先ほどGT.TVにて15分に及ぶ新たなプレイ映像が公開され、今年のE3席捲も納得の脅威的なオリジナリティとハイクオリティなゲーム設計をまざまざと見せつけたIrrational GamesのShockシリーズ最新作「BioShock: Infinite」ですが、昨日Irrational Gamesの公式フォーラムにて、アナウンス以来これまでに報じられた情報の総括にぴったりなカテゴリー別のFAQが大量に掲載されました。
今回はいくつかの新情報をお知らせすると共に、E3を終えて一段落したBioShock: Infiniteの要素を一旦再整理したいと思います。可愛いエリザベスと思いの他セリフが多い主人公が紡ぎだす物語や、Ken Levine氏ならではの複雑な世界観への理解をスムースにするためにも最近気になり始めた方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
パート1:ゲーム全般に関する情報
- リリース日について:現在多くの海外小売店が掲載している2012年2月2日の日付はまだ正式なものではない。発売日はまだ検討中。
- プラットフォーム:BioShock: InfiniteはXbox 360とPS3、PCでリリースを予定。Wii U版の具体的な計画はまだ存在しておらず、現在Irrational Games内で検討中、Mac版に関する言及も今のところ行われていません。
- リリースされるエディション:まだコレクターズエディションについては確認されていませんが、BioShock1と2共にコレクターズエディションはリリースされており、登場する可能性は高い。Irrational Gamesでは特典に関する議論も行われている。
- 3D立体視とモーションコントロールへの対応について:PS3版はMoveと3D立体視をサポート、Xbox 360とPC版の3Dサポートはアナウンスされておらず、Kinectへの対応予定も今の所無し。PC版のコントローラー対応についても現在の所不明。
- BioShock: Infiniteに利用されているエンジン:Unreal Engine 3を利用。
- マルチプレイヤーの搭載について:今の所正式な発表は行われていないが、Irrational Gamesは他のタイトルと違う特別な何かが実現されなければ搭載する理由はないと明言しており、搭載の可能性は低いと考えられている。
- BioShock: Infiniteの世界は前作と繋がりのあるものか:Ken Levine氏は前2作とBioShock: Infiniteがおなじ世界で起こる物語かどうかの決定はプレイヤーに任せたいと発言している。
パート2:ゲームプレイに関する情報
- BioShock: Infiniteにおける主人公の能力:前作でPlasmid(敵を攻撃する為に任意で発動する特殊能力)とGene Tonic(ステータスの改善や自動的に発動する能力)として用意されていたプレイヤーの能力は、新たに“Vigor”と“Nostrum”として登場します。いわゆる攻撃魔法的な位置づけの“Vigor”は現状では“Murder of Crows”、“Telekinesis”、“Bucking Bronco”の登場がプレイ映像などから確認されている。Nostrumはまだ登場が確認されていないが、Gene Tonic同様プレイヤーの能力を改善するパッシブな能力として登場し、中には3種類の効果から選択出来る不安定なNostrumも存在するとされている。
- 登場する重火器:現在確認されているのはスナイパーライフル、ショットガン、モーゼルらしきピストル、ロケットランチャー
- ゲームプレイ中、半透明に描画されるオブジェクトと時空を裂く能力“Tears”:新トレーラーのコロンビア内にも登場した半透明に描画されたオブジェクトらしき物体は、エリザベスが持つ空間を引き裂く能力“Tears”を用いて引き込むことが可能なエリアを示しており、プレイ映像ではタレットらしきオブジェクトなどが確認された。死にかかった馬をエリザベスが助けようとするシーンでは彼女の時空を裂く能力が時代を超えたものであることが判明していると共に、彼女自身が上手くコントロールできていないことが明らかになっている。
- スカイラインとスカイフック:スカイラインは浮島が集合したような構造の空中都市コロンビアを移動する為の交通機関として用意されており、手に装備したスカイフックを利用した移動が可能です。また、スカイラインを移動中に別のスカイラインへと任意にジャンプすることも可能。さらに、スカイフックは主人公ブッカーの近接格闘武器としても利用されます。
