先日、“OVERKILL’s The Walking Dead”の販売が当初の期待値よりも低かったことから、業績への影響と開発ビジネスの抜本的な見直しをアナウンスした「Starbreeze」ですが、近年の野心的なスタジオ拡張と販売の低迷からIPの売却や閉鎖の噂も飛び交う状況となっていたスタジオの動向に注目が集まるなか、本日“Starbreeze AB”及び子会社Starbreeze PublishingとStarbreeze Production、Starbreeze Studios、Enterspace、Enterspace Internationalがストックホルム地方裁判所に再建を視野に入れた倒産手続きを申請したことが明らかになりました。(参考:プレスリリース)
これは、“OVERKILL’s The Walking Dead”の販売低迷により、2019年1月の資金ショートが確定したもので、再建計画には従業員の給与が含まれており、申請を行ったスタジオの運用は通常通り継続され、再建期間中におけるサプライヤー向けの支払いも行われるとのこと。
また、再建に向けた取り組みの発表に併せて、Bo Andersson氏がCEOと役員を辞し退職したほか、Kristofer Arwin氏が役員会を去り、Mikael Nermark氏が代理としてCEOを代行することが判明しています。
余談ながら、“Starbreeze”はPayday 2とDead by Daylightの大きな成功に伴い、2015年頃から事業の多角的な拡張を破竹の勢いで進めており、次世代ゲームエンジン“Valhalla”や映像プロダクション“Payday Productions”、インドの大手プロダクション“Dhruva Interactive”の買収をはじめ、インディーレーベル“IndieLabs”の設立とパブリッシングビジネスの強化(期待作“System Shock 3”やSoren Johnson氏の新作“10 Crowns”の販売も決定していた)、Acerと提携したハイエンドVRデバイスの展開と新会社の設立、韓国Smilegateとの長期的な提携、505 Gamesが一部保持していた“Payday”IPの統合といった話題が報じられていました。
一方で、2018年1月には“RAID: World War II”(2017年9月下旬発売)の販売不振に伴い、主力タイトルである“Overkill’s The Walking Dead”のマーケティング強化と“Payday 3”開発の前倒しを含むキャッシュフロー改善の計画がアナウンスされたほか、2018年3月には(キャッシュフローの改善を図った)“Dead by Daylight”のパブリッシング権売却が報じられ、ビジネス的な動向に注目が集まる状況となっていました。
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