先ほど国内向けの発表とプレスリリースをご紹介したSecretlabの最新ゲーミングチェア「Secretlab TITAN Evo 2022」ですが、先だってSecretlabより最新モデルの一つ「Secretlab TITAN Evo 2022 NEO™ ハイブリッドレザーレット ゲーミングチェア — アッシュ・Ash」(参考:Amazon)を提供いただき、2週間近く本チェアを実際に試用することができました。
今回は本チェアで実際に業務の日常的な作業を行い、ゲームをプレイしたインプレッションをご紹介しますが、ことゲーミングチェアに関しては全くの門外漢であることから、まず筆者の個人的な椅子周りの環境と状況を前もって説明しておく必要があるかと思います。
筆者はこれまで、ゲーミングチェアを利用・購入した経験が全くなく、本格的な使用は今回が初めて。ただ、ここ半年ほどゲーミングチェアに興味が沸き、購入を検討するために幾つか試座を行っていた経緯があり、ハードウェア試用の提案を受けた次第です。
こういった背景から、今回のレビューが同シリーズの旧モデルや競合製品を十分に把握した比較や経験に基づくものではないこと、非常に主観的な印象であることをご理解頂ければと思います。
まず、前提となる日常の個人的な椅子の利用状況をご紹介しておくと、普段はほぼ例外なく当サイトの更新や記事の執筆、別業務のコーディングやデザイン等を行っていることから、一日に15時間近く椅子に座っていることも珍しくありません。(もちろん定期的に立つよう注意しています)
作業的には、ほぼ例外なく毎日数万字単位のタイピングを行うことから、腱鞘炎や腰・背中への負担といった健康面の課題を含め、椅子そのものに対する興味は強くあり、ここ数年はアーロンチェア リマスタードを使用し、なんとか事なきを得ているという状況。
つまり、ゲーミングチェアそのものに対する理解は非常に浅いながらも、椅子への依存度は極端に高いというのが個人的な現状なわけですが、現在利用中の椅子に十分満足している状況で使用したSecretlabの「Secretlab TITAN Evo 2022」には、率直に言ってとても興味深い違いやフレッシュな座り心地、幾つかのアドバンテージが感じられました。
本日国内向けの発売を迎える「Secretlab TITAN Evo 2022」の商品情報や機能の詳細については、先ほどご紹介したプレスリリース記事をご参照頂くとして、海外向けに用意されたものながら、最新モデルの細部が非常に分かりやすくまとめられた数本の公式映像が公開済みですので、まずはこちらをご確認ください。
旧モデルから改善された箇所やスペック面のディテールについても、前述のプレスリリースに必要十分な情報がまとめられていますが、「Secretlab TITAN Evo 2022」の選択可能な3種のサイズについて、少し数値情報を追加しておきます。
■ スモール
- 推奨身長:150~169cm
- 推奨体重:90kgまで
- 最大重量:130kg
■ レギュラー
- 推奨身長:170~189cm
- 推奨体重:100kgまで
- 最大重量:130kg
■ XL
- 推奨身長:181~205cm
- 推奨体重:80~180kgまで
- 最大重量:180kg
上掲の映像やこのサイズ情報からも分かる通り、「Secretlab TITAN Evo 2022」は広い国と地域で様々な体型のユーザーが利用できるよう設計されており、日本人の平均身長や体重を考慮すると、少し大きく感じられるかもしれません。
特にフルレングスのバックレストは車のシートに近いようなサイズで、今回使用したレギュラーに身長175cmの筆者が座ると、頭頂とバックレストの一番高い部分がちょうど同じ高さになる、文字通り迫力のあるサイズでした。(何も事情を知らず、ビデオゲームにも全く馴染みのない近しい知人がたまたま部屋の「Secretlab TITAN Evo 2022」を見て、思わずマッサージチェアを買ったのかと驚いたほど)
また、大きさの印象に比例して頑丈さも素晴らしく、安価な製品に試座した際に気になったある種のチープさやきしみ・あそび等が全く感じられない、まさに質実剛健そのものといった印象。こういった力強さの一方で、椅子そのものの仕上がりは極めて丁寧であり、金属部分やステッチを含むあらゆる細部とパーツに雑な箇所が一切見られません。
椅子の印象となると、結局のところ単純に座り心地をお伝えする以外にないのですが、もう少し外観や細部の仕上がりについて言及しておきます。
