特集第5回:「バルダーズ・ゲート3」の多彩なプレイアブル“種族”とキャラクター情報の基本について

2023年11月30日 11:25 by katakori
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「Baldur’s Gate III」

先日の「バルダーズ・ゲート3」第4回特集では、主人公の選択システムとオリジン・キャラクターの概要をご紹介しました。第5回となる今回の特集は、前回から直接続く要素として、ゲームプレイの最も重要な基本となる“プレイアブルなキャラクター”そのものに焦点を当て、その構成やディテールを掘り下げていきます。

というのも、前回の特集でご紹介した通り、本作の主人公となるプレイヤーキャラクターの作成は、それ自体が膨大な情報量と選択肢を持つ(それこそ何周しても頭を悩ませるような)巨大な“沼”のようなもので、“バルダーズ・ゲート”も“ダンジョンズ&ドラゴンズ”も初めてだという方には、プレイ開始直後から浴びせられる怒濤の情報量に挫けることなくゲームを気軽に開始できるよう、予め設定が概ね出来上がっている“オリジン・キャラクター”を選ぶのが遊びやすいとオススメしました。

ただし、オリジン・キャラクターを選択した、もしくはお気に入りのカスタム・キャラクターを作成した、いずれの場合であっても、そのキャラクターがどういうスタイルで、どういう特徴を持ち、どんなプレイが得意なのか、その概要をある程度把握することが重要になります。

選択したオリジン・キャラクターや作成したカスタム・キャラクターの細部を見ていくと、初めての方やCRPGに不慣れな方には、どういう内容が記されているのかよく分からず、いざヘルプで用語を調べてみても、さらに耳慣れない別の単語が出てきて……というループに陥ったり、そもそも見方がよく分からないという現実に直面するかもしれません。

という事で、今回の特集はキャラクターがどんな要素で構成されているのか、その見方が分かる基本をご紹介した上で、プレイアブルな“種族”の概要をまとめてご紹介します。(第6回と第7回は、これに続く情報として、“クラス”の基本とラインアップを掘り下げます)

プレイアブルキャラクターの基本情報

アスタリオンやシャドウハートなど、独自の背景とストーリーを持つオリジン・キャラクターは、予め種族やクラスが設定済みで(一部の項目はカスタマイズも可能)、そのまますぐにプレイできる便利なキャラクターですが、キャラクター自体は、全てを自分で自由に設定できるカスタム・キャラクターと全く同じ要素で構成されています。

という事で、オリジン・キャラクターとカスタム・キャラクターのどちらでも、キャラクター情報の見方は同じなので、まずは一度実際にキャラクターを作成し、完成するまでの流れを見てみましょう。

作例:ハーフエルフのファイターを作成してみる

「Baldur’s Gate III」

「バルダーズ・ゲート3」のニューゲームを開始し、難易度を選択するとオープニングムービーが流れ、その後主人公となるカスタム・キャラクターの作成、もしくはオリジン・キャラクターの選択に進みます。キャラクターの作成・選択メニューに入った際、デフォルトでハイ・エルフの女性バーバリアンが表示されているので、彼女の設定を順に変更し、ハーフエルフの男性ファイターを作成してみましょう。

キャラクターの作成は、画面最上部に並ぶ“出生”や“種族”、“クラス”といったメニュー毎の内容を変更し、タブを順番に切り替えながら進めていくことになります。

「Baldur’s Gate III」

出生”の項目では、体の種類やアイデンティティが変更できるので、まずは男性キャラクターに設定しました。

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次のタブ“種族”では、文字通りプレイアブルな種族を選択できます。ここで種族を変更すると、種族名の下に取得可能な“種族の特徴”や“アクション”、“習熟”といった様々な項目が表示されます。これについては後でご紹介するので、まずはエルフ(亜種族:ハイ・エルフ)となっていた種族を“ハーフエルフ”に変更します。

「Baldur’s Gate III」

ハーフエルフには、“亜種族”と呼ばれる設定項目があり、それぞれに異なる出自や特性を持つ“ハイ・ハーフエルフ”と“ウッド・ハーフエルフ”、“ドラウ・ハーフエルフ”の3つから選択可能です。ここでは、エルフの血筋によって簡単な魔法“初級呪文”が使用できる“ハイ・ハーフエルフ”を選びました。

「Baldur’s Gate III」

ハイ・エルフが使用できる“初級呪文”は、複数の魔法の中から1つ選択できます。ここでは火属性のダメージを与え、18mの射程を持つ“炎の矢”を選びました。

「Baldur’s Gate III」

次のタブはいよいよ“クラス”です。先ほどまでバーバリアンが選択されていたので、お目当ての“ファイター”に変更します。ここでも“ファイター”の下部に取得できるクラス固有の要素がずらりとならんでいます。

「Baldur’s Gate III」

ファイターを選択した場合、得意な“戦闘スタイル”を決める必要があります。この辺りは次回以降の“クラス”特集にて改めてご紹介しますが、今回は一先ず両手武器を選んでみます。

「Baldur’s Gate III」

お次は、技能と呼ばれる習熟が2つ得られる“背景”の選択です。技能と習熟については後ほどご紹介しますが、“背景”というのは育ってきた環境を指す要素で、選択した内容に沿った“技能”が2つ得られます。ここでは、貴族を選択したので、“歴史”と“説得”と呼ばれる2つの技能が得られました。

「Baldur’s Gate III」

次のタブは“能力”。筋力や耐久力、知力といった馴染み深い6種の能力に、27ポイント分の能力値を割り当てることでキャラクターのパフォーマンスや戦闘力が大きく変化するわけですが、今回は前回の特集にてご紹介した“推奨”機能で自動割り振りにしました。

「Baldur’s Gate III」

キャラクターの性能を左右する最後の項目が“技能”です。ここでは、これまでに選んだ種族やクラス、能力値によって獲得した技能の一部を強化することが可能。一先ず、ファイターに役立ちそうな“運動”と“軽業”を強化してみました。

「Baldur’s Gate III」

キャラクター作成の最後は“外見”です。膨大な量の項目が変更・調整可能で、ランダム選択も可能ですが、今回は一先ず髪型だけ少し変えてみることに。

「Baldur’s Gate III」

髪型がちょっと高貴な感じに変わりました。エルフっぽい!

