先日、初心者向けのローマを用いた皇帝難易度の“制覇”プレイをご紹介した「シヴィライゼーション VI」ですが、本日は予告通り第2弾のCiv6特集として、ヴィクトリア女王率いるイギリスで“文化による勝利”を目指すプレイレポートをご紹介します。
最新作の文化勝利については、コンゴを筆頭にアメリカやフランスといった扱いやすい文明が存在しますが、今回は首都と異なる大陸の侵略に秀でた(やや癖のある)拡張型のイギリスで、世界の秘宝を掘って掘って掘りまくる文化勝利を平和的に達成したいと思います。
なお「シヴィライゼーション VI」の文化勝利条件は、Civ4の文化都市建設や前作のバニラにおける“社会制度のツリーを5つコンプしてユートピア計画を達成する”といったタイプではなく、Civ5の第2弾拡張パック“Brave New World”(素晴らしき新世界)にて刷新された“文化と観光”に基づくルールを継承・発展させたものです。
という事で、まずはやや分かりにい“文化による勝利”の概要を改めて整理してみましょう。
余談ながら文化勝利そのものはさほど難しくなく、低難易度においては他の勝利条件を目指している途中にうっかり文化で勝利してしまうケースも珍しくありません。興味がある方は文化勝利の基本を抑えて、多彩な文化系文明(ギリシャ/コンゴ/フランス/アメリカ/イギリス辺り)で年末年始の休みを戦ってみてはいかがでしょうか。
まず、「シヴィライゼーション VI」の世界ランキングUIとシヴィロペディアには、“文化による勝利”について以下のように記されています。
文化による勝利を達成するには、文化力と観光力を高め、国外からの観光客を惹きつける必要があります。国外からの観光客が、他のあらゆる文明の国内観光客を上回れば、勝利を手にすることができます。
- 国内観光客は、国内を旅行する自文明の市民を表しています。
- 国外からの観光客は、他の文明の国内環境客の中からあなたが引きつけが市民を表しています。
観光力を生み出すのは、交易路、ゲーム終盤における他の文明と同じ(または対立する)政府、開放された国境、文明が保有する傑作や遺物、聖地、国立公園、秘宝、遺産です。
単純なスコア勝利や目標が明確な科学勝利、他の文明を全て滅ぼせばよい制覇勝利とは異なり、文化勝利は鍵となる文化と観光の相関がやや掴みづらく、特に初めてシリーズをプレイする方にとっては具体的に何をどうすれば勝てるのか、よく分からない勝利条件の1つかもしれません。
まず、ざっくりと文化勝利のプレイ内容をまとめると、文化系の区域である“劇場広場”に美術館や博物館を建設し、文化系偉人が生む傑作(書物/芸術/音楽)や考古学者が発掘する秘宝等を片っ端から収蔵すること、さらに遺跡の建築、ビーチリゾートのタイル改善といった観光客向けの施設や改善といった取り組みを通じて、とにかく観光客の数を稼ぐ!というのが基本的な柱であり、これを滞りなく運ぶために国境を開放し、つつがない国家間の交易や外交を心がけるといったアプローチが関係してきます。
“観光”勝利と言っても相違ないCiv6の“文化”勝利ですが、各国の推移を見ている限り、肝となる“国内観光客の数”が文化力に応じて(割と細かく)増減する一方で、“国外からの観光客の人数”については遺跡や劇場広場が存続する限り、ターン毎に一定のポイントを累積する関係にあるのが少々ややこしいところですが、一先ず“世界ランキング”に表示される一覧の見方を覚えておけば、現在の状況と推移は理解できるはずです。
これは、今回のゲームプレイ中盤における文化ランキングを撮影したもの。この段階で我がイギリスには、158人の国内観光客がいて、29人の外国人観光客が入国済み。その内訳はブラジルから7人、日本から2人、フランスが2人、インドが10人、ドイツが8人となっています。
日本を除く文明の母数が183となっているのは、現状最も国内観光客が多い日本の182を上回るための数で、現状29人の外国人観光客がこの母数を超えれば、めでたく勝利!となるわけです。なお、日本の母数のみ159となっているのは、国内観光客数において2位のイギリス(158)を超えた段階で他国を抑え実質1位となるためです。
