夢のような豪華開発陣によるハードコアRPGとして高い評価を受けた“Kingdoms of Amalur: Reckoning”の開発を手掛けた「38 Studios」ですが、セールスの不振からスタジオの誘致を支援したロードアイランド州との間に問題が発生しており、スタジオ閉鎖やCopernicusを含む“Amalur”IPの売却の可能性なども濃厚と見られる危機的な状況となっています。
まず、今回の状況は2010年8月にロードアイランド州と地元の大手企業Economic Development Corporation社(以下:EDC)が“38 Studios”をマサチューセッツから誘致する為に行った7500万ドル規模の融資が発端になっているもので、当時のロードアイランドにおけるハイテク企業誘致に絡む予算全体の60%に及ぶ巨額の提示に地元議員が反対運動を展開し話題となりましたが、誘致はその後滞りなく行われ、3年越しで450人の開発者を雇い入れる雇用計画や“Amalur”IPに関する各種オプションなどが発表されていました。
背景が非常に複雑な状況となっていますので、詳しくは以下の過去記事を参照下さい。
- 2010年8月12日:7500万ドルの融資に絡み、処女作をアナウンスしたばかりの「38 Studios」にトラブル
- 2010年9月9日:続報:ロードアイランド州による「38 Studios」への融資の詳細が明らかに
- 2010 年9月24日:続報:融資問題に揺れていた「38 Studios」が正式にロードアイランド入りを発表
今回、浮上した深刻な経営危機は、前述したロードアイランド州とEDCからの7500万ドル融資に対し、38 Studiosが4月末の支払い分112万5000ドル(約9000万円)を用意できなかったことに起因するもので、38 Studiosは州とEDCに対して深刻なキャッシュフローを改善するために追加の資金融資を求めていました。
しかし、ロードアイランド州とEDCは既に38 Studiosの事業が失敗したと認識しており、本日行われた38 Studiosを率いるカート・シリング氏とLincoln Chafee州知事による緊急会議では追加の資金提供を州が行わないことが公式に決定。AP通信がLincoln Chafee知事のコメントとして“私たちは失敗した事業にどうやってこれ以上金をつぎ込まないかを考えている”と報じ、両者の交渉が決裂したことが明らかになっています。
また、今回の危機は38 Studiosと州の関係を超えた大きな問題となっており、この巨額の融資が予定通りに回収出来ない場合、最終的に1億1260万ドルの損失をロードアイランド州の納税者が負担し2020年までに回収することになるとの発表がロードアイランド州とEDC役員会から行われたことから、有名人であるカート・シリング氏の存在も含め州全体を巻き込んだ大きな議論を呼ぶ状況となっています。
さらに、開発が予定されていたMMOプロジェクト“Copernicus”を含む“Amalur”IPなど38 Studiosが保有する全ての知的財産を、州の代理を務めるRhode Island Economic Development Corporation(以下:RIEDC)がすでに保護し、スタジオ閉鎖を考慮に入れた財産管理の準備を進めていることが報じられており、38 Studiosの支払額を相殺するためにRIEDCが“Amalur”IPや各種アセットの入札による売却も検討しているとのこと。
非常に大きな問題に発展してしまった38 Studiosの経営危機ですが、この状況からカート・シリング氏がIPを買い戻し、スタジオとロードアイランドの納税者両方の納得が行く結果を導くことが出来るか、今後の動きが心配されるところです。
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