「Baldur’s Gate III」

最後にキャラクターの名前を入力すると、ハーフエルフ(亜種族:ハイ・ハーフエルフ)のファイターがめでたく完成。画面右部には出来上がったキャラクターの情報が分かりやすくまとめられています。

コンソール版のUIだとキャラクター情報が縦に長く一覧で表示されるので、一旦PC版のUIで完成したキャラクターの情報を確認してみます。

「Baldur’s Gate III」

これを見ると、作成したキャラクターが大きく分けて種族クラス、6種の能力値イニシアチブとヒット・ポイント初級呪文アクション習熟に分類されていることが分かります。

また、習熟については、さらに“武器”と“防御力”、“技能”の3カテゴリに分かれていて、そこに様々な項目が含まれています。

ここにある、初級呪文とアクションは四角いアイコンで描かれていますが、これは戦闘や探索中に任意で使用できるアクティブなスキルのようなもの。このアイコンで表示される分類は、“初級呪文”と“呪文”、“アクション”の3種のみで、それぞれに様々な魔法や能力が用意されています。

これに対して、文字で記載されている“習熟”というのは、「バルダーズ・ゲート3」の戦闘や会話、交渉、探索、ストーリー展開を司る“ダイス・ロール”の出目に影響を与える、パッシブスキルのような役割のものだとご理解ください。(以下、正式な用語ではありませんが、便宜上アクティブスキルとパッシブスキルという文言を使用します)

「バルダーズ・ゲート3」のキャラクター作成が一見難しく感じられるのは、多種多様なアクティブスキルとパッシブスキルが、“種族”からも、“クラス”からも複数得られるほか、重複する場合もあり、能力値の割り振りによっても効果が変わってくる、まるでパズルのような構成にあると言えます。(例:種族から得られる“初級呪文”もあれば、クラスから得られる“初級呪文”もある、同様に種族から得られる“習熟”もあれば、クラスから得られる“習熟”もあるわけです)

これによって有用な組み合わせ(例えば、種族とクラスから得られる項目が重複しないほうがお得だし、異なる項目が互いにシナジーをもたらす方が良いということになります)や、一部の項目が無用の長物となるようなケースも生まれるわけですが、それぞれの項目がどういった選択から導かれたものか、全体的なパズルの構造と出所を掴んでおくと、オリジン・キャラクターとカスタム・キャラクターの特性がより理解しやすくなるはずです。

キャラクターの作成過程を時系列で追いかけると、複雑に感じられますが、キャラクターを構成する大きな分類ごとに得られる要素を一覧で書き出してみると、全体像が分かりやすいかもしれません。

「Baldur’s Gate III」

この図は、種族やクラスといった選択項目から得られる要素の種類を全て網羅したもので、一部の種族には亜種族の選択がなかったり、一部のクラスはサブクラスがなかったり、もしくは一定のレベルに到達した時点でサブクラスが解放されるものもあるなど、個々の種族やクラスによって得られる要素の有無が大きく異なります。

“技能”については、+補正と記載していますが、技能は全部で18種類存在していて、全てのキャラクターが最初から全ての技能を所持していますが、種族やクラス、背景、能力値の選択によって、個々の値が変化する仕組みとなっています。

今回の特集では、まず上図の全カテゴリから得られる「習熟」(武器、防御力、技能)と、これに深く関係する「ダイス・ロール」の基本をご紹介した上で、具体的な特徴やアクション等のディテールを含む「種族」の情報をご紹介。これで、上図の1番と3番の概要がカバーできるので、続く第6回と第7回の特集では、4番の“能力”を掘り下げた上で、2番の“クラス”、さらに“呪文”の仕組みをまとめ、図の構造全体をカバーする予定です。

多種多様な「習熟」と、冒険の運命を左右する「ダイス・ロール」

「習熟」というのは、先ほどもご紹介した通り、サイコロを振って様々な成否を判定する「ダイス・ロール」に影響を与えるパッシブスキル的な項目です。

例えば、ロングソードの武器習熟を持っている場合、ロングソードで攻撃すると習熟ボーナスが付与され、ダイス・ロールの成否判定が有利になります。また、特定の武器習熟を持っていることが一部“アクション”の発動条件となっているようなケースもあります。

習熟の具体的な効果や影響を紹介するまえに、「バルダーズ・ゲート3」の戦闘や探索に深く関わる「ダイス・ロール」の概要をご紹介しておきましょう。

「ダイス・ロール」の基本

「ダイス・ロール」というのは、規定のサイコロを振って成否の判定や数値の決定を行うものです。会話や交渉中などに発生し、20面体サイコロを転がすアニメーションで判定を行うものが最も分かりやすい例ですが、実際は(テーブルトークRPGの“ダンジョンズ&ドラゴンズ”と同じように)戦闘時の命中判定やダメージ値の算出、罠の発見、隠された秘密の知覚、攻撃や呪文の回避、被ダメージ値の算出、ある情報を得た時に生じる追加の説明や理解など、あらゆる要素が“ダイス・ロール”の出目によって決定されます。

