2012年11月14日 12:33 by katakori

それぞれに異なる欠落と個性を備えた人間的な新主人公3人

昨日、IGNが予告していた「Grand Theft Auto V」のキャラクター紹介記事が公開され、新主人公三人の概要と新アートワークに加え、Dan Houser氏が語る彼らの背景やデザイン的な投影など、興味深い情報が登場しました。

今回はこの概要とDan Houser氏の興味深い見解を一部抜粋しまとめてご紹介します。

GTAの主人公達が引退した時、その身に何が降りかかるだろうか？新主人公達の中心的な存在となる“Michael”

「Grand Theft Auto V」もし、Salvatore Leone（サルバトーレ・レオーネ：GTAIIIシリーズに登場するマフィア“レオーネ・ファミリー”のボス）があの喧噪から身を引いていたら、或いはTommy Vercetti（トミー・ベルセッティ：Vice Cityの主人公、リバティーシティ出身のヒットマン）が自制し家族を養うために引退していたら？Rockstarは全てを持ちながら失う物がない男の極限状態に関する物語を描くために、引退した犯罪者“Michael”（Grand Theft Auto Vをリードする主人公）に目を向けている。

Dan Houser氏：Michaelは過去に犯した大きな過ちと利己的な決定を忘れようとしている人物で、何をすればよいのか判らないことから“イメージ”と“外観”に取り憑かれた男だ。彼は私たちが最初に誕生させたキャラクターで、これまでのGTAシリーズにおける主人公達が引退した場合、“彼らの身に何が降りかかるだろうか、そして何が彼を引退させるだろうか？”といったアイデアから生まれた。Michaelは巨大な自我と良い素養、悪い素養を持ち合わせる人物だ。

3人のキャラクターシステムにおける利点の1つは、只1人の主人公と仮定した場合に、あまりに大きな欠落を持つ魅力的なキャラクターを主人公として採用できることです。私は、等しく、しかし異なる欠落を持つ主人公達がより理解しやすいキャラクターになるだろうと考えています。

Michaelの欠落は彼の巨大なエゴと自身の荒い気性を制御できないことで、40代でするべき事を知らないまま中年を迎え、手に入れた巨額の富に対しても“それ”で何を行うべきか判らずにいるMichaelは、私にとってとても興味深いキャラクターだ。“表面的な成功を得ながら、勝利によって得た物は必ずしも彼が思い描いていたものではなかった”Michaelは、Rockstarにとってあらゆるビデオゲームどころか、我々が過去に行ったこと、或いはこれまでに見た一般的なエンターテインメントにも見られなかった面白いキャラクターだった。

FIBの任務を請け負ったMichaelがIAAのヘリに銃撃を加えている

“Michael”の鏡像として存在するサイコパス“Trevor”

「Grand Theft Auto V」 “Trevor”から目が離せないのは、彼がMichaelの鏡として機能していることにある。Michaelはその身を落ちつけて上流階級の生活をおくっているが、Trevorはトレーラーパークに押し込まれ、錯乱し、信用出来ない人物として描かれている。TrevorとMichaelはかつての友人であり、その後失われた友情に関する物語と、そして彼らがどのように道を違えたのかについてはGrand Theft Auto Vにおける興味深い物語の要素として十分な魅力を備えている。

Dan Houser氏：TrevorはGTAというコインの裏側だと考えている。彼は欲望に純粋で、怒りに駆り立てられ、エゴよりもイド（本能）によって行動する明日への思いやりを持たない人物だ。常にバカ騒ぎをし、常に狂っている。彼が望まないただ1つの行動は止まることであり、ただ前進し“終わり”までその全てに乗ることを望んでいる。そして、彼は誰からの侮辱に対しても忍ぶことはないだろう。彼は本物のサイコパスのように後悔なく人を殺すが、しかし彼自身に沿う何かに対してはひどくセンチメンタルでもある。彼のそういった素養はGTAというコインの、或いはGTAという世界における別の側面のようであり、しかし同時にとても例外的な主人公のようにも感じられた。

ガソリンに火を放ちトラックを燃やすTrevor

新しい何か、新しいチャンスを探し求めている若者“Franklin”

「Grand Theft Auto V」 Los Santosの南で暮らす“Franklin”は、いつも新しいチャンスを探している元ストリートギャングという最も従来のGTA的な主人公だと言える。Franklinは、余裕の無い大志を抱く若い連中に高級車を売りつけるディーラーの下で、返済が滞った彼らから高級車を回収するレポマンとして生活している。Michaelと共に仕事をこなしたFranklinは、その後をMichaelを助け、そしてMichaelは彼を自身の“存在しなかった息子”と感じている。

Dan Houser氏：Franklinは快適な生活を得るために通常の方法以外で実現を望む20代の若者だが、成功を収めることができるだろうと考えていたその世界は、現実と経済的な変化によって崩壊しており、新しい何かを探している。或いは新しいチャンス。彼がどのように前進するか、誰に彼を導く役を与えるのか。ギャング達が闊歩した時代を終えた世界に投じられた若いギャングは非常に良いコントラストだった。