かつて“Bungie”を象徴するコンポーザーとして、Michael Salvatori氏と共に“Halo”シリーズや“Destiny”の素晴らしい楽曲を手がけ、現在は2015年に設立したスタジオHighwire Gamesで問題作“Six Days in Fallujah”の開発にも携わっているお馴染みMarty O’Donnell氏が、新たに自身の公式DiscordやXを通じて新たな取り組みを発表。なんと、共和党候補の一人として、今年の大統領選と並んで行われる連邦議会選挙への出馬を決めたことが明らかになりました。
Marty O’Donnell氏は、ネバダ州第3区の下院議員選挙に出馬予定で、6月に行われる共和党の予備選を勝ち抜けば、11月の連邦議会選挙で民主党の現職スージー・リー連邦下院議員と対峙することになります。
I never wanted to be a politician and I still don’t. I’ve had two successful careers and have started a few small businesses. I’ve also worked for some big corporations. I was ready to retire and spend more time with my family – which I’ve done for the past 3 years. I think… pic.twitter.com/qlqcmi63Z9
— Marty O'Donnell (@MartyTheElder) March 4, 2024
また、Marty O’Donnell氏が今回の下院選出馬についてGamesBeatのインタビューに応じたほか、自身のソーシャルメディアを通じて出馬の背景や政治的なビジョンについて言及しており、伝統的な家族の価値観を取り戻すこと、連邦主義的なアプローチに基づくより小さな連邦政府、および(現政権に巨大な影響力を持つと氏が主張する)大企業と政府の関係抑制、中産階級を成長させる経済の再建、移民規制を含む国境の安全保障などを掲げており、かつてのトランプ政権が国境の安全や良好な経済をもたらしていたとして、トランプ氏支持を表明しています。
以下、今後の動向を追うためにも、まずはMarty O’Donnell氏が表明している自身の考えや政治的なアプローチについて、(その是非や事実は一旦さておき)主なトピックと氏の主張を簡単にまとめておきます。
■ 出馬と政治的な背景について
共和党支持について言及したMarty O’Donnell氏は、自身が団塊世代かつ保守派ではあるものの、政治家はそれほど好きではないと説明。政治はずっと趣味のようなものであり、今も政治家になりたいとは考えておらず、根っからの共和党員とは言いがたいものの、民主党のやってきたことに不満があり、対抗馬として立候補することにしたと語っている。
また、出馬を決めたきっかけについては、現在のアメリカで起こっている敵対的な分断(※ 氏は国のリーダーたちが大企業と癒着し、家族や社会を引き裂いていると考えている)を挙げ、この状況を少しでも改善するために地元の人々に働きかけていたところ、議員選挙への出馬を考えてみないかという連絡が多く寄せられ、出馬を決めたとのこと。
氏は、偉大なアメリカが直面する問題に対して、市民が規律と礼節を取り戻す手助けをしたいと述べ、このような時にこそ大胆なリーダーが求められると語っている。
■ トランプ氏に対する支持について
Marty O’Donnell氏は、かつてのトランプ政権がアメリカに安全な国境をもたらし、インフレもなかったと高く評価している。また、過去の大統領選において2度トランプ氏に投票しており、今秋の大統領選でもトランプ氏に投票する予定とのこと。ただし、11月の大統領選で誰が選ばれたとしても、機会さえあれば(有権者のために)彼らと協力するつもりだと強調している。
■ 中産階級と中小企業に焦点を当てる経済の立て直しについて
現在のインフレや政府支出の肥大化に言及した氏は、現在の経済が間違ったものだと語り、大手ハイテク企業や製薬会社、メディア等を含む巨大企業の幹部や組合のボスたちが政府のコントロールを目論んでいると批判し、現政権は間違ったことに巨額の予算を投じすぎていると主張している。