最も重要で代表的な“ダイス・ロール”は、次の3つ。まずは能力値を用いて様々な成否を判定する「能力値判定」、2つ目は敵の攻撃や呪文を回避する「セーヴィング・スロー」、3つ目はプレイヤーが攻撃を行った際に命中の成否を判定する「攻撃ロール」で、何れも20面体のサイコロを1つ振ります。

サイコロは20面体以外にも存在しています。例えば呪文“炎の矢”は10面ダイスを2つ振った出目の合計値(つまり最小2~20)をダメージとして与えますが、強力な“火球”は6面ダイスを8つ振った出目の合計値(最小8~48ダメージ)を効果範囲内の敵・味方に与えることになります。この際、10面ダイス2つのロールは“2d10”、6面ダイス8つのロールは“8d6”と表記され、全てのダイス・ロールがコンバットログにまとめて記載されます。

「Baldur’s Gate III」
参考:コンバットログにて確認できる攻撃ロールとダメージ算出ロールの詳細

この辺りの面倒な判定は、全てゲーム側が自動で計算してくれるので、細部を意識するのはゲームに十分慣れてからでも全く問題ありませんが、“ダイス・ロール”を有利にする方法とその仕組みは理解しておいた方が何かと便利です。

ということで、まずはサイコロのアニメーションで成否判定が行われる「ダイス・ロール」の例をご紹介しましょう。

「Baldur’s Gate III」

これは、序盤で発生するイベントで、主人公パーティがある人物の言動を気づかれることなく操ろうと試みるシーンの“ダイス・ロール”です。

20面体のサイコロを1つ振って、難易度として設定されている“10”以上の数値を出すとめでたく成功。出目が“10”未満だと失敗してしまいます。

失敗すると戦闘が起こりかねないことから、緊張する場面ですが、成否判定には主人公“ダークアージ”の判断力に基づくボーナスが“1”付与されます。つまり、出目が9だった場合でも、ボーナスの1が加算され、10に達することで判定は成功扱いとなるわけです。

この状況だと成否の確立はほぼ半々、僅かにプレイヤーが有利といったところですが、一番下に“ボーナス追加”という項目があり、これで現在利用可能なボーナスを追加で付与することが可能です。

「Baldur’s Gate III」

ボーナスとして、シャドウハートが詠唱可能な呪文“導き”の効果を付与することで、1d4(4面体のダイスを1回振る)のロール値がボーナスに追加で加算されることになりました。

これにより、8以上の出目が得られれば確実に成功。1d4ボーナスのロールによっては、出目が5でも成功となる可能性がでてきました。

なお、判断力のボーナスは、能力値に基づいて算出されるため、脳筋ハーフオーク主人公の補正ではいささか心配です。

そこで、高い判断力値を持つシャドウハートで会話を進め、同じ“ダイス・ロール”を行ってみると……。

「Baldur’s Gate III」

なんと、シャドウハートの判断力ボーナスは“+4”!さらに、ゲームプレイ中に得たとあるボーナスから追加で“+1”の補正も得られ、確定分のボーナスが“5”になりました。つまり、20面ダイスを振った出目が“5”以上であれば、成功になるわけで、先ほどの脳筋ダークアージに比べると、判定の有利さは雲泥の差と言えるでしょう。

「Baldur’s Gate III」

おまけに呪文“導き”による1d4ボーナスも追加すれば、成功率は格段に向上するので、安心してダイスを振ることができます。

このように、同じパーティで冒険する同一の場面であっても、対応するメンバーによって大きく状況が変化するわけです。

ちなみに、特別な出目の扱いとして、20面体ダイスを振った際に、“1”が出た場合はボーナスの有無やボーナス値の大きさに限らず、クリティカルで失敗扱い。“20”が出た場合は、マイナス補正等で目標値に届かなかった場合でもクリティカルの成功扱いとなります。

ダイス・ロールの「有利」と「不利」

また、ダイス・ロールの成否判定における非常に重要な要素として、「有利」と「不利」という状態があります。

これは、通常1つのダイスを振るところを、2つ振り、「有利」の状況下では出目の大きい方、「不利」の状況下では出目の小さい方を成否判定に用いるというもの。

「有利」と「不利」は、前述のような20面ダイスのアニメーションが用いられる場面だけでなく、戦闘を含む各種成否判定にも広く用いられ、文字通り「有利」はかなり“有利”に、「不利」は絶望的なほど“不利”になるので、できるだけ“有利”な状況を多く作り出し、回避できる“不利”は可能な限り避ける、というのがゲームプレイを有利に進める大きなアドバンテージの一つになるわけです。

ここで、20面ダイスのアニメーションによって描かれる“有利”な状況を例としてご紹介しましょう。

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これは、シャドウハートがある場面で敵をだます際の“ダイス・ロール”で、難易度は“5”なので比較的簡単なロールだと言えます。なお、このダイス・ロールは魅力判定なので、シャドウハートの魅力値が反映され、ボーナスは“-1”となっています。つまり、1d20で“6”以上の出目が必要という状況です。

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ここで、ボーナスに人物魅了の呪文を使用すると、呪文の説明文にある「会話中の魅力判定が有利になる」が適用され、このダイス・ロールが“有利”状態になります。

「Baldur’s Gate III」

という事で、振るサイコロが2つに増え、“有利”の状態にあることが明記されました。これにより、どちらかのサイコロで“6”以上の出目を出せば、めでたく成功となるわけです。

“不利”の場合は、これと全く逆の状態となり、低い方の数値で判定が行われることになります。

今回ご紹介した“有利”と“不利”は、会話時のダイス・ロールにおけるボーナスでしたが、戦闘においてもしばしば利用する非常に重要な要素で、例えば敵を“盲目”や“伏せ”といった状態異常にさせて、こちら側の攻撃ロールを“有利”に、敵側の攻撃ロールを“不利”にしたり、隠れた状態や不可視状態からの攻撃でロールに“有利”を得たりと、様々な場面で優位な状況を作り出すことができるのです。

