GTAシリーズを生んだDan Houser氏が「Grand Theft Auto V」の本質について語る興味深いインタビューが公開

2013年9月9日 12:11 by katakori
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「Grand Theft Auto V」

9月17日の海外ローンチがいよいよ目前に迫るRockstar Gamesの人気シリーズ最新作「Grand Theft Auto V」ですが、新たに英Guardian紙がシリーズを生んだRockstarの中心人物Dan Houser氏のインタビューを掲載し、“Grand Theft Auto V”の本質に迫る興味深い見解が明らかになりました。

  • Guardian紙は、“Grand Theft Auto”シリーズを説明するにあたって、ビデオゲームフランチャイズというよりも、むしろインタラクティブな文化的指標だと説明。アメリカを舞台しながらも、イギリスで生まれた本シリーズが、過去20年に渡る進化の過程で、犯罪映画に対して映像化されたラブレターを探索可能な世界に盛り込み、高精細で生活感と生命に満ち、社会を風刺した個人の遊び場に全てのメディアをそれ自身の物として創り出したと評している。
  • Grand Theft Auto Vの開発は過去4年に渡って続けられ、1,000ページの脚本、数ヶ月に及ぶモーションキャプチャーとボイス収録といった作業を経た全てがロサンゼルスに密接に基づいた完全に機能する大都市の再現に関係している。そして、都市はこれまでと同様に作品の主役だと言える。
  • オックスフォード大学で地理学を学んだDan Houser氏は、本作の開発における最も長いプロセスが“常に世界を作っている”ことだったとふり返り、本作の調査旅行においてロサンゼルスで過ごした期間が100日を下らないと説明。これらのプロダクションを開始したのが、2010年のアメリカでサブプライムローンの問題による金融危機が頂点に達した時期だったと明かしている。
  • 最初に行われた都市の直接的な調査について語ったDan Houser氏は、一晩中奇妙な人達と外を歩き回ったと述べ、おとり捜査を行っていたFBI捜査官やベテランのマフィア達と対話し、スラングをよく知るストリートギャング達に会う為、刑務所まで訪れたと説明している。
  • Grand Theft Auto IVとの関係やロスサントスのモデルとなったロサンゼルスに触れたHouser氏は次のように発言している。「ロサンゼルスは20世紀におけるアメリカの欲望の体現だ。住宅、庭、日焼け、僅かにフェイクな全て。それは西部の終わりを示している。一日が終わりまた明日がやってくるが、産業は映画、或いは同じようなまやかしである不動産業。それは過去を逃れてそれ自身を徹底的に再構築しようとする人々からなる。Grand Theft Auto IVがクラシックなニューヨークストーリーだったとすれば、Grand Theft Auto Vはアメリカンドリームの終わりだと言える」。
    (注:フェイクや“まやかし”の産業という言及は、ブッシュ政権下の財政赤字と景気低迷に伴う金融商品の登場に端を発するサブプライム問題の肥大化とその背景に絡むもので、当時はアメリカにおけるGDPの7割近くを個人消費が占め、中国市場との間に膨大な貿易赤字が発生し、経済そのものが金融工学と金融商品により駆動する状況となっていた。この金融商品は信用を持たないサブプライム層への住宅ローンの貸付を主なターゲットとし、結果住宅バブルが弾けた一方で、ハリウッドは“スラムドッグミリオネア”や“アイアンマン3”といった作品でも顕著なように、インドや中国、アラブ資本が次々と介入し産業が空洞化した。)
  • 女性のプレイアブルキャラクターが存在しないことについて触れた氏は、「男性的であることの概念がこの物語の鍵だった」と説明している。
  • 2001年にリリースされたGrand Theft Auto III以降のシリーズを手掛ける中心的なクリエイティブチームには、Dan Houser氏と彼の兄でRockstar GamesのCEOでもあるSam Houser氏、プロデューサーLeslie Benzies氏、アートディレクターAaron Garbut氏、そしてGrand Theft Auto IVから参加したRupert Humphries氏(※ 著名なコメディアンBarry Humphriesの息子でもある)が含まれる。
  • Rockstar Gamesにおいて、自身が自分よりも優秀で遥かに組織化された人々に囲まれていると語ったHouser氏は、自身が全く理路整然とした人物ではないことを明かし、自分のオフィスがあまりに汚すぎることから誰も入ることが出来ないと説明。計画も持たず、オフィスは新聞のスクラップとメモのカオスに埋め尽くされていると語った氏は、重要な事を書き込んだ愛用のBlackBerryを無くすことがいつも恐ろしいと笑って説明している。(iPhoneは十分な速さでタイプできないとも)
  • ビデオゲームの本質に触れたHouser氏は、「全てのフィクションと同じようにゲームも人々をどこかへ連れて行くものだが、ゲームをかけがえのない存在にしているのは、自身の目を通じて世界に続くことだ」と説明。「ビデオゲームは映画を1レベル先に進めたもので、崖からジャンプするスタントマンを見るのでは無く、そこでは自身が崖から身を投じる。しかし、オープンワールドゲームはそれ以上のもので、行動よりも本質的だと言える。プレイヤーは他のプレイヤーと異なる何かを見るだろう。あなたが(ゲーム内で)丘を上り、海に沈む太陽を見る場合、それは私にとって沈み行く太陽をカメラで撮影し、誰かに見せることと大きく意味が異なる」と続けている。
  • さらに、Grand Theft Auto Vのストーリーについて語った氏は、「Rockstarにとって、3人の主人公を持たらすことは、(3人分の)典型的な物語を組み合わせるのではなく、ニュアンスの異なる物語の生成を可能にした。あらゆる事を楽々と成し遂げるスーパー犯罪者ではなく、彼らは全て異なる要素において、良い面と悪い面を持ち合わせている」と述べ、これがよりビリーバブルなキャラクターの創造に結び付いたと明かし、「我々は、家族と共に引退した主人公と、そしてそれがどれ程大変だろうかと考えるアイデアが好きだった。我々がかつてこのようなことをしたことはないし、ゲームに子育てと疑似的に親であろうとするコンセプトを導入したゲームは見たことがない」と説明している。
情報元:The Guardian

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