先日当サイトのレビューにて、熱心なファンだけでなく、初めてのプレイヤーにも優しい新たな傑作だとご紹介した「シヴィライゼーション VI」。多くの改善を備えた秋パッチもリリースされ、ますます大きな盛り上がりを見せていますが、皆さん待ちに待ったCivライフを存分に満喫しているでしょうか。
前回のレビューは、最新作のデザイン的なアプローチや全体像にフォーカスしたもので、ゲームプレイの具体的なディテールについては紹介を控えたため、これから3回に渡って実際のゲームプレイにスポットを当てるプレイレポートをご紹介します。
という事で、第1弾となる今回は最新作の入門に最適な強文明“ローマ帝国”を使って、“皇帝”難易度の制覇勝利を目指します。レポートを通じて難易度を上げていきますので、そろそろ高難易度に挑戦したいと考えている方は、年末年始のCiv三昧に向けて一緒にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「シヴィライゼーション VI」には、それぞれに固有の特性を持つ文明や個性的な指導者、多彩な勝利方法、膨大なプレイスタイルが存在しており、高い難易度で一部の勝利条件を達成するためには、やはり経験に基づくある種の特化や最適化が必要となってきます。
今回はプレイレポートの第1弾という事で、実際のプレイに入る前に、まずは高難易度でも概ね通じる基本的なゲームプレイのアプローチと行動方針を段階的にまとめてみました。
高難易度に苦戦している方は、ある程度全体的な流れを意識しながらゲームの展開をコントロールすることができれば、勝利に向けて一歩前進できるのではないでしょうか。一旦基本的な流れが掴めれば、これに様々なアレンジを加えて、各種勝利条件に対応することができるでしょう。(ただし、宗教勝利は幾つか工夫が必要です)
■ ゲーム開始冒頭から序盤
「シヴィライゼーション VI」に限らず、序盤の展開と選択はシリーズにおいて最も重要な起点の1つですが、蛮族がアグレッシブ且つAI文明が調整途上にある本作の序盤は、以前にも増して重要で決定的なフェーズとなっています。
ターンベースのみならず、一般的に様々な要素やリソース(RTSであれば手数による操作量)が時間経過と共に累積するシミュレーションゲームにおいて、序盤に広がった差は往々にして埋められないケースが多く、特に本作では高難易度においても、序盤に得たアドバンテージで勝利がほぼ確定するケースも決して珍しくありません。
1. 都市の防衛 ›› 2. 国土の拡張 ›› 3. 都市/タイルの改善
まず、序盤の大まかな優先順位は1に“都市の防衛”、次に都市の数を増やす“拡張”、その後“都市やタイルの改善”となるでしょうか。ここで言う“防衛”には、最序盤の蛮族対策が含まれます。最初期の生産オーダーは投石兵や弓兵、戦士が優先され、駐留軍を得る前にモニュメントや穀物庫を作り始めることは時に危険な場合があります。
一旦安全が確保できれば都市の数を増やしましょう。序盤の“拡張”は勝敗を左右する重要なフェーズで、開拓者を生産もしくは購入し、市民の快適さを向上させる高級資源と水の入手、接触した文明の位置関係を考慮に入れながら、6つ程度の都市をできれば互いに6タイルほど離れた位置で大きな円を描くように意識しながら拡大させれば、後の都市改善が楽になります。(※ これは“工場”や“動物園”など、6タイル以内の都心にボーナスを与える建造物の効果を見越したもの)
技術ツリーは、地形改善に必要な技術を整えながら、“弓術”や“鉄器”を獲得し、国家運用の基盤となる商業ハブの建設に必要な“通貨”、工業地帯の建設に必要な“徒弟制度”を目指します。ここでは必要のない技術に寄り道しないよう注意しましょう。
社会制度ツリーについては、目指す勝利やプレイスタイルによって選択が変化します。最も容易な制覇勝利を目指す場合は、ラッシュ用の政府を選択するために必要な“政治哲学”や食糧生産を強化する“封建制度”、同種のユニットを2つ合流させ強力な軍団/艦隊を編成する“ナショナリズム”、同種のユニット3つを用いた大軍団/大艦隊を編成する“戦時動員”を目指して無駄なく進むのがオススメです。
6都市程度に至るまで、兵力がある程度整えば、生産の優先度はまず開拓者、次に運用の基盤となる商業ハブと工業地帯、その後穀物庫/水車小屋といった改善用の建造物や労働者によるタイル改善を進めるのが順当だと言えるでしょう。
また、好戦性のペナルティが低い時代(太古はペナルティ無し)に隣国の都市を幾つか獲得しておくことも重要です。蛮族を含む一連の戦闘を経てレベルアップしたユニットは、中盤以降の展開において(アップグレードや軍団化を通じて)大きなアドバンテージとなります。
■ 国力を強化する中盤
1. ゴールドと生産力 ›› 2. 勝利条件に応じた調整 ›› 3. 探索