キャラクターの「習熟」について

先ほど完成したキャラクターの構成をご紹介した際、3つのカテゴリ“武器”と“防御力”、“技能”によって構成される「習熟」という項目が存在していました。

これが、まさに様々な状況下における「ダイス・ロール」にボーナスを付与するための仕組みで、ゲームプレイや戦闘、装備品、キャラクターのビルド等に大きな影響を与える要素の1つなので、一度この概要をご紹介しておきましょう。

「Baldur’s Gate III」
参考:先ほど完成したキャラクターの情報、下部に3種の習熟がまとめられている

武器の習熟

「バルダーズ・ゲート3」の武器は、大きく分けて“単純武器”と“軍用武器”に分類され、“単純武器”はダガーやショートボウ等を含む全12タイプ。“軍用武器”は、ロングソードやバトルアックス、ヘヴィ・クロスボウ等を含む全19タイプの武器で構成されます。2つの大分類、または個々の武器について習熟を得ていると、その武器を使用した際の攻撃ロール(命中判定)に習熟ボーナスが付与されるほか、当該武器を用いる特殊なアクション等が利用可能になります。

つまり、武器習熟を得ていると、その武器を使用した際の命中率が上がり、固有のアクションも利用できるわけです。ボーナスが付与される武器のラインアップは、キャラクターシート等から確認できますので、習熟している武器を忘れずに装備するよう心がけましょう。

先ほど完成したキャラクターの武器習熟を見ると、「単純武器、軍用武器、スピア、パイク、ハルバード、グレイヴ」と記載されています。これは、ファイターのクラス特徴によって、全ての“単純武器”と“軍用武器”から習熟を得ている上に、ハーフエルフの種族特徴からもスピア、パイク、ハルバード、グレイヴ(※ スピアは単純武器、残り3つは軍用武器に含まれる武器)の習熟を別に得ていることを示しています。

武器の習熟が考慮されるのは、その有無だけなので、前述の記載は単なる重複で、ボーナスが増加するといったアドバンテージはありません。

防御力の習熟

防御力は防具の習熟を示していて、こちらは“重装防具”と“中装防具”、“軽装防具”、“盾”の4カテゴリに分類されます。

ここでいう“防具”とは、主に“鎧”を指していて、一般的な兜や小手、ブーツといった装備は前述のカテゴリに分類されません。ただし、一部の兜と小手、ブーツには重装や中装扱いのものが存在し、各種ロールに不利を得る場合があるので注意が必要です。

防具の習熟を得ていると、その分類の鎧または盾を使用した際、ロールに不利益を得ませんが、習熟を得ていない鎧や盾を使用した場合は、攻撃の命中判定やセーヴィング・スロー(回避判定)等に“不利”が付与されるだけでなく、呪文の使用が禁じられるため、戦闘が極めて劣勢になってしまいます。

技能

武器と防御力の習熟は、その有無だけがゲームプレイに影響を与えていましたが、18種存在する“技能”にはそれぞれ補正値が存在し、数値が高いほうが有利な判定を得られます。

“技能”は、特定の状況下でロールによる判定が発生する特殊なもので、代表的なものとして、罠の解錠や扉の解錠、スリ等に役立つ“手先の早業”や、姿を隠す“隠密”、会話時に相手を言いくるめる“説得”、隠れた罠や宝箱などを発見する“知覚”などが挙げられます。

個々の“技能”は、それぞれが5種の能力値(筋力、敏捷力、知力、判断力、魅力)に紐付けられていて、その値によってベースの補正値が決まるほか、一部の種族やクラスの特徴から得られる+補正、さらに背景の項目で選んだ2種の技能に+補正が追加で適用されます。

筋力

  • 運動:アクション“突き飛ばし”の使用時、敵から突き飛ばされた際の抵抗に利用(※ この抵抗チェックには“運動”と“軽業”の数値が高い方が使用される)

敏捷力

  • 軽業:敵から突き飛ばされた際の抵抗に利用(※ この抵抗チェックには“運動”と“軽業”の数値が高い方が使用される)
  • 手先の早業:解錠、スリ、罠解除時に利用
  • 隠密:アクション“隠れ身”で姿を隠す際に用いられる

知力

  • 魔法学:対話時の選択肢、魔法関連の情報特定等に利用
  • 歴史:対話時に歴史関連の情報が得られる
  • 捜査:対話時に使用され、手がかりを分析する
  • 自然:対話時に使用、植物や動物、森に関する情報が得られる
  • 宗教:対話時に使用、宗教関係の情報が得られる

判断力

  • 動物使い:対話時に使用、動物の扱いに関係する
  • 看破:対話時に使用、相手の嘘を見破る
  • 医術:対話時に使用、相手の症状を把握。さらに、ウィザードのサブクラス“変成術”固有の特徴“実験的錬金術”にも用いられる
  • 知覚:視界の範囲内に存在する隠された箱や機構、罠、隠れている生き物等の検知に用いられる。何かが存在している時に自動でロールが発動する。非常に重要な技能の1つ
  • 生存:対話時に使用、隠された箱の検知にも用いられる

魅力

  • ペテン:対話時に相手をだます際に使用
  • 威圧:対話時に使用、相手を威圧する
  • 芸能:対話時に使用、楽器の演奏時にも用いられる
  • 説得:対話時に使用、相手を説得する。商店や商人の価格にも影響する