また、自国(ここではイギリス)を訪れている外国人観光客29人の分布は、ゲーム内のレンズからいつでも確認でき、ここでは首都ロンドンに建てた劇場広場に最も多くの観光客(13人)が訪れていることが分かります。また、各観光資源をマウスオーバーすることで、各資源内の内訳と現状の累積ポイントを確認することが可能です。
こうした国の観光資源それぞれに、国外の観光者数がターン毎に累積していくわけですが、各観光資源の観光者数を決定する観光力は、特定の社会政策や技術(コンピューターで全ての観光力が2倍)、幾つかの遺跡(コルコバードのキリスト像やエッフェル塔)を用いて大幅に強化することができます。
イギリスは、考古博物館の所蔵量を倍に強化する“大英博物館”を持ち、特に産業時代以降において別の大陸を侵略する場合に比類無い強さを発揮するややスロースターター気味の拡張型文明です。
考古博物館がルネサンス時代に解禁されるため、自然な流れで複数の大陸(もしくは同じ大陸にように見えるプレート)にまたがる強大な大英帝国を築き上げつつ、文化的に優れた強国となる様は、まるで本物のイギリスを見ているかのようですが、本作の鍵を握る序盤においてはアドバンテージを持たないため、初期ラッシュがやや困難だと言えるでしょうか。
■ イギリスの特性
- 大英博物館(固有能力):考古博物館の所蔵する秘宝が3つから6つになり、一度に2人の考古学者を支援できる。秘宝が6つになると、考古博物館は自動的にテーマ化される。
- シードッグ(特殊ユニット):私掠船に取ってかわるイギリス固有のルネサンス時代の海洋ユニット。敵の船を拿捕できる。隣接するまで見えない。
- 王立海軍造船所(特殊インフラ):海洋活動をつかさどる区域。イギリス固有。港区域に取ってかわる。このタイルを使って乗船または下船する場合は移動ペナルティが発生しない。陸地に隣接する沿岸/湖地形にのみ建設可能。造船所で生産されたすべての海洋ユニットの移動力+1。異なる大陸で建設された場合はゴールド+2、交易路の数+1。
■ ヴィクトリアの特性
- パクス・ブリタニカ(固有能力):自文明の首都が存在しない大陸にある発見または制服したすべての都市が、近接戦等ユニット1つを無償で獲得する。「軍事学」(技術)を研究することで、固有ユニットであるレッドコートを獲得する。
- レッドコート(固有ユニット):ヴィクトリア女王がリーダーである場合のイギリス固有の産業時代のユニット。自国の首都のない大陸での戦闘では戦闘力+10。下船にコストがかからない。
という事で、いよいよイギリスで“文化による勝利”を目指していきます。
今回の難易度は前回よりも1つ難易度を上げ“不死”。マップサイズは“小”、マップは“大陸”を選択。勝利条件は全て有効化してあります。
文化勝利は前回の制覇勝利とほぼ同じスタイルで、他の文明の傑作や遺品、観光施設等を奪いながら進むのが簡単ですが、ここは初回の初期ラッシュを除いてこちらから戦争をけしかけない平和的なスタイルで、イギリスの特性である“大英博物館”のアドバンテージを活かし、秘宝の発掘を軸に文化/観光勝利を達成したいと思います。
前回の制覇勝利は最終的に35都市まで膨れあがったことから、科学力の出力に目立った問題はありませんでしたが、今回は必然的に10都市程度(クリア時は14都市でした)となるため、文化勝利に向けた秘宝の発掘と偉人の獲得が本格化する中盤に向けて、序盤の都市出しとラッシュの成功が鍵を握ると言えそうです。(※ 本作の市民は、人口1につき1ターン当たり文化力0.3と科学力0.7を産出します。つまり都市/人口が多くなるほど文化/科学力が高まるわけです)
今回の方針は、一先ずゴールドと生産力を優先的に確保しつつ、“劇場広場”を建て、観光と収蔵目当てに安めの文化系遺産を建築しながら(※ 観光客の数はターン毎に累積し、遺産については時代が進むことでボーナスが付くため古いほうが旨い)中盤を目指すというもの。中盤以降は、考古学者による発掘を軸に、余裕があればシーサイドリゾートと国立公園を獲得したいと考えていました。
