今月1日、米テキサス州が非常に厳しい人口中絶禁止法を施行し、連邦最高裁が(一般的な妊娠中絶を認めたロー対ウェード判決を根底から覆す)この州法に対する差し止め請求を退け、事実上容認したことで、アメリカを二分する大きな問題となっていますが、新たにオープンワールド人食いサメアクションRPG“Maneater”や“Chivalry 2”、“Rising Storm”、“Killing Floor”シリーズ等で知られる「Tripwire Interactive」のJohn Gibson社長が今回の人口中絶禁止法施行に言及。プロライフを支持する開発者として、このテキサス州法を「誇りに思う」と発言し、大きな批判が集まる状況となっています。
今回の州法は、人権や差別、移民等にまつわる急進的な法令を予め可決しておき、その後保守系多数の裁判所が通常の手続きを無視した判決を出す(今回の場合は、差し止め請求を審議せず却下し実現した)Shadow Docketと呼ばれる手法により容認されたもので、妊娠6週目以降の中絶を禁止し、レイプ被害や近親相姦による妊娠でさえ例外としないばかりか、中絶した女性とこれに協力した医師、支援者、送迎を行った他者を全く無関係の一般市民が訴えることができるというもの。
多くの女性が受胎6週間で自身の妊娠を自覚することは非常に難しく、今回の州法は中絶の権利を6週間保証したという体で、事実上の全面禁止法となるばかりか、一般市民による民事訴訟を認めることで、自警団的な賞金稼ぎや市民間の監視体制を生むことが懸念されています。
John Gibson社長は、連邦最高裁がこの州法を支持したことを誇りに思うと語り、自身が元来エンターテイナーであることから、政治的なことにはあまり関心がないものの、この問題については声高な反対者が多く存在することから、プロライフのゲーム開発者として記録を残しておくことが重要だと感じたと説明しています。
この発言に対し、既にCory Barlog氏やCliffy B、Chet Faliszek氏など、多くの開発者が強い言葉で批判していますが、新たに“Maneater”や“Chivalry II”の開発に協力した“Shipwright Studios”が声明を発表。
政治的な考えや思想が社長自身の個人的なものである一方、これを公にした瞬間にスタジオの従業員や関係者を含む全ての人々を巻き込んでしまうと説明。これまで3年以上に渡って、Tripwireと密接な協業関係にあったものの、件の発言は両スタジオの従業員やパートナー企業、業界全体に悪影響を及ぼすものだと断じ、現在のリーダーシップの下で、Tripwireとの仕事を継続することはできないと宣言。直ちに既存の契約を解除すると伝えています。
多くのファンに愛される名作の数々を世に送り出し、“Maneater”の最新DLCではQアノン的な陰謀論を徹底的におちょくっていた名門“Tripwire Interactive”ですが、John Gibson社長の個人的な態度と発言が今後のスタジオと作品にどんな影響を与えるか、特に今回の発言は明確な意思とイデオロギーに基づいて示された(つまり理解が足りず、“誤解を与えたのであれば申し訳ない”系の類いではないため)表明であるため、スタジオの対応と動向に大きな注目が集まるところです。
— Shipwright Studios (@shipwrightstdio) September 5, 2021
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