ということで、キャラクターの基本とダイス・ロール、習熟に関する情報はここまで。

ここからは、キャラクターを構成する大きな要素の一つである「種族」のラインアップと特徴をまとめてご紹介します。

なお、旧“Baldur’s Gate”シリーズでは、種族毎に能力値の最大値や最低値に違いがあり、これが個性の一部となっていましたが、「バルダーズ・ゲート3」では(ダンジョンズ&ドラゴンズの版に併せて)これが廃止され、プレイヤーが設定可能な能力値の範囲には変化がなくなりました。

これにより、種族間の違いは、それぞれが生まれつき持つ種族の特徴と身体的特徴に絞られ、旧シリーズや“ダンジョンズ&ドラゴンズ”に不慣れな方には、幾分かキャラクター作成やカスタマイズ、情報の把握がしやすくなったと言えます。

700年以上の寿命を持つ美しく荘厳な種族「エルフ」

「Baldur’s Gate III」

フォーゴトン・レルムの「エルフ」は、美しく繊細な容姿とゆうに700年を超える寿命を持ち、自然や魔法、芸術、善良さを愛する種族です。

ゲームプレイに影響するエルフ固有の要素として、以下の種族特徴が用意されています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • エルフの武器訓練:ロングソード、ショートソード、ショートボウ、ロングボウに習熟
  • 暗視:暗闇の中でも12mまで見通せる
  • フェイの血筋:魅了状態に対するセーヴィング・スローが有利になり、魔法で眠らされることがなくなる

最初にご紹介する種族なので、順を追って特徴の具体的な内容を見ていきましょう。

まず最初の“種族移動速度”について、速度と記載されていますが、これは説明通りターンベースモード時において、1ターン当たりの移動可能距離を示しています。これは、基本的に同等の身長を持つ種族が9mに設定されていて、ノームやドワーフといった身長の低い種族が7.5mに設定されています。

1ターン当たりの移動可能距離は長い方が当然有利で、一部の亜種族にはこの移動距離に対するボーナスが用意されているものもあります。

エルフの武器訓練”は、先ほどご紹介した武器習熟の特徴です。ここでは単純武器と軍用武器の大カテゴリに対する習熟ではなく、個別の武器ロングソードとショートソード、ショートボウ、ロングボウに対する習熟に限定されています。

これはつまり、カテゴリで武器習熟を持たないような純魔法クラスを選ぶ際に、エルフを選択しておけば一部の武器で近接・遠隔攻撃が可能になりますよ、というものです。

次の“暗視”ですが、暗闇を見通す力と記されているので、暗い場所でも画面が明るく良く見えるのかな?と考えそうですが、これは戦闘の状況に適用されるもので、画面のビジュアルを変化させるような効果はありません。

これは、暗闇で戦闘が生じた場合、“暗視”を持っておけば範囲内で生じる各種ロールに“不利”を得ないという特徴になります。“暗視”を持たない種族が暗闇で戦うと、攻撃ロール(命中判定)やセーヴィング・スロー(回避判定)が“不利”になってしまうわけです。

以下にご紹介する種族には“暗視”をもつ種族と持たない種族がいて、一部はより強力な“暗視”を持っていますが、効果は何れも上記の内容で共通しているので、効果の概要を覚えておきましょう。

最後の“フェイの血筋”ですが、これは文字通り魅了状態に対する回避が“有利”になり、眠る状態異常の呪文に耐性を持つ、非常に便利な特徴です。

また、エルフには、2つの亜種族が存在し、追加で異なる特徴が得られます。

■ 亜種族:ハイ・エルフ

ハイ・エルフは鋭敏な精神と魔法の基礎を修めた保守的なエルフ達で、亜種族の特徴として“ハイ・エルフ初級呪文”が獲得できます。

これにより、ファイターやローグといったクラスでも、ハイ・エルフを選択しておけば簡単な魔法が使用可能になります。

これは、複数の呪文の中から、詠唱可能となる呪文を1つ選択する仕組みですが、魔法職ではないクラスで初期呪文を得る際、往々にして“知力”が高くない場合が多いので、知力補正が掛かる攻撃魔法はあまりダメージが出ません。しかし、知力補正が掛からないタイプの防御や補助系呪文は役立つ場面が多くあります。

また、攻撃呪文のダメージは低くても、呪文の属性が役立つケースもあり、例えば地面にまかれた油に炎属性の呪文で着火、或いは水たまりに電気を付与して感電させるといった際には、攻撃呪文をトリガーに使用すると属性矢などの消費量を節約することができます。

■ 亜種族:ウッド・エルフ

フェイルーンの深い森で育った“ウッド・エルフ”たちは、険しい森の中でも足取り軽く、音もなく移動する術を持っています。これにより、ウッド・エルフを選択すると、前述した移動速度(ターン当たりの移動可能距離)を1.5m強化する特徴“俊足”が獲得できます。

先ほどご紹介したエルフの移動距離はターン当たり9mでしたが、ウッド・エルフを選択すると、これに1.5mが追加され、ターン当たりの移動可能距離が最大で10.5mになるわけです。これはかなり大きなアドバンテージになるので、便利な初期魔法か、それとも俊足か、悩ましいところだと言えます。

悪魔的な外観を持つデヴィルの血脈「ティーフリング」

「Baldur’s Gate III」

前回の特集でご紹介したオリジン・キャラクターの1人“カーラック”が、この「ティーフリング」種族でした。

ティーフリングは、一般的に“地獄”として認識されている次元界“九層地獄”のデヴィルの血筋を持つヒューマンの一種で、フェイルーンでは呪われた忌むべき存在として都市や社会で強い迫害を受けています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • 暗視:暗闇の中でも12mまで見通せる
  • 地獄の抵抗力:火ダメージに抵抗があり、火によるダメージが半減する