遺産については、遺産用の生産力を確保する“ルール地方”と偉人ブースト用の“紫禁城”、観光力を防御しシーサイドリゾートの効果を高める文明勝利必須の“コルコバードのキリスト像”、領内に存在する土地タイルのアピールを+2するこちらも必須の“エッフェル塔”を何よりも優先。ついでにイギリス艦隊を強化する“アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア”を取りつつ、残りは様子を見ながら美術館関係の遺産獲得を目指して進みます。
開始時の立地はこう。地味ながら丘陵と森が十分に存在し、みかんも美味しそうなのでここに決めました。生産オーダーは投石兵>投石兵>労働者。前回と同じく“弓術”のブーストを得るために全力で蛮族を探します!ただし、難易度が1つ上がって、蛮族がかなり強くなっているので、強気の無茶な戦闘は禁物です。
技術ツリーも同じく伐採目当ての“採鉱”、その後“畜産”を経て、まずは“弓術”をめざします。
なんと、南方に宗教タイプの都市国家“エレバン”を発見!使節で宗教ボーナスが得られるため、パンテオン1番乗りの可能性が高まりました。さらに自然遺産まで発見。とてもさい先の良いスタートです。
政策カードは序盤の定番である“規律”と“神王”をセット。先ほどエレバンと出会えたため、今回は一番乗りでラッシュ御用達の“炉の神”がゲットできそうです。(炉の神:太古と古典時代の軍事ユニットに対する生産力増)
という事で、運良く見事“炉の神”をゲット!好戦性ペナルティがないうちに早いところブラジルを襲ってしまいましょう。まずは弓兵量産の前に2つ目の都市を出すべく、開拓者を生産中です。
71ターン:その後、ペドロ2世が申し出た停戦を受け入れ、幾ばくかのゴールドと資源を獲得。奪った開拓者も利用しつつ2つの都市を建設し、6都市のレイアウトは以上のようになりました。
技術ツリーは、“商業ハブ”と“工業地帯”区域の建設を急ぐべく通貨>徒弟制度をまっすぐ進んでいます。
社会制度ツリーは、内政向けの共和制を選択すべく“政治哲学”を研究中。その後“劇場広場”区域を建てるために“演劇と詩”を経て、考古博物館と美術館を解禁する“人本主義”、そして考古学者と史跡が利用可能となる“博物学”を目指します。これを解禁すればいよいよ秘宝発掘のスタートです。
そろそろ区域を建て始める時期ですが、ビーチリゾート用の沿岸タイルとアピール、国立公園用の候補地を予め念頭におきつつ、“工業地帯”(工場以降)の6タイル範囲ボーナスを考慮に入れて建設を進めましょう。
なお、ここからは文化的な文明として勝利を目指すため、なるべく他の文明と仲良くしながら広く国境を開放し、戦争と略奪を行わない非戦スタイルに移行します。
73ターン:観光目当てで売れ残っていた空中庭園を建設。勝利時には毎ターン18の観光力と累計2,255の観光力を算出する遺産に成長しました。勝利時に最も観光客を呼び込んでいた首都の劇場広場が最終的に1ターン164/累計14,956ポイントを算出したことを考えると、なかなかのパフォーマンスです。今回は、同時期にピラミッドも余っていたので建てています。
運命の259ターン:そろそろ文化勝利に向けた最適化を本格化させようかという頃合いに、不審なアラートが出現。なんと1都市でひっそりと生き延びていたブラジルが文化勝利に王手を掛けたというものです。
上掲の世界ランキングを見ても分かる通り、ブラジルの観光力は一桁で勝利にはほど遠い状況。このアラートが生じた段階で、ブラジルの観光力は最低の1まで落ちていることから、恐らく国外の観光客が2になれば自国の国内観光客を上回る状況となった事に起因するアラートではないでしょうか。
もちろん、ほっといてもブラジルが勝利することはありませんが、時期的に見て勝利にリーチしたというアラートが他の文明に影響を与えないか気になるところ。
縁起の悪いアラートになんとなく嫌な予感がする……と思いきや、突如次のターンでフランスのカトリーヌが我がイギリスに宣戦布告。さらに共同戦線を張ったガンジーまで腰を上げ、戦争に参戦する事態となってしまいました。
