連日お伝えしているGameInformerによる「Epic Mickey」の特集記事ですが先ほど新しい特集が発表され、とうとうミッキーのモーションも公開されました。3Dキャラクターながら本当に古いミッキーの様に生き生きと動く様子が見られます。今回の特集では既に数年にわたって開発が進められてきた本作の世界観やアートワーク、そしてミッキーのデザイン等に関する様々な情報が綴られています。
Epic Mickeyの舞台は横スクロールで表現される多くのステージと、巨大な3Dエリアが互いに連結して構成されています。そして横スクロールのステージは全てディズニーの古典とも言える作品達に基づいて作成されています。
例えば上記のステージは1937年に公開された「Clock Cleaners」(邦題:ミッキーの大時計)が元となっています。大枠のストーリーラインはウォーレン・スペクター氏により紙上に書かれた物があり、アーティスト達がこれを元にかつての作品達を研究、アイデア出しなどを経てコンセプトアートの作成が始められます。
Epic Mickeyは古い作品からのキャラクターの登場や要素の抽出が大きな特徴とされており、これらに対する理解や研究、そして選定などはかなり困難な仕事であった様です。そして良いコンセプトアートがその後の開発に大きく貢献する事になったとも語られています。アート・ディレクターを務めるLee Harker氏はこれらが実に名誉な仕事であると同時に非常に大きな責任が生じている事を明らかにしています。
今作のコンセプトとしてミッキーマウスのこれまでの長い歴史を含めた上での再創造という、非常に難度の高い事が要求されていますが、ウォーレン・スペクター氏からこのプロジェクトの初期段階からビジュアル開発ディレクターを任されてきたRolf Mohr氏に出されたオーダーは不可能とも言えるようなタスクでした。
スペクター氏はRolf Mohr氏にこう伝えています。「私たちは、明るくて、かつてのアニメ様式で、膨れたマシュマロの様な外観で、壊れていて、闇のように暗く、ねじれていて、先が尖っていて、そして生気の感じられないような世界を作らなくてはならない」
こういったプロセスから生まれた外観は確かに不気味な物でありながらも、やはりディズニーとしか言いようのない素晴らしいクオリティに仕上がっている様に思えます。
ゲームに登場するミッキー作品のモチーフなどは例外なくプレイヤーが干渉可能なオブジェクトとなっており、これらはミッキーの絵筆を用いて消したり描いたりが可能な事から、アートワークが直接ゲームデザインに結びつくような設計になっており、Epic Mickeyの制作では美術チームとレベルデザインのチームが密接に連絡を取りあいながら開発が進められています。
キャラクターアーティストの役割は今作では非常に重要なポジションで、制作も困難を極める物のようです。さらに上記の環境アーティストやレベルデザイナーよりも一歩先に進んだ仕事が要求されています。ここでは過去作品の研究からスケッチ、初期デザイン、3D化等を経て作り出されます。
さらに今回の主役であるミッキーはプレイ内容によってその外見が変わるというギミックが施されており、新しく無ければならず、そしてオールドスタイルであらねばならず、さらに外観が変わるという恐ろしく難しい物です。1930年代のミッキーをモチーフに新たに生み出された彼は善悪と中庸の3種類の表情や動きで描き出される事になるようです。
この「Scrapper」「Wastelander」「HERO」からなる3種類のミッキーは一目で差異が感じられ、さらにしっかり同じバージョンのミッキーとして認識できるよう緻密に設計されている事が判ります。
スペクター氏はEpic Mickeyのゲーム性について次の様に述べています。
「あなたがゲームに対してどう決めるか?という違いを生じさせるべきで、あなたがどんな種類のヒーローであるかを決める事になります」
「プレイヤーみんなが一様に問題を解決します」
「プレイヤーみんなが日常を守ります」
「プレイヤーみんなが世界を救い、女の子を助けます」
スペクター氏はこう前置きした上で次の様な事を続けています。
「しかし、あなたがどのようにそれを行うか、その結果をどのように見るか、それはあなたの責任です」
「どんな能力を得るかはあなたの責任です」
「誰があなたを好きか、それはあなたの責任です」
「ミッションを遂行するかどうか、それもあなたの責任です」
マッドドクターにより開発されたbeetleworxはゲーム世界の整備を行う役割を持っています。多くの敵はミッキーの絵筆で”消す”事が出来ますが、彼らは”消す”事が出来ません。良く見ると彼らはこれまでのディズニーキャラクターの色んな部分をかき集めて構成されている事が判ります。
ウォーレン・スペクター氏はミッキーと近しい有名なキャラクター達をこれまでにないシチュエーションに置く事で、ミッキーの冒険をより活性化したいと考えています。Epic Mickeyの舞台となるWastelandではミッキーの親友達の多くが新たに再創造されています。
ゲームではインク怪人は多くのタイプが存在していて、全体にわたって登場します。上記画像のスパッター達は群れで登場し、単純であまり頭の良くない所謂ザコ敵です。しかしEpic Mickeyでは彼らがいつゲームに現れても、毎回新鮮に見られる様に様々なバージョンのスパッター達が作成されています。同様にアニメーションも様々なコミカルなアクションが彼らに用意されています。
過去作品等に登場するミッキーの映像などを確認すると判りますが、ミッキーは横に向いていても前でも後ろ向きでも、かならず両方の耳がシルエットとして確認できるようになっています。これは実際にディズニーからキャラクターを使用する際の直接の指示だったとの事です。3D化されミッキーが移動しジャンプする場合でも、これらのミッキーがミッキーたるアイコンとも言える耳のシルエットが保持されている事が判ります。
以上、非常にストイックな作業と過去作品の研究、さらに膨大な作業量によってこれらの素晴らしいワクワク感を擁したキャラクターや世界観達が創り出されている事がありありと感じられる内容の特集記事でした。先週とうとう登場した新生ミッキーの姿や、世界観を見た時に感じたカオスさと素晴らしいポップ感の同居は、こういった突き詰めたデザインの上に成り立っていたのかと考えると非常に納得のいく物だと言えます。
特集記事はあと3回、今月の28日にはロンドンでのお披露目も控えており、続報からますます目が離せない状況が続きそうです。
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