ティーフリングの種族特徴は、概ね先ほどのエルフの解説でほぼカバーしているほか、“地獄の抵抗力”についても説明文の通りの効果なので、詳細な解説は割愛します。

ティーフリングには3種の亜種族が存在していますが、九層地獄の有力者の誰の血筋を引いているかによって、選択可能な初級呪文に違いが生じます。

■ 亜種族:アスモデウス・ティーフリング

最下層のネッソスと地獄全体を支配するアスモデウスの血を引くティーフリング。初級呪文として、“火炎作成”が取得できます。

“火炎作成”は、半径9mを照らす光を発生させ、投擲した場合は火ダメージを与える呪文です。

■ 亜種族:メフィストフェレス・ティーフリング

地獄の第8層カニアを統治するメフィストフェレスの末裔。初級呪文として“魔道士の手”が取得可能です。

“魔道士の手”は離れた場所からオブジェクトを操作できる手を作成する召還系の呪文。箱や中型までの敵を手で掴んで移動させたり、小さな空間に入って偵察させたり、敵の注意を引き付けたり、果ては罠を故意に起動させたり、様々なシチュエーションで役立ってくれる、頼りになる“手”です。

■ 亜種族:ザリエル・ティーフリング

地獄の第1階層アヴェルヌスを統治するザリエルの血脈。初級呪文として“小奇跡”が獲得できます。

“小奇跡”は、技能の威圧と芸能に関する判定で“有利”が得られる呪文です。

エルフの善神たちに呪われた闇エルフ「ドラウ」

「Baldur’s Gate III」

太古の昔、蜘蛛の悪神“ロルス”を信仰したことで、エルフの森を追放され、善き神々の呪いによって暗い色の肌となった闇エルフが「ドラウ」です。

フェイルーンの地底に拡がる広大な地下世界“アンダーダーク”で育ったことから、強力な“暗視”に加え、暗い場所を照らす“踊る灯”を初級呪文として所持しています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • ドラウの武器訓練:レイピア、ショートソード、ハンドクロスボウに習熟
  • 上級暗視:暗闇の中でも24mまで見通せる
  • フェイの血筋:魅了状態に対するセーヴィング・スローが有利になり、魔法で眠らされることがなくなる

“ドラウ”には、2つの亜種族が存在していますが、これは信仰する神の違いで、性能面に変化はありません。ただし、会話中に亜種族固有の選択肢が表示されるケースがあります。

■ 亜種族:ロルス・スウォーン・ドラウ

アンダーダークの大都市メンゾベランザンで育ったロルスの信奉者たち。

■ 亜種族:セルダライン・ドラウ

フェイルーンの地表で活動し、ドラウ固有の問題を解決しようと取り組む“セルダライン”信奉者たち。

短命だが高い適応力と野心に富む「ヒューマン」

「Baldur’s Gate III」

フェイルーンの主要な知的種族の中で、最も若い種族が「ヒューマン」で、寿命が他の古代種に比べて短いものの、強い適応力と成長力によって政治や社会の中心を担う種族となっています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • ヒューマンの民兵:スピア、パイク、ハルバード、グレイヴへの武器習熟を得て、軽装防具の防具習熟を獲得
  • ヒューマンの多才:習熟する追加技能を選択する。さらに運動能力が1/4上昇

ヒューマンの特徴については、有用な武器習熟と防具習熟、追加技能を持つ一方で、“暗視”を持っていないことに注意しておくことが必要です。ゲーム内には、暗視に相当する効果が得られる光源や呪文、装備が多数存在するので、代替手段を忘れず用意しておきましょう。

仇敵マインド・フレイヤーを追う戦闘種族「ギスヤンキ」

「Baldur’s Gate III」

オリジン・キャラクター“レイゼル”の種族でもある「ギスヤンキ」は、かつてマインド・フレイヤーたちが奴隷として使役していた“ギス”を祖先に持つ超古代のアストラル界生物です。

ギスは、マインド・フレイヤーとの長い戦いによって支配を免れ、一部は哲学的な思考を追求する種族“ギスゼライ”となり、残るギス達はマインド・フレイヤーに対する復讐を誓い、あらゆる種族を憎む戦闘種族“ギスヤンキ”となり、袂を分かちました。

ギスヤンキ達は、マインド・フレイヤーを根絶するために、九層地獄で悪竜の女神ティアマトに謁見し、秘密の盟約を得て、レッド・ドラゴンとの同盟を獲得。惑星トリルの軌道上に浮かぶ小惑星に拠点を建設し、マインド・フレイヤーを発見した場合はレッド・ドラゴンを駆り、急襲するのですが、「バルダーズ・ゲート3」のオープニング映像には、マインド・フレイヤーの宇宙船ノーチロイドを追うギスヤンキのドラゴンライダー達が描かれていました。

前回も少しご紹介しましたが、ギスヤンキは物質界の住人達とは全く異なる価値観や規範を持ち、軍国主義的な勢力であることから、異文化との衝突が頻繁に生じています。加えて、古代のアストラル界生物である彼らは卵生の種族であり、アストラル界の時間が止まっていることから、卵から孵化した個体が成長できないため、一時的に定命の物質界に拠点を建設し、ここで子供を育てながら兵士の育成を行っており、これが物質界の住民たちとの間でさらなる軋轢を生む要因となっているわけです。

余談ながら、“ダンジョンズ&ドラゴンズ”世界には、著名な種族間の大きな対立が幾つか存在しています。最も有名なのは、エルフとドラウの対立、或いはデヴィルとデーモンの対立あたりですが、ギスヤンキとマインド・フレイヤーの対立もその1つで、ギスヤンキはマインド・フレイヤーだけでなく、かつての同胞であるギスゼライとも激しく対立していることが知られています。(その他の対立では、ドワーフとドゥエルガル、サーイにおけるウィザードとソーサラー、神々同士の諍い、地表とアンダーダーク、エルフとオークなどが主要な二項対立として挙げられます)

