昨日、ハリウッドの著名なCGアートスクール“Gnomon School of Visual Effects, Games & Animation”で開催される「Naughty Dog」のアーティスト10人によるパネルディスカッションの情報をご紹介しましたが、本日予定通り4時間近いレクチャーが行われ、ビジュアルエフェクトとビデオゲームの環境制作、キャラクター作成に大きく分類したライブ配信のアーカイブ映像が公開されました。
また、レクチャーの内容から現世代のビデオゲーム開発に顕著なアセット制作の潮流や“Uncharted 4: A Thief’s End”絡む多彩な技術デモなど、幾つか興味深いディテールが判明しています。
- Naughty DogのシニアシェーディングアーティストYibing Jiang女史によると、現世代のビデオゲーム開発におけるベースのテクスチャは可能な限りクリーンな状態なものを作成し、その後シェーダーでディテールや傷、ウエザリングを適用する傾向にある。
- Yibing Jiang女史のパネルは昨今の映画とビデオゲームにおけるシェーディングの違いにスポットを当てたもので、ビデオゲームのテクスチャは当然メモリ的な制限が多いことから、リピート可能なタイルテクスチャや頂点ブレンドを活用し、前述した内容と同じく後からディテールを追加するケースが多いとのこと。
- Jiang女史は、こういった背景を踏まえテクスチャ作成のリファレンスとなる素材は同一素材に複数の経年変化(真新しいものから風化したものまで)をなるべく高解像度で用意することが望ましいと説明している。
- テクスチャアーティストAna Cho女史によると、Naughty Dogでは1シーンの小さな箇所に使用するテクスチャでさえ、最良の結果を得るために2人日の制作が許されるとのこと。
- “Uncharted 4: A Thief’s End”のテクスチャは、“The Last of Us”に比べて汚れや草葉など、多くのブレンド可能なレイヤーが増えているとのこと。
- Naughty DogにおけるPS3時代のテクスチャ制作は、そのほとんどがPhotoshopによって行われていたものの、PS4世代に移行した現在は“Substance Designer”(※ 物理ベースレンダリング対応やプロシージャル生成、ダイナミックな編集に特化したAllegorithmicのテクスチャ専用ツール)を使用する機会が非常に多いとのこと。
- また、PS3時代はベイク済みの影など、テクスチャに多くのライティング情報を含めるケースが多かったが、現世代の開発においては実際のライティングによって表現され、テクスチャは可能な限りニュートラルな状態にあることが求められる。
- ジープやバイク、AK-47など、多くの3Dモデル/アセットを紹介したテクニカルアーティストChristophe Desse氏によると、“Uncharted 4: A Thief’s End”のデモに登場したジープはHavokによる物理表現が実装され、風に揺れるアンテナを実現するリグが仕込まれているとのこと。
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