これまで筆者がゲーミングチェアに興味を持っていなかったのは、率直にいって(一部のマウスやモニタ、ヘッドセットを除く)ゲーミング○○商品にそもそもネガティブな印象を持っていたことが原因で、ものすごい配色の外観や過剰な起伏に満ちたエルゴノミクス風デザイン、ごてごての装備、細部の雑さ、謎の模様といった要素がやたらチープに感じられ、カテゴリ自体を敬遠していました。
その点、今回筆者が使用した「Secretlab TITAN Evo 2022」の“Ash NEO Hybrid Leatherette”は、装飾もだいぶん控えめでレザーレットや金属部分、プラスチックパーツの表面処理も高級感があるほか、マグネットパーツの使用が非常に洗練されており、上掲の機能紹介トレーラーで見たままの品質の製品が筆者のゲーミングチェアに対する(見た目や品質の)印象を大きく払拭する結果になりました。
肝心の座り心地についてですが、「Secretlab TITAN Evo 2022」に座った第一印象は、シートとバックレストが(使い慣れたアーロンチェアのメッシュに比べて)かなり固めで、体全体がしゃきっ!とするというもの。
この“しゃきっ”とする感覚は、実際のところ座面と大きなバックレストの固さだけによるものではなく、椅子に接している体の細部を確認してみると、非常に細かな傾きや緩やかな起伏、面取り、バックレスト内の腰部ランバー、柔軟に調整可能なアームレスト等によって体全体がソフトロックされるような状態が生じていることによるものでした。
普段使いのアーロンチェアでは、座面に正座してみたり、深く姿勢をよくしたり、溶けるようにずれこんでみたりと、長時間の使用時にあれこれ姿勢を変えながら“だらだら”と座っている楽な状態が常態化していますが、「Secretlab TITAN Evo 2022」に座ると、これが瞬く間に“気を付け”の姿勢に矯正されるような印象を受けます。
これには、短期的な集中力を増加させる感覚がはっきりとあり、ゲームをプレイする際も顕著に意識の変化が感じられました。(マルチのエイムが向上するわけではないですが)
また、フルサイズのバックレストが完璧な役割を果たす深いリクライニングが実に快適で、特にマグネットで簡単に装着・位置調整できるヘッドレストが異常に気持ちよく(さわり心地もやばい)、追加で高さのあるフットレストを買ってきて寝たいと思うほどだったことも特筆すべき点です。
つまり、アーロンチェアが色々な座り方をソフトかつ全方位的・包括的に受け止める一方で、「Secretlab TITAN Evo 2022」は体をフィットさせ矯正させるようなソリッドさと、驚くほど快適なリクライニングによるリラクゼーションを併せ持つ、全く正反対の両極に特化した非常にとがった椅子だというのが率直な感想です。
これは、ゲームプレイを快適にする“ゲーミングチェア”という特性を考えるとき、集中とリラックスに特化したメリハリのある設計は極めて合理的で、ようやく“オフィスチェア”と“ゲーミングチェア”の根本的な役割の違いを実感として理解することができました。
一方で、この特化は「Secretlab TITAN Evo 2022」が集中とリラックス以外の、中間というべきか分からない所謂“だらだら”な座りかたには余り適していないことを意味していますが、集中した状態で長時間座っても特に目立った疲れが生じるわけではなく、筆者ほど一日に過剰な時間を椅子で過ごせば、やっと“楽さ”に幾分かの違いが感じられるかなという程度。
また、「Secretlab TITAN Evo 2022」に長時間座る場合、座面がレザーに近いことから、アーロンチェアのメッシュでは全く気にならなかった僅かな“ムレ”が感じられました。ただ、「Secretlab TITAN Evo 2022」の通気性はこれまでに幾つか座ったチェアと比較すれば十分に快適で、そもそも長時間座るときは定期的に“立たねばならない”ことを考慮すれば、結果的に単なる欠点とは言えません。
「Secretlab TITAN Evo 2022」の価格は一般的なゲーミングチェアに比べるとやや高めですが、一日8時間程度の利用が中心で、ハイエンドな椅子にも興味があり、ビデオゲームもプレイするという方であれば、本品は所謂エルゴ系高機能チェアよりも格段に入手しやすく、仕事と趣味の両方に使える椅子の有力な候補の一つになるのではないでしょうか。
また、根っからのゲーマーでゲーミングチェアを探してるのであれば、「Secretlab TITAN Evo 2022」の悪魔的に心地よいヘッドレストとリクライニングで集中と弛緩のメリハリを堪能するのがオススメです。
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