プレイアブルな種族としてのギスヤンキは、アストラル界で身につけたサイオニクス能力を含む以下のような特徴を持っています。

■ 種族の特徴

  • アクション:“星の知識”、選択した能力値のすべての技能に習熟する
  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • 初級呪文:“ギスヤンキのサイオニック:魔道士の手”
  • 武芸の才:軽装防具、中層防具の防具習熟に加え、ショートソード、ロングソード、グレードソードの武器習熟を獲得

まず、アクション“星の知識”は、使用時に5種の能力値(筋力、敏捷力、知力、判断力、魅力)から1つを選択すると、選んだ能力に紐付けられている全技能の習熟を1上昇させるという効果で、一旦使用すると、拠点で一晩休むまでずっと効果が持続する極めて強力なアドバンテージを持っています。(例:魅力の星の知識を選択した場合、ペテンと威圧、芸能、説得が全て+1となる)

また、初級呪文の“ギスヤンキのサイオニック:魔道士の手”は、先ほどご紹介した“魔道士の手”の強化版で、ただでさえ便利な“手”に不可視状態が付与される、まさにチート級の能力。さらに、ギスヤンキは一定のレベルに達すると、さらなるサイオニックとして、通常の3倍の飛距離を持つ強化版ジャンプや視界範囲内へのテレポート能力なども使用可能となるので、非常にプレイが面白い種族だと言えます。

勇敢で頑丈な「ドワーフ」

「Baldur’s Gate III」

「ドワーフ」は、400年以上生きる長命種で、身長が150cmほどの小さい種族。一般的なイメージ通り、屈強さと頑丈さを特色としています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに7.5m移動できる
  • ドワーフの戦闘訓練:バトルアックス、ハンドアックス、ライト・ハンマー、ウォーハンマーに習熟
  • 暗視:暗闇の中でも12mまで見通せる
  • ドワーフの毒耐性:毒に対するセーヴィング・スローが有利になり、毒ダメージへの抵抗を獲得

プレイアブルな種族としては、小型の種族であるため、ターン当たりの移動可能距離が僅かに短く、暗視と毒耐性を特色としています。

■ 亜種族:ゴールド・ドワーフ

ゴールド・ドワーフは、フェイルーンの南方で強大な王国を築いているドワーフで、最大ヒット・ポイントが1増加し、レベルアップ毎に1ずつヒット・ポイントが追加される亜種族特徴“壮健なるドワーフ”を有しています。

■ 亜種族:シールド・ドワーフ

シールド・ドワーフはかつて故郷を追われた高地出身のドワーフで、軽装と中装防具用の習熟を付与する亜種族特徴“ドワーフの防具訓練”を持っています。

■ 亜種族:ドゥエルガル

ドゥエルガルは、アンダーダークでマインド・フレイヤーによって奴隷化されたドワーフで、肌の色からグレイ・ドワーフとも呼ばれています。

アンダーダークで暮らしていたことから、強力な“上級暗視”(範囲24m)を持っているほか、幻術、魅了、麻痺状態に対するセーヴィング・スローが有利になる非常に有用な亜種族特徴“ドゥエルガルの抵抗”を特色としています。

ヒューマンとエルフ、2つの世界に属する「ハーフエルフ」

「Baldur’s Gate III」

「ハーフエルフ」は、その名が示す通り、エルフとヒューマンのハーフで、両種族の優れた資質を受け継ぐ優れた種族ですが、一方でエルフとヒューマンのどちらの社会にも真に属することができない、孤独な面を持ち合わせる種族でもあります。

プレイアブルな種族としては、前述の説明通り、エルフとヒューマンの良いところを組み合わせたような、かなり汎用的な特徴を持っています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • ヒューマンの民兵:スピア、パイク、ハルバード、グレイヴへの武器習熟を得て、軽装防具の防具習熟を獲得する
  • 暗視:暗闇の中でも12mまで見通せる
  • フェイの血筋:魅了状態に対するセーヴィング・スローが有利になり、魔法で眠らされることがなくなる

■ 亜種族:ハイ・ハーフエルフ

ハイ・ハーフエルフは、エルフの亜種族だったハイ・エルフと同じく“初級呪文”を有しています。

■ 亜種族:ウッド・ハーフエルフ

ウッド・ハーフエルフについても、俊敏なウッド・エルフと同じく移動速度が1.5m増加する亜種族特徴“俊足”が付与されます。

■ 亜種族:ドラウ・ハーフエルフ

ドラウとのハーフエルフも同じ仕組みで、アンダーダーク出身であることから、暗い場所を照らす“踊る灯”を初級呪文として所持しています。

小柄で陽気、好奇心旺盛な「ハーフリング」

「Baldur’s Gate III」

「ハーフリング」は、身の丈は僅か90cm程度と小さいものの、非常に陽気で活発な種族で、強運と機敏さで知られています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに7.5m移動できる
  • 幸運:攻撃ロール、能力値判定、セーヴィング・スローで1が出るとダイスを振りなおされ、新しい値が採用される
  • 勇気:恐怖状態に対するセーヴィング・スローが有利になる

ハーフリングは、武器と防具の習熟を持っていませんが、ダイス・ロールの“1”を回避する非常に強力な種族特徴“幸運”を有しています。

■ 亜種族:ライトフット・ハーフリング

フェイルーンで最も一般的なハーフリングがライトフット族で、隠密判定が“有利”となるローグ向けの亜種族特徴“隠密の天性”を持っています。

■ 亜種族:ストロングハート・ハーフリング

ストロングハート族は、フェイルーンの南方からやって来たハーフリングで、毒に対するセーヴィング・スローが“有利”になり、毒ダメージへの抵抗も得られる亜種族特徴“ストロングハートの抵抗”を特色としています。