中世後期からルネサンス時代辺りに突入するであろう中盤における優先事項は、ほぼ全ての基盤として役立つ“ゴールドと生産力”の確保、次に“勝利条件に応じた調整”、そして未踏破エリアの“探索”となります。
商業ハブと工業地帯に建てられる建造物は全て建ててしまい、交易は生産力を底上げするために国内で回しましょう。“ゴールドと生産力”はどんな勝利条件を達成するにもほぼ必須の資源だと考えて問題ありません。
また、この時期に有用な遺産を入手しておけば、後の展開がぐっと楽になります。海上ユニットを大幅に強化する“アルセナーレ・ディ・ヴェネツィア”や、やっかいな快適性の問題を軽減する“コロッセオ”、ワイルドカード政策スロットを1つ増やす“紫禁城”、重要性の高い生産力を強化する“ルール地方”といった遺産の汎用性が高くオススメです。
さらに、後半のアドバンテージを強固なものとするためにも、そろそろ全ての都市国家を把握しておく必要があります。海軍ユニットを2つ3つ作成し、探索に回しておきましょう。ちなみに海軍/空軍ユニットは比較的強力ですが、現状のビルドではマップやコスト的に活躍する局面が限られています。
制覇を目指す場合は、ルネサンスから近代あたりで幾つかの首都を落としておきたいところです。主力ユニットや衛生兵、攻囲ユニットを用意し、可能な限り多くの軍団/大軍団を編成しましょう。(※ なお、軍団/大軍団の編成時にはレベルアップ済みのユニットと戦闘経験のないユニットを合流させると、前者のレベルを維持した軍団/大軍団が出来上がって大変お得です)
■ 勝利を目指す終盤
1. 勝利条件の達成
終盤において優先することは、もはや“勝利条件の達成”以外にありません。これは、プレイヤー自身が勝利に必要な時間を確保すること、そして敵AIの宗教や科学勝利を阻むことを指します。
宗教ユニットやスパイ活動、戦争、略奪など、を駆使して敵文明の活動を妨害し、自国の勝利をものにしましょう。
「シヴィライゼーション VI」の数ある文明/指導者の中でも初心者に最適とされる“ローマ”は、簡単に言えば序盤の拡張と侵略に求められるやや面倒な工程(交易路や都心/モニュメント)を固有の特性が肩代わりしてくれる拡大型の文明です。
古典時代の特殊ユニット“レギオン”は生産に鉄の確保を必要としないため、敵文明の都市を早い時期に複数確保するラッシュに適しています。
■ ローマの特性
- すべての道はローマへ通じる(固有能力):建設または征服したすべての都市に交易施設が1つある状態でスタートする。首都の交易路到達可能距離内にある場合は、最初から首都が1つある。交易路が自分の都市にある交易施設を通過する場合はゴールド+1。
- レギオン(特殊ユニット):剣士に取ってかわるローマ固有の古典時代の近接戦闘ユニット。カストラを作ることができる。(カストラは防御力+4の要塞で、2ターンに渡って自動的に守りを固めた状態となる)
- 浴場(特殊インフラ):用水路の置換。建設コストが半分になり、元の効果に加え、更に住宅+2、快適性+1のボーナス。
■ トラヤヌスの特性
- トラヤヌスの記念柱:すべての都市に最初から都心(太古の場合はモニュメント)が1つ追加されている。
すっかり前置きが長くなってしまいましたが、いよいよローマで“制覇による勝利”を目指します。
今回の難易度は“皇帝”。マップサイズは“小”、マップはプレイ時間の都合で“パンゲア”を選びました。勝利条件は全て有効化してあります。
制覇勝利に向けた方針は極めて単純です。序盤のレギオンラッシュで敵都市をなるべく多く確保し、そのアドバンテージを維持しつつ、目に付いた都市を片っ端から潰してしまいましょう。とりあえず都市を全て陥落させてしまえば勝利です!(※ “制覇による勝利”の正しい勝利条件は、首都を維持しているプレイヤーが他に誰も居なくなることです。もちろん自国の首都を奪われてはいけません)
今回のプレイレポートは、こんなに適当なお気楽プレイでも“皇帝”は勝てる!という内容にすべく、交易路は特に考慮せず自国内のみ、研究と文化用の区域は建設せず、野ざらしのまま市民とローマの特性任せにしてあります。(※ 本作の市民は、人口1につき1ターン当たり文化力0.3と科学力0.7を産出します。つまり都市/人口が多くなるほど文化/科学力が高まるわけです)
ほぼゴールドと生産力、軍事力のみで押し切っていますので、今回の流れにもう少々手間を掛けて最適化すれば、きっと“神”難易度の勝利も見えてくるはずです。
開始時の立地はというと、高級資源が3つと石材、丘陵も見えるのでここに決めてしまいます。現状は序盤の展開を急ぐ方が有利に働くケースが多いことから、個人的にはよほどの悪/好条件でない限り、1ターン目にそのまま都市を建設してしまう場合がほとんどです。
生産は投石兵>投石兵>労働者としました。“弓術”のブースト(投石兵でユニットを倒す)を得るために全力で蛮族を探します!
