先日、待望の日本語版ローンチを果たした傑作アドベンチャー“Life is Strange”を生んだフランスのDontnodが開発を進めている新作アクションRPG「Vampyr」ですが、新たにGameWatcherが本作のナラティブディレクターStephane Beauverger氏のインタビューを公開。主人公を含む吸血鬼が身を潜めるに足る1918年のロンドンの社会的な背景や、本作における吸血鬼の生態、マルチエンディングの採用、ゲームプレイのボリュームなど、非常に興味深いディテールが明らかになりました。
なお、Dontnodの新作“Vampyr”(PS4/Xbox One/PC)は、第一次世界大戦の終戦を経て、スペイン風邪の大流行に伴い壊滅的な状況にある1918年の仄暗いロンドンを舞台に、吸血鬼として蘇った外科医Jonathan E. Reidの物語を描くアクションRPGとして注目を集めています。
- Vampyrに登場する吸血鬼について:その出自や苦手とする要素など、数多くの小説から映画に至るまで、吸血鬼には多種多様なバリエーションが存在するが、Dontnodは本作に登場する吸血鬼のディテールを自ら作り上げたことで、本作独自の吸血鬼が誕生した。これに併せて、Dontnodが本作の吸血鬼に関する独自のLoreを構築している。
- 例として、Vampyrの吸血鬼はいわゆる霊体ではなく、物理的な肉体を持ち、鏡でその姿を見ることができる。Dontnodは、こういったルールを全て作成した上で、これらを利用する方法を決めたとのこと。
- ゲーム内における吸血鬼の起源について:Stephane Beauverger氏は、Skyrimが世界の背景や知識をゲーム内の本を通じて描く手法に興味を持っていると語り、本作においてもゲーム内で得られる収集物を通じて吸血鬼の起源や知識に関するバックグラウンドストーリーが描かれる。
- ゲーム内に登場する複数の勢力:Dontnodは本作の開発にあたって秘密の勢力を作成しており、何世紀も生きる吸血鬼達やヴァンパイアハンターといった存在と出会うとのこと。また、彼らは主人公が“誰”なのか、そして主人公に対峙する方法をそれぞれに理解している。また彼らが残した本からさらなる情報が得られるとのこと。
- 主人公とその他勢力の関係:プレイヤーは墓場から蘇ったばかりの吸血鬼で、自分以外の吸血鬼やヴァンパイアハンターの両方と対峙する状況下にある。また、吸血鬼達は人類と同様に全てが同じ意見を共有するとは限らず、一枚岩ではない。プレイヤーは誰が自身を吸血鬼にしたのか、その手掛かりを全くもっておらず、メインストーリーを進めることでその答えを発見することになる。ゲーム内に登場する他の吸血鬼達は、秘密主義で利己的な傾向にあり、他の吸血鬼と会話し情報を得るためには、これを実現する困難な方法を見つけ出す必要がある。
- 吸血鬼としての成長について:ゲーム内ではネズミや他のクリーチャー、ミッションを終えることで経験値が得られ、必ずしも誰かを(獲物として)殺害する必要はない。ただし、市民や他の吸血鬼を殺害することは、膨大なXPの獲得に繋がり、他者を殺す誘惑がいわゆるフォースの暗黒面のように存在し、物事を容易に解決可能にする。ただし、Dontnodは物事を善悪で計るモラル選択として導入したくないと語っており、吸血鬼が他者の血液を望むことは至って自然な行為だと強調している。
- ゲーム内のロンドンについて:当時のロンドンにはエレファントマンとして知られるジョゼフ・メリックなど、いわゆるフリークスと呼ばれる人々の存在が広く認知されており、第一次世界大戦で大きな傷を負った兵士や、様々な外見や結果を伴う再建手術など、市民は日頃から恐ろしい光景を見慣れており、吸血鬼についても恐ろしい傷を負った人間のようなものだと考えているとのこと。また、猛威を振るうスペイン風邪に伴う認知症で正気を失う患者も多く存在し、一部にはこういった患者が家族を惨殺するような事件も存在したとのこと。こういった背景から、ゲーム内の吸血鬼による殺人はよくある事件の1つだと考えられている。
- 舞台となるロンドンの再現度:Vampyrに登場するロンドンは、当時の区画を正確に再現するようなものではないものの、テンプル教会など、幾つかのランドマークが存在するとのこと。これについては、現在もタワーブリッジやビッグベンといった建築物の登場を実現すべく、著作権絡みの取り組み(歴史的な建築物の多くは外観の著作権を独自に所有している)を進めているとのこと。
- プレイヤーに与えられる自由について:Vampyrのテーマとストーリーにおいて、Dontnodはプレイヤーに自身が他者を殺害しうる、或いは他者の命を救うことができる吸血鬼であることを感じさせたいと語っており、誰を殺し、誰を殺さないか、その選択はプレイヤーの手に委ねられると強調している。プロットにおいて、プレイヤーに暴力を強いることはなく、常に2つから3つ程度の異なる解決策が用意されている。また、これに伴い他者のとの利害関係に変化が生じ、その行動には代償がつきまとうとのこと。
- マルチエンディングについて:本作は前述したような吸血鬼としての行動に伴い変化するマルチエンディングが用意されている。これは結末に至る全ての行動を反映し、それぞれに異なるエンディングを提示するもので、いわゆるグッド/バッドエンディングの類いではないとのこと。
- ゲーム内に登場するアイテム:クエストの完了や箱を開けること、死体からのLoot、クラフト等を通じて様々なアイテムを獲得することができる。また、生産用の素材は全て探索を通じて発見可能。さらに、ロンドンには吸血鬼に関する知識や彼らの弱点に関する情報を備えた秘密のロケーションが存在しており、これを発見することで、他の吸血鬼に対峙する方法を確立することができる。
- 本編のボリューム:メインストーリーはおよそ25のミッションから構成され、おとそ15時間程度のボリュームを想定している。これはサイドミッションや収集要素を含まないもので、最短でメインストーリーをクリアする時間とのこと。
- 開発の進捗について:開発は開始から既に1年ほど経過しており、現在はプリプロ段階にある。リリースは2017年予定。
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