昨今の映像表現技術における著しい進化によって、ビデオゲームはもはや作家/作品性を投影することさえ(容易に、或いは安易に)可能な受け皿となり、多用なジャンルや繰り返されるゲーム性の再構築と合成など、様々な要素が絡まり合いますますその境界を曖昧にしています。
そんな中、ビデオゲーム開発における巨人達が一堂に集い、ビデオゲームについて自身の思いや信条、目指す未来について自由に語る映像を大量にアーカイブしたオンラインのインタビュードキュメンタリーとでも言えそうな作品「Critical Path」が公開され大きな注目を集めています。
Critical Pathに登場する開発者はCliffy Bやシド・メイヤー、ジョーダン・メックナー、ウォーレン・スペクター、ティム・シェーファー、ピーター・モリニュー、ウィル・ライト、Ken Levine、クリス・ヘッカー、ノーラン・ブッシュネルといったお馴染みのスター開発者達が30秒から120秒程度語る121本(※ 記事執筆時)のインタビューから構成されるもので、アートやゲーム開発における哲学、政治、心理学に関する見解まで、多種多様な内容について語る開発者達の素顔を知ることが出来ます。
この膨大なオンラインのオープン作品を手掛けたドキュメンタリー作家のDavid Grabias氏は、今後幾つかのトランスメディア展開を用意しており、ビデオゲーム分野におけるアートと解剖学にフォーカスした長編のテレビドキュメンタリーや、モバイルアプリ版の開発を進めているとのこと。
Atariの創業から40年の歳月を経たビデオゲーム産業における一種のモニュメントとも言えるCritical Pathですが、今なお最前線で活躍する巨人達がどういった思いを抱き“物作り”に対峙しているのか、興味がある方は是非お気に入り開発者の映像をあれこれとご覧になってはいかがでしょうか。
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