技術ツリーは、一先ず伐採目当ての“採鉱”、その後“畜産”から“弓術”へと向かう間に前述のブーストを獲得する予定です。
軍事政策は蛮族との戦いにボーナスが得られる“規律”を選択。経済政策には、太古と古典時代の軍事ユニット生産をブーストするラッシュのお供“炉の神”狙いで、現状運頼みのパンテオン一番乗りを祈りながら“神王”をセット。(※ “パンテオン信仰”のボーナスは信仰力25で獲得でき、遺産と同じく世界に1つのみ存在し、取得後は変更できません)
もし“炉の神”が入手できればレギオンラッシュがずいぶん楽になります……が、他国に取られてしまうケースが多いため、駄目だった場合は素直にあきらめましょう。
“炉の神”を取られてしまった場合には、一部地形の生産力を強化する“葦と湿原の貴婦人”、区域の偉人ポイントを強化する“神の光”、国境の拡張を早める“宗教的植民地”あたりがオススメです。
ちょうど首都ローマが3つの大陸が交わる境界にあったことで、運良く“対外貿易”のブーストが早々に得られました。
社会制度ツリーは、職人技>対外貿易>労働徴発>古代の帝国>政治哲学としました。近接戦闘ユニットの戦闘力を強化し、戦闘経験値をブーストする政府“寡頭制”を採用することでラッシュの効率を向上させましょう。
(既に削ってますが)そうこうしている内に、ようやく蛮族の前哨地を発見しました。戦士ともう一人の投石兵は探索中ですが、さっそく投石兵で“弓術”と“青銅器”(蛮族を3ユニット倒す)のブーストを狙います。
14ターン目の状況はこんな感じ。東に日本の領土がちらりと見え隠れしています。今後に備えて、そろそろ投石兵を“弓兵”にアップグレードすべくローマへと呼び戻す頃合いです。
29ターン目、シュメールの都市ウルクを発見しました。研究は青銅器で鉄器が近づいています。投石兵のアップグレードも終わり、最初の開拓者がそろそろ出来上がりそう……という事で、2つ目の入植地の目星を付けておきましょう。
侍が強い日本も厄介ですが、今回はシュメールが近い位置にいるので、まずは南方を攻めることにしました。
31ターン目にパンテオン信仰を獲得。残念ながら“炉の神”は日本に持っていかれました。トライフォース信仰者め。しょうがないので、ここは偉人の出力をブーストさせる“神の光”をいただきます。
34ターン目に1人目の開拓者が完成。ここではシュメールに向けて南西に5タイル離れた場所へ入植します。続けて開拓者をどんどん生産し、ローマを中心に都市出しを進めていきましょう。
“寡頭制”を敷いてレギオンが数体出来上がれば、いよいよシュメールに対する侵攻を開始します。
39ターン目にクレオパトラさん(エジプト)が登場。先にシュメールを攻めるので一先ずヒスイをゴールドに換金しておきます。
続いて40ターン目にヴィクトリア女王率いるイギリス、58ターン目にはペリクレス率いるギリシャが登場し、ようやく6つの文明(ローマ、日本、シュメール、エジプト、イギリス、ギリシャ)が出そろいました。
“寡頭制”に入ったことで、政策が4つ選択可能になりました。まずは軍事政策の“スパルタ教育”(戦闘ユニットに対する生産力ブースト)と“徴兵”(ユニットの維持費軽減)をセットし、初回のラッシュに向けてレギオンの量産を進めます。
70ターン目、アップグレード済みの弓兵と2体のレギオンでラベンナを経由してシュメールのウルを攻めます。この間、イギリスやギリシャから非難が寄せられていますが制覇目的なので好戦ペナルティは一切気にしません。全て直接的な宣戦布告によって侵略戦争を進めていきます。
なお、技術ツリーは鉄器を取り終えたので、陶磁器>筆記>通貨>徒弟制度と進むことで、“商業ハブ”と“工業地帯”区域の獲得をまっすぐに目指しています。
社会制度ツリーについては、農場の出力を強化するために“封建制度”を研究中です。
