先日凄まじい規模で行われたCall of Duty専用イベントCall of Duty XPでは“Call of Duty: Modern Warfare 3”のマルチプレイヤーがお披露目され、大量の新情報に世界中のファンを大いに沸き立たせましたが、イベントでは「Call of Duty: Black Ops」に関するパネルディスカッションも行われており、Treyarchの異端ぶりが際だつ興味深いポストモーテムが行われました。
今回はTreyarchのPhil Tasker氏とAlex Conserva氏、Dan Bunting氏、お馴染みDavid Vonderhaar氏達が登壇したXPパネルから明らかになったCall of Duty: Black Opsの没ネタや開発エピソード、そして会場で上映されたゾンビモードの新トレーラーをまとめてご紹介します。
XP会場で行われたパネルでは、実際に開発されながらも様々な理由から採用されなかったプレイ要素の数々が紹介され、チームベースのWager Matcheや“Rock Paper Scissors”(※ じゃんけん)と呼ばれるWager Matcheが存在していたことが判明、Vonderhaar氏はこの採用されなかったWager Matcheの開発に200万ドル以上を費やしたと明かしています。
また、Call of Duty: Black Opsの開発はActivision法務部との戦いでもあった様子で、現在“Hangar 18”として登場しているマップはかつて“Area 51”として開発が進められていましたが、Activisionの法務部から当然が如く“ノー!”を突き付けられたことが明かされました。
さらに、マルチプレイヤーには戦闘機パイロットが爆弾ごと急降下しマップを爆撃する“Kamikaze”Killstreakが存在していましたが、当然ながら再び騒動の元になると法務部から“却下!”を喰らっています。なお、こちらもプロトタイプが開発済みだったとのこと……。(※ 通ると思って作る方がおかしいww)
そして、Call of Duty: Black Opsのマルチプレイヤーではプレイヤーが自殺してリスポーンする機能があったそうで、それ自体は他のシューターにも見受けられるありふれた機能ですが、何を考えたかTreyarchはこれに上掲したイメージに見られる恐ろしいキャラクターアニメーションをご丁寧に用意していました。しかし、レーティング審査の段階でこのアニメーションが発見され、最終的に製品版から自殺機能ごと取り除かれたとのこと。というか、レーティング審査まで誰も突っ込まなかったのか……。
また、Call of Duty: Black Opsに実装されたレイヤーベースのカスタムエンブレム作成機能も法務部と揉めた機能だったそうで、パネルでは著作権的な意味で色々アウトなエンブレムの数々がスクリーンに映し出されました。法務部の苦労を想像しただけで空恐ろしいエンブレム達が並んでいますが、Treyarchはプレイヤー達を支持し作成機能の搭載をごり押し、最終的に現在の採用へと至ったとのこと。
なお、Treyarchは“もし”もう一度同じ機能を採用する際には、再び同じことをするだろうと法務部との戦いに早くも熱意を示しています。
会場ではマルチプレイヤーマップの開発に関する解説も行われ、雪山に建設された基地を舞台にしたマップ“Summit”を例に、ペンと紙で作られたスケッチから、プレイテストが可能なテクスチャーやエフェクト無しのラフな3Dレベル作成、そして見た目のブラッシュアップまで段階を追ってマップが仕上がっていく様子が紹介されました。
また、現在“Havana”として登場しているマルチプレイヤーマップが当初はエジプトを舞台にした“MP_Cairo”と呼ばれるマップだったことが明かされ、なんとシングルプレイヤーキャンペーンの舞台にエジプトが含まれていたことが判明。しかし最終的にエジプトパートがキャンペーンから削られたことで、TreyarchはMP_Cairoマップを現在のHavanaに作り直したとのこと。
さらに、最終的に採用されなかったマルチプレイヤーマップ“War Museum”がイメージと共に紹介、Call of Duty: World at WarのCastleマップをリメイクしたマップが開発されていたことが明らかになりました。なお、Vonderhaar氏はWar Museumマップについて、今後マップパックなどに収録される可能性はないだろうと強調していました。
ということで、以前から薄々おかしいとは感じていたTreyarchのアナーキーぶりが存分に発揮された愉快なパネルディスカッションでしたが、会場ではVonderhaar氏が沸き立つファンを前に、”Lvl1 N00b”(レベル1の初心者)と書かれた看板を手に、謎のコスプレとTrollfaceのマスク(※ こちらも看板)「Counter-Strikeこそが史上最高のゲームだ!」と叫ぶシーンも見られ、カオスぶりに拍車を掛けていました。(※ Trollfaceは海外で著名なインターネットミームの1種)
さらにVonderhaar氏はTreyarchに架空の創業者Tambor Fudgelyが存在し(※ 設定では1901年生まれだそうです)、Treyarch創業に関する膨大な歴史が社内wikiに資料として作成されており、Tambor Fudgelyにまつわる“Chalice of Unparalleled Achievement”と呼ばれる社内賞が設けられていることを明らかにしました。(※Chaliceとはキリスト教の儀式で使用される聖餐杯を指しています)
Vonderhaar氏は「仕事で辛い出来事があった時にはFudgelyのことを思い出すんだ」と語り、こう続けています。「彼は僕たちに思い出させてくれる」「僕たちはただゲームをつくっているだけ、そして君はそれをプレイしているだけなんだってね」
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