- 空中都市コロンビアのダイナミックな要素:Irrational Gamesのコミュニティマネジャーを務めるChris Remo氏が公式サイトでコロンビアを構成している浮島がそれぞれに独立した挙動を持っていることを明らかにしており、極端な場合にはお互いに衝突する可能性すらあることを示唆している。
- シリーズに登場したオーディオダイアリーとハッキング要素:現在の所オーディオダイアリーとハッキングが登場するかどうか、具体的な言及は行われておらず、登場済みの映像からも存在は確認できていない。
- コロンビアの天候や昼夜サイクルについて:昼夜サイクルは今の所確認されていないが、ゲームプレイにおいては天候の表現や昼夜のシーンが存在することは確認されている。
パート3:キャラクターについて
- 主人公Booker DeWitt(ブッカー・デウィット):主人公Bookerは1850年以降のアメリカに実在していたピンカートン探偵社の元探偵で、謎の人物からエリザベスの救出の為に雇われている。プレイ映像ではこれまでの寡黙な主人公が多いゲームが目立つ中、かなり饒舌且つぶっきらぼうな語りを見せている。ボイスアクターはまだ不明。
- ヒロインElizabeth(エリザベス):空間を引き裂く能力を持つヒロインのエリザベスは、少女時代にコロンビアに囚われて以降、15年をコロンビアで過ごしており、コロンビアを司る集団“Founders”と民衆グループ“Vox Populi”の対立の直接的な原因となっている。エリザベスはブッカーのパートナーキャラクターとして活躍するが、エスコートの必要は無く、彼女自身が自分の意志で行動する。またゲームプレイにおける死亡の心配も無い。プレイ映像では可愛らしいユーモアに溢れた行動を見せている。ブッカー同様ボイスアクターは現在の所不明。
- 空中都市コロンビア:ゲームの舞台となる空中都市コロンビアは本作におけるキャラクターの1つともされており、前作のラプチャー同様、ゲームの軸となる存在です。コロンビアは1900年の中国清朝にて発生した義和団の乱から始まる不安定な世界情勢の中、強く特別なアメリカを誇示するべきとするアメリカ例外主義の象徴として建設され、空中要塞としての側面も持っている。
- エリザベスの守護者“Songbird”(ソングバード):ソングバードはFoundersによってコントロールされる鳥形のロボットで、エリザベスの守護者であると共に、彼女をコロンビアに捕らえておく存在でもあり、且つ彼女の親友でもあります。
- コロンビアの支配勢力“Founders”:コロンビアを政治的に支配している“Founders”は超国家主義的で狂信的、そして人種的に排他的な集団で、リーダー“Zachary Hale Comstock”に加え、“Saltonstall”と名付けられた人物の存在が確認されている。
- コロンビアの市民勢力“Vox Populi”:Vox PopuliはFoundersに対抗する市民達によって構成される社会主義グループで、リーダーを務めるDaisy FitzroyはE3でのデモにも登場しました。またコロンビア内ではFoundersに対するプロパガンダなども見られる。
パート4:その他BioShock: Infiniteに関する情報
- プロモーション:ティザーサイトやバイラルプロモーション、ARGといった具体的なプロモーションはまだ行われていない。
- サウンドトラック:BioShock 2に引き続きGarry Schyman氏が手掛けるのではないかとの見方が現在では強い。Schyman氏は発表時のトレーラーのスコアを手掛けた。
- BioShock: Infiniteに影響を与えた作品や歴史的な出来事:以下、Ken Levine氏からの言及が行われたもの。
- 1983年に開催されたシカゴ万国博覧会
- 小説家Erik Larson氏が2003年に発表した“The Devil in the White City”(シカゴ万博の指導者として知られるアメリカの著名な建築家ダニエル・ハドソン・バーナムと、1896年に絞首刑となった大量殺人鬼H.H. Holmes(※ ハーマン・ウェブスター・マジェット)を描いた物語で、昨年ディカプリオが映画化権を取得)
- 1900年前後のアメリカを描いたドキュメンタリー“America 1900”