かりを集め、多くの人々と対話するためにロンドンのストリートをさまようゲームプレイを特色とする。
• “Vampyr”には、オーセンティックな間に合わせの武器や外科医用ののこぎり、複数の遠距武器が登場し、架空の恐ろしい者達や人間の敵対者それぞれとの戦闘が描かれる。
• また、主人公は前述した通り吸血鬼であり、“食事”を採ることは避けられない。ゲーム内に登場する全ての人間が食事のターゲットであり、“誰”を捕食するか、その選択は直接ゲームプレイとストーリーに影響を与える。
• 1918年のロンドンについて：Dontnodは、近年のモダン（或いはヤングアダルト的）な吸血鬼テーマのテレビや映画ではなく、従来のゴシックな吸血鬼のストーリーを語りたいと考えていた（なお、Dontnodは吸血鬼ジャンルがビデオゲームにおいて未だ十分に調査されておらず、多くの可能性が眠っていると説明している）。1918年のイギリスは、第一次世界大戦の余波から回復を図る一方で、スペイン風邪がロンドンの裏通りを通じて蔓延し、通りは死と犯罪に満ちあふれており、世界の在り方を変える新しい科学の台頭と共に、当時のイギリスは社会的、政治的に大きな変化を経験していた。Dontnodは、当時のロンドンが迷信と科学が同居し、世界はまだ暗く恐ろしい場所だったと語り、濃い霧に覆われ、戦争の爪痕によって混乱するロンドンのストリートは特にそれが顕著だったと説明している。
• 主人公“Jonathan E. Reid”について：Reidは第一次世界大戦において軍医として活躍した外科医で、特に輸血技術に精通した人物。超自然的な存在や事象の全てを疑う懐疑論者でもある。自身が吸血鬼化した事実については、合理的な人間としてこれをある種の病状として扱い、理解することを望んでいる（が、その様相はゲームプレイと共に変化する）。
• Dontnodは、本作の開発に伴い、1918年のロンドンに恐ろしい被害をもたらしたインフルエンザ（スペイン風邪）や、この期間における医療的な健診、科学的な啓発に関する研究を進めており、当時ロンドン当局がどのように流行病を扱い、パニックを抑え、人々を管理したか、当時の冷酷なビジョンが本作のビジュアル的なリファレンスとして用いられている。
• ヴァンパイアとしての選択について：無実の人間を殺すことは永遠の命に対する対価であり、吸血鬼の目に映る“無罪であることの定義”とは何か、といったテーマが被害者（食事）の選択において描かれる。プレイヤーは吸血鬼であることから、誰かを殺すことは避けられず、“誰”を食事とするかが大きな選択となる。この標的はプレイヤーが世界の出来事を目にし、情報を集め、自ら選択せねばならず、固有の二重性に苦悩する吸血鬼の姿が描かれる。
• ロンドンのビジュアルは、Unreal Engine 4を利用した最先端のライティング技術とポストプロセス、印象主義的なアレンジにより暗く残忍な世界として描かれている。また、人気アーティストPhil Hale（フィル・ヘイル）の絵画作品がその恐ろしいムードやスタイルに影響を与えていることが明かされている。
• 今のところ、“Vampyr”の具体的なプロットについては明かされていないが、一先ずスペイン風邪によるパンデミックが物語において大きな役割を担う要素であることが記されている。