さらにレギオンと破壊槌を追加しつつ最初の都市“ウル”をゲット!以降全ての都市を破壊せず、残したまま自国の都市として運用します。「シヴィライゼーション VI」は、(これまでの作品とは異なり)都市の数が増えることによるペナルティがほぼなく、高級資源による快適性の確保が難しくなる程度に過ぎません。
前述した通り、人口1につき科学力と文化力が産出されますので、都市の数をどんどん増やせば国力の増加に直接結びつきます。敵文明の余計な入植を防ぐこともできるので一石二鳥と言えるでしょう。
そのまま流れで“ウルク”を陥落した94ターン目。首都と建設した3都市、シュメールの都市を2つ獲得し、計6都市となりました。このままの流れで、南東に見えるシュルッパクとニップールも落としてしまいます。
技術ツリーは、次の日本に対する侵攻を見越してレギオンをマスケット銃兵にアップグレードするために、余計な技術に手を出さず“火薬”を目指していきましょう。
岡山も難なく陥落しました。この段階で、既に“火薬”の研究を終えていることから、さらにローマの生産力を上げるため、建設した都市の生産力を大幅に強化する便利遺産“ルール地方”を建てるために“工業化”の研究を終わらせましょう。“工業化”のブーストは工房を3つ建設することで獲得できます。
180ターン時の世界ランキングです。シュメールに対する早期のラッシュによって首都を1つ獲得し、スコアも大きく引き離してしまいました。このまま流れにのって日本も撃破してしまいましょう。
この間、クレオパトラとペリクレスが互いに戦争を始めてしまい、お互い足を引っ張っているのも好都合でした。
200ターンで遂に首都の“ルール地方”が完成しました。この時点で勝利がほぼ確定したと考えて問題ありません。
この段階で首都の生産力は63.6、ローマ全体の科学力は+81.5、文化力は+61.1です。前述した通り、キャンパスと劇場広場は奪った都市に建てられていたものを除いて全く建設していませんが、人口のカバー分で特に問題ありませんでした。生産力のボーナスもさほど最適化していないため、全体的な出力はさらに強化可能です。
一先ず敵文明の宗教勝利を阻むために、“聖地”区域と“社”の準備を済ませておきましょう。レンズの“宗教”で状況を確認しつつ、自国の都市が危ない時は“伝道者”で布教を押し返します。
以下、ほぼプチプチを潰すような消化試合となりますので、面倒な方は最後まで読み飛ばしてもらっても問題ありません。
215ターン:日本を落としたので、次は射石砲とマスケット銃兵の大群を引き連れ、ペリクレスのギリシャに攻め入ります。
ギリシャの都市を幾つか獲得した段階で、歩兵のアップグレードが完了しました。そのまま北西のエジプトに侵攻します。
残るはイギリスのみですが、疲弊したヴィクトリア女王の手駒は弩兵とカタパルト。こちらは既に機械化歩兵入りしており、もはや勝負にはなりません。
後半のんびりとプレイしていたため、330ターンでようやく制覇完了。ランキングはアキテーヌ女公アリエノールです。今回のプレイは、シュメールに対する初回のラッシュでほぼ勝負が決まったようなもので、総都市数の差が大きなアドバンテージとなり、残る文明に対してもその差は開く一方でした。
“制覇”は好戦性のペナルティを全く考えずに済むことから、最も簡単な勝利条件だと言えます。今回の内容をもう少し最適化して詰めれば、“皇帝”の科学勝利や文化勝利もそう難しくはありません。ゴールドと生産力の基盤が整えばプレイの可能性が大きく広がりますので、興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
次回の第2弾レポートは、もう少々最適化を図りつつイギリスのヴィクトリア女王で“不死”難易度の文化勝利を目指してみます。お楽しみに!
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