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先日、当サイトでもレビューをご紹介したリアルタイムステルス戦略ジャンルの新たな傑作「Shadow Gambit: カリブの呪い」をリリースしたばかりの「Mimimi Games」ですが、先ほどスタジオが公式サイトを通じて声明を発表し、なんとスタジオの大規模な縮小を報告。「Shadow Gambit: カリブの呪い」がMimimi最後のタイトルとなることが明らかになりました。

報告を行ったスタジオの共同創設者Dominik Abé氏とJohannes Roth氏は、10数年に渡ってMimimiのビデオゲーム開発に人生を捧げてきた過程で、作品が野心的に成長する一方、開発者や家族に対する個人的な負担が年々大きくなっていることから、「Shadow Gambit: カリブの呪い」のリリースを無事に終えたタイミングでそれぞれの幸福を優先し、新しい開発サイクルにサインせず、今が立ち止まる適切な時期だと判断したと伝えています。

なお、スタジオの縮小に伴い、今後新しい大作ゲームが開発されることはありませんが、「Shadow Gambit: カリブの呪い」のサポートは完全に継続され、現在全プラットフォームを対象とするパッチに取り組んでいるほか、今年後半には大規模な追加コンテンツも予定されているとのこと。

Mimimi Gamesは、今後数ヶ月を掛けて、徐々に規模が縮小される予定で、在籍する全員のスタッフに適切な仕事を見つけるためのサポートとビデオゲーム業界への連絡を始めているとのこと。また、「Shadow Gambit: カリブの呪い」の発売と成功により、全ての従業員にボーナスが支給された旨が報じられています。

余談ながら、Dominik Abé氏とJohannes Roth氏は今回の決定を下す要因となった背景を詳らかにしており、Mimimiの高品質なゲームを作り上げるためには、極めて負荷の高い集中力と献身が必要となる一方で、ステルス戦略ジャンルの潜在的な収益見込みに対し、将来的な開発費の伸びが上回っており、財務的なプレッシャーとリスクの増大によって、これ以上の持続は不可能だったと説明。新作が完成し、リリースが間近になると、次期プロジェクトの資金を調達するための新たな戦いがはじまり、このサイクルがずっと続くことで、2人は2011年からほぼ休む暇がなかったと伝えています。

創業者であり、ディレクターでもある2人は、スタジオに対する期待に応えつつ、家族との時間を取ることが近年ますます困難になっており、ゲームの品質と企業文化、経営面の目標を達成するためには絶え間ないエネルギーが必要で、もはやこれ以上の提供はできないと吐露。スタジオを縮小し、「Shadow Gambit: カリブの呪い」を最後の作品にすることは極めて困難な決断で、こんな形でMimimiが終わりを迎えるとは思っても見なかったと語った2人は、一方で誰かが体調を崩したり、何かが失敗したり、燃え尽きたりした場合、状況は一気に深刻化するだろうと述べ、つまるところ、現在の規模のプロダクションを管理することは、非常に競争の激しい現在の市場もあって、あまりにも負担が大きすぎることが明白になったのだと説明しています。

「Shadow Tactics: Blades of the Shogun」と「Desperados III」によって、長年途絶えていたCommandos/Desperados系のリアルタイムステルス戦略ジャンルを復活させる信じがたい偉業を成し遂げ、「Shadow Gambit: カリブの呪い」をユーモアたっぷりの新しい集大成的傑作に仕上げた“Mimimi Games”ですが、彼らを失うリアルタイムステルス戦略ジャンルは再び歴史の影に消えていくことになってしまうのか、前述の説明を鑑みるに（作品の素晴らしさとジャンルのニッチさのアンバランスさを含め）Mimimiの決断は十分に納得のいくものですが、ファンとしては非常に寂しい思いで一杯です。