氏は、この現状によって中産階級と中小企業が搾取され続けているだけでなく、中間層の実質賃金も圧迫されていると述べ、この傾向を反転させるべく中間層と中小企業の支援を強化し、経済の停滞に対処したいと考えている。
■ 国境の安全保障について
氏は、(連邦主義的な観点から州政府の強化を図る一方で)本来連邦政府が責任を負い取り組むべき課題の一つとして、国境の安全保障を挙げている。現在、何百万人もの人々が何の説明もなくやってきて、国民の負担であらゆる種類の補償が与えられていると語った氏は、国を運営するためには安全な国境が必須であることに議論の余地はないと強調しており、国境を巡って連邦政府と州政府が争っている状況はバカげていると非難している。
一方で、これに対する解決策については、今後も学ぶべきことが多く残されていると語った氏は、自身の政治的な立ち位置とは関係なく、国境に危機が迫っていること自体が大きな問題だと語り、これはそもそも民主党の問題でも共和党の問題でもないと伝えている。
■ 伝統的な家族の価値観について
Marty O’Donnell氏は、子供の成長と成功には伝統的な家族の価値観が不可欠だと語り、現在のアメリカでは多くの子供たちが苦しんでいると説明。
これは、現在の社会が長年に渡って伝統的な家族の絆や価値観を嘲笑し、卑下してきたことの結果だと語った氏は、アメリカ社会の強さが家族の活力に支えられているにも関わらず、現在はこれが損なわれていると伝えている。
氏は、自身が掲げるかつての“伝統的な家族”には、自己犠牲や信仰、誠実さ、忠誠、勇敢さといった価値観がもともと備わっていたと発言。政府の力でそうしていたのではなく、正しい価値観を知っていただけだと語った氏は、“道徳的な義務”は本来(強制ではなく)自由に選ばれるべきものなのだと強調しており、子供を育てるために必要なのは家族であり、その家族が共同体を作るのだと説明している。
■ 政治とビデオゲーム、テクノロジーについて
ビデオゲームについて言及したMarty O’Donnell氏は、これまでのキャリアを通じて多くの左寄りな人々と仕事をしてきたと語り、そこでは互いに建設的な対話が出来ていたと発言。例え政治的な問題について意見の相違があったとしても、好きなゲームや音楽では意見が一致することから、常に互いを悪者扱いする必要はないと伝えている。
また、氏はビデオゲームと暴力的行為の因果関係についても言及しており、ビデオゲームが暴力の一因だとしてビデオゲーム業界を追求する政府は全くの無知だと語っている。氏は、政治家がビデオゲームをバカにしているだけだと語る一方で、近い将来にはAIを含むテクノロジーの問題がより大きく顕在化するだろうと説明。AIが何なのか、まったく理解していない政治家が多くを占めるなかで、少なくとも一人くらいは(自身のように)テクノロジーに明るい人材が必要だと考えているとのこと。
なお、ゲーマー向けに可決したいような法律は特にないと語った氏は、ビデオゲームは単なる娯楽であり、連邦政府が娯楽についてとやかく言うべきではないとの見解を伝えている。
余談ながら、ビデオゲーム開発については、これ以上ビデオゲームビジネスをがむしゃらに追求したいとは考えていないとのこと。
■ 自身の支持層について
ビデオゲーム文化の象徴的なコンポーザーの一人であるMarty O’Donnell氏は、“Marty’s Army”と呼ばれる数千人規模のファンコミュニティを抱えており、(例え選挙区にはいなくとも)これが選挙戦で有利に働くと考えている。既にアーミー向けの告知や出馬表明も行われており、新たな“Marty’s Army”を募る選挙サイトもオープンしている。
PC | PlayStation 4 | Xbox One | Wii U
PlayStation 3 | Xbox 360 | PS Vita | DS
Mobile | Movie | Rumor
Culture | lolol | Business | Other
RSS feed | About us | Contact us
かたこり( Twitter ):洋ゲー大好きなおっさん。最新FPSから古典RPGまでそつなくこなします。
おこめ( Twitter ):メシが三度のメシより大好きなゲームあんまり知らないおこめ。洋ゲー勉強中。