現時点でイギリスの観光力は136/239。この機会にインドを数都市でも落とせば……と考えましたが、こちらの地上ユニットは都市防衛にあたるマスケット兵のみ。軍団化したインドのヴァルには太刀打ちできそうにありません。
幸いインドが攻め込んだバーミンガムは海に面しており、“アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア”を建てた流れで艦隊化した潜水艦を2隻用意していたことから、これをバーミンガムの防衛に充て、襲い来るインドの戦力を削ぐことで和平を狙います。
戦線布告されて慌てふためいている状況に、ドイツの宗教ユニットがイギリスにシーク教を広めんと次々来襲しています。我がイギリスは宗教を創始していないことから、今回はヒンドゥー教で対抗することになりますが、この段階で信仰力は1,866、1ターンの出力は僅か22です。
インド頑張って!と願いつつ、とりあえず布教を抑えるために急遽信仰値を稼ぐ必要が出てきました。
インドと戦いながらドイツの宗教を返しつつも、秘宝の発掘と偉人の輩出、所蔵施設の増築を重ね、遂に200台が見えてきたイギリスの観光客事情。外国人観光客の累積状況を見るに、残り30ターンほどあれば勝利となりそうですが、戦時下にあるため数手先が予想できません。
なお、この段階で27ターン後にはリバプールのエッフェル塔が完成予定です。
と思いきや、ドイツのシーク教が遂にインドを制し、遂にドイツの宗教勝利に王手が掛かってしまいました……。こりゃいかん!
いよいよドイツの布教が先か、エッフェル塔完成が先か!という事態になってしまいました。
291ターン時点で、ドイツは我がイギリス14都市のうち、5都市をシーク教に転向させており、ほぼリーチに近い状態にあるといって間違いありません。
この段になって、いよいよ逃げ切るしかないと確信し、この後に及んで生産力に一部割いていた政策を変更。偉人の育成も捨て、逃げ切り体制に完全シフトします。(注:本当はもっと先にやっておくべきです)
ここに来て、ドイツの宗教ユニットがさらなる大攻勢をかけ、遂にリバプールをシーク教に転向。遂にドイツの宗教勝利にリーチが掛かってしまいました。
今回は平和な文化勝利を目指すつもりでしたが、これはもうどうにもいけません。という事で、最後の切り札として、目指していた平和プレイを返上しドイツに宣戦布告。もはや宗教ユニットを直接潰して、文化勝利へと逃げ切るほかありません!
303ターン:遂にリバプールを奪還。ようやく首の皮一枚で命がつながりました。宗教ユニットは足が速いため、地上ユニットでは追いつけない場合が多いことから、この時代に斥候を大量購入。移動力の高い斥候で宗教ユニットをぷちぷち潰すという地味な作戦で掃討に成功しました。
当初予定していた掘って掘って掘りまくるというほど多くの秘宝は掘れませんでしたが、文字通りほうほうのていでなんとか混乱を逃げ切り310ターンで遂に不死文化勝利!ランキングは16位のネビル・チェンバレンでした。
思えば遺産から生産力、海周りの強化まで、あれこれ欲張りすぎた結果、ツリー的な寄り道が多く、大事なブーストや技術の解禁を送らせてしまったことが良くありませんでした。
目先の生産力に目が眩んで一部の交易路を国内で回し、経済政策カードの選択も甘く、ビーチリゾートや発掘作業そのもの、そして宗教対策が後手に回ってしまったため、交易路と外交、経済政策カードをもう少し最適化していれば、最後の混乱は避けられたような気がします。
“文化による勝利”は、文明毎にアプローチが大きく異なることからプレイの幅が広く、勝利の容易さに比べて多くの楽しみ方が存在します。興味がある方は戦闘型のギリシャ(ゴルゴー)や偉人に特化したコンゴ、映画産業で世界を席巻するアメリカあたりの文化勝利にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
最終回となる第3弾レポートは、最新作に導入された新しい勝利条件である“宗教による勝利”を、スキタイのトミュリスで目指してみます。次回もお楽しみに!
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