体は小さいが、活動的で長い寿命を持つ「ノーム」

「Baldur’s Gate III」

ノームは、フェイルーンの長い歴史のなかで、大きな対立や戦争を避けて生き延びてきた平和な種族。発明の神ガンドに対する信仰もあり、世界に対する好奇心が旺盛で、旅に出る若者も少なくないなど、指輪物語におけるホビットのような種族だと言えます。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに7.5m移動できる
  • ノームの機転:知力、判断力、魅力セーヴィング・スローが有利になる

ノームも武器と防具の習熟を持っていませんが、知力と判断力、魅力ベースのセーヴィング・スローが全て“有利”になる、非常に強力な種族特徴“ノームの機転”を特色としています。

■ 亜種族:ロック・ノーム

ロック・ノームはフェイルーンで最も一般的なノームで、亜種族特徴として、“暗視”に加え、歴史の技能習熟ボーナスが倍になる“技術知識”を持っています。

■ 亜種族:フォレスト・ノーム

フォレスト・ノームは、文字通り森の奥で静かに暮らす珍しいノーム達で、亜種族特徴として“暗視”に加え、動物との会話が可能となる便利な“動物との会話”を初期呪文として身につけています。

■ 亜種族:ディープ・ノーム

ディープ・ノームは、ドラウやドゥエルガルと同じくアンダーダーク出身のノームで、亜種族特徴として、強力な“上級暗視”(24mまで)と隠密判定を“有利”にする“岩場の迷彩”を持っています。

竜の血をひく誇り高き種族「ドラゴンボーン」

「Baldur’s Gate III」

ドラゴンボーンは、竜の神々が人型の生物と竜の能力を併せ持つ独自の生物として創造した種族で、見た目の通り“竜”の血をひく一方で、翼や尻尾は持っていません。

かつてドラゴンに隷属させられていた歴史があるため、神を含むあらゆる従属を否定し、自身が所属する氏族と自主独立を他の何よりも重んじています。

種族特徴は、9mの種族移動速度のみで、ウロコの色で分類される10種の亜種族が最大の特徴となっています。

亜種族の違いは、属性ダメージを与えるアクション“竜のブレス”と同じ属性に対する抵抗にあり、色によって以下のようなバリエーションが用意されています。

■ “ドラゴンボーン”の亜種族とその効果

  • ブラック:酸のブレスと酸ダメージ耐性。なお、ブラックを含む全てのブレスは、敵がセーヴィング・スロー判定に成功した際も半分のダメージを与える効果を特色としています。
  • ブルー:電撃ブレスと電撃ダメージ耐性
  • ブラス:炎ブレスと火ダメージ耐性
  • ブロンズ:電撃ブレスと電撃ダメージ耐性
  • カッパー:酸ブレスと酸ダメージ耐性
  • ゴールド:炎ブレスと火ダメージ耐性
  • グリーン:毒ブレスと毒ダメージ耐性
  • レッド:炎ブレスと火ダメージ耐性
  • シルバー:霜ブレスと冷気ダメージ耐性
  • ホワイト:霜ブレスと冷気ダメージ耐性

内なる怒りと共に豊かな喜怒哀楽の感情を持つ「ハーフオーク」

「Baldur’s Gate III」

ハーフオークは、歴史の中で幾度も行われたオークとヒューマンの同盟から誕生した種族で、オークらしさとヒューマンの特徴を兼ね備えています。オーク由来の激しい怒りを持つハーフオークは、感受性が高く、怒りだけでなく、愛や喜び、笑い、悲しみまで豊かに感じる種族として知られています。

■ 種族の特徴

  • 種族移動速度:1ターンごとに9m移動できる
  • 暗視:暗闇の中でも12mまで見通せる
  • 倒れずのしぶとさ:0ヒット・ポイントに達すると、瀕死状態になる代わりに1ヒット・ポイント回復する
  • 猛打:近接武器攻撃でクリティカル・ヒットを決めると、武器ダメージへさらにダイスを加える

プレイアブル種族としてのハーフオークは、死を一度回避する“倒れずのしぶとさ”とクリティカル・ヒットをさらに強化する“猛打”の両方が極めて強力で、近接戦闘系の戦士として素晴らしい素質を持っています。

なお、種族特徴の“猛打”は、クリティカル・ヒット発生時にダメージを1ダイス分追加するという効果ですが、文面だとダメージの詳細がやや曖昧なので、ダメージ計算のディテールをご紹介しておきます。

例として、基本ダメージが“2d6”(6面ダイス2個を振った数値の合算をダメージとして与える)の武器で通常のクリティカル・ヒットが発生した場合、与えるダメージは2d6の2倍となる“4d6”(6面ダイス4個)に増加します。

ハーフオークの“猛打”によるクリティカル・ヒットは、これにもう1ダイス分のダメージを上乗せする効果で、与えるダメージは“5d6”(6面ダイス5個)となるわけですが、実際のゲームプレイにおいては任意でクリティカル・ヒット(通常は攻撃ロールの1d20で出目が20だったときにクリティカル扱いとなる)を発生させる手段も存在しているため、この“猛打”は極めて強力な種族特徴だと言えます。

という事で、「バルダーズ・ゲート3」の“種族”紹介はここまで。次回の特集は、今回カバーできなかった6種の“能力値”に関する詳細と仕組みをまとめた上で、いよいよプレイアブルな“クラス”の紹介を始めますので、お楽しみに!

おこめの「The Elder Scrolls V: Skyrim」記!

skyrim記リターンズその136
「4コマ:攻撃しようにも」
skyrim記
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