ロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオット氏が「Ultima」新作開発に意欲、EAはつれない様子

2011年9月6日 18:42 by katakori
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「Ultima」

ビデオゲーム産業における近代RPGの始祖と言える「Ultima」シリーズを生んだ伝説的なゲームデザイナーとして知られるロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオット氏、NCとの決裂以降、活躍の場は遂に宇宙にまで及び、宇宙行きを描いた様子が映画化(※ Richard Garriott: Man on a Mission)、さらにマサチューセッツ工科大学が手がける軽量な宇宙服開発にも協力、また、昨年2月に新設されたデベロッパ“Portalarium”でのカジュアル/ソーシャルタイトル開発など、相変わらず八面六臂の活躍を見せています。

一方、コアゲームから距離を置いた王の動向に一抹の寂しさを覚えるブリタニア出身者も多いことと思いますが、先日IndustryGamersのインタビューにリチャード・ギャリオット氏が登場、Ultima新作の開発に前向きな発言を見せ注目を集めています。

氏はUltimaが今後永久に続くことを希望していると述べ、さらに自身がUltimaの今後に関する特別なアイデアを持っていると明言。実際にEAとの間に高レベルなディスカッションを設けているものの、彼らが特に強い関心を持っているようには見えず、今の所まだ新作実現に至る成果は上がっていないと報告しています。

しかし、“今後何が起こるか、先の事は誰も知り得ない”と述べたリチャード・ギャリオット氏は、EAが今後興味を示すことをドアを開けて待っているとシリーズ再建への強い意欲を明らかにしました。

蛇足ですが、昨今ゲーム開発を率いた主要メンバー達が抜けたスタジオが手掛ける新作を揶揄する光景を見かけることが少なからずあります。一方では、元○○の開発者達が手掛ける期待の超大作!が派手にずっこける場合もままあり、開発規模の肥大化と併せて簡単に分類出来ない難しい問題となっています。

しかし、ビデオゲームの中にはロード・ブリティッシュの様に作品を率いる開発者自身の存在や精神性がコンテンツの一部(或いはコンセプト)と化している作品が“まれ”に存在しており、その損失がプロダクトマネジメントやデザインではどうしても補えないケースがあります。自己申告で自身がコンテンツの一部だと高らかに宣言する山師が並行して存在することがしばしば状況をややこしくしますが、Ultimaはこの希な方のケースに属する最も顕著な例だと言えるのではないでしょうか。

現実的なプロジェクトの成功に必須であろうブラックソーンポジションの適任者を考えると、EAにはとかく頭の痛いと難問だと容易に想像がつくところですが、氏のユニバース復活を望む潜在的なファンは今も多く存在していることは間違い無く、状況が好転することを熱望せずにはいられない浪漫溢れるニュースだと言えそうです。

情報元:Eurogamer

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