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先月上旬、全く同じタイミングで傑作「ディスコ エリジウム」の精神的後継を謳う3つの新スタジオ設立とそれぞれのCRPGプロジェクトがアナウンスされ（※ 過去記事：Longdue設立、Dark Math Games設立とデビュー作“XXX NIGHTSHIFT“発表、アート集団/RPGスタジオSummer Eternal設立）、“ZA/UM”事件の新たな展開として大きな話題となりましたが、ZA/UMの現状を含むその後の動向に注目が集まるなか、新スタジオの1つ「Summer Eternal」を設立したArgo Tuulik氏がXを更新し、“ディスコ エリジウム”の後継を巡る法的トラブルに巻き込まれたことが判明。新スタジオの1つ「Longdue」とその創業者Riaz Moola氏が「Summer Eternal」を提訴し、ロンドンの高等法院が「Summer Eternal」に対して2025年4月まで一切の活動を禁じる差し止め命令を下したことが明らかになりました。

報告を行ったArgo Tuulik氏は、“ディスコ エリジウム”とファイナルカットの主要ライターの1人として活躍し、クーノやハーディ・ボーイズのライティングを担当した人物で、アートグループだった初期“ZA/UM”とその前身となった“The Overcoats”グループの中心人物の1人。

Argo Tuulik氏が設立した「Summer Eternal」は、オリジナルのZA/UMが宿していた精神を継承するアート集団兼RPG専門スタジオとしてアナウンスされ、“ディスコ エリジウム”の主要ライターの1人だったOlga Moskvina氏、“ディスコ エリジウム”の素晴らしいナレーションを担当したボイスアクターLenval Brown氏、ZA/UMで“Disco Elysium – The Final Cut”発売後の未発表プロジェクトに取り組んでいたプリンシパルライターDora Klindžić氏とコンセプトアーティストAnastasia Ivanova氏、グラフィックデザイナーMichael Oswell氏の参加が報じられていました。

一方、“Summer Eternal”を提訴した「Longdue」は、元ZA/UMの開発者が所属していると報じられたものの、人物の特定はされておらず、ZA/UMの元メンバーに加え、BungieやRockstar、Brave At Nightで活躍した開発者の在籍が報じられていましたが、今回の報告に伴い、「Longdue」の会長を務める創業者が、かつて2018年にForbesの世界を変える“30歳未満の30人”に選出された南アフリカ出身の実業家Riaz Moola氏であることが判明。（※ Riaz Moola氏はそもそも新旧“ZA/UM”の関係者ではない）

今回の訴訟は、LongdueとRiaz Moola氏の代理を務める“CoGRammar”が“Summer Eternal”を提訴したもので、Argo Tuulik氏はこの件だけでなく、Riaz Moola氏がZA/UMと共謀し、自身やDora Klindžić氏、Summer Eternal、Dark Math Gamesに対して法的な脅迫を行っている説明しており、代理を務めた“CoGRammar”の書状（Longdueに対する重大な法的契約違反）に加え、“ZA/UM”から届いた警告（契約違反と守秘義務違反、および著作権侵害）、さらに英高等法院が下した差し止め命令の写真を公開しています。

（注記：訴訟の代理人となった“CoGRammar”は、Longdueの会長であるRiaz Moola氏が設立したコーディングスキルの学習とキャリアサービスで、元々Riaz Moola氏はプログラミングとコーディングの大手オンライン教育プロバイダ“Hyperion”を創業した人物として知られている）

また、Argo Tuulik氏は、匿名の人物がメディアにArgo Tuulik氏と（第3の後継スタジオである）“Dark Math Games”との間に対立があることをほのめかす情報を送りつけていると報告しており、これは事実ではないと説明しています。

今のところ、今回の裁判に関する両者の訴えや主張を含む詳細は不明ながら、Argo Tuulik氏が現状を報告したことから、氏を訴えた“Longdue”が声明を発表。Argo Tuulik氏がかつて“Longdue”と“Dark Math Games”に所属していたという、初めて明かされる情報を含め、以下のような説明を行っています。

Argo Tuulik氏が公の場で行った発言を受け、直近の裁判にて、裁判官がLongdueに有利な判決を下したことを報告します。我々は関係者全員のために、この件を非公開で処理しようと努めてきましたが、Argo氏のコメントを踏まえ、いくつかの重要な事実を明確にする必要があると考えました。

Argo Tuulik氏は、設立当初のLongdue、さらにDark Math Gamesの一員でもありましたが、その後は袂を分かち、我々は彼と異なるアプローチで成長してきました。

我々は誠実さと契約遵守を重視するチームであることから、Argo氏がLongdueを去る際に締結した契約に違反したことを残念に感じています。Longdueはこの違反を踏まえた上で、Argo氏と友好的な解決を図るための試みを続けてきましたが、この取り組みは繰り返し拒絶され、もはや裁判所に介入を求める以外に選択肢が残されておらず、判事は我々に有利な判決を下しました。

このような状況に陥ったことは残念です。我々は法的な対処を望んでおらず、関係者全員のために、このことが明らかになることも想定していませんでしたが、我々の業務や築き上げたチーム、そして締結した契約を守るための行動が必要となる場合もあります。

我々がスタジオの設立当初から掲げてきた目標は、“ディスコ エリジウム”の発売以来、開発に携わった人々に付いて回った争いを乗り越え、優れたRPGを作るスタジオのコミュニティとして互いに支え合い、高め合うことでした。それは今も変わっておらず、Argo氏とこの問題を友好的に解決し、全員が前進できることを願っています。

また、（ZA/UMとRiaz Moola氏が共謀しているという）Argo氏のコメントについて、ZA/UMがこの訴訟に一切関与していないことを明確にしておきます。この訴訟は、Argo氏とLongdue間の契約がArgo氏によって破られたために起こされたものであり、Argo氏とZA/UMとの間で行われている法的な争いは、両当事者間の問題です。

我々は、Longdue設立初期におけるArgo氏の貢献を尊重しており、ファンの方々には、「ディスコ エリジウム」や「Planescape: Torment」といったストーリー重視のRPGにインスパイアされたすべてのスタジオを引き続き応援していただければ幸いです。

Summer Eternalを設立したArgo Tuulik氏が、LongdueとDark Math Gamesにかつて所属していたという驚きにの経緯と今回の状況（あるいは軋轢）を踏まえると、10月上旬にほぼ同じタイミングで3つのスタジオとプロジェクトがアナウンスされた背景や複雑な事情が僅かに透けて見えるようですが、さらに奇妙なスタジオ間の関係が浮上しており、PC Gamerの報告から、件の“Longdue”を設立した実業家Riaz Moola氏が、もう1つの後継スタジオ“Dark Math Games”を立ち上げた共同創設者の1人であることが判明しています。

この極めて難解な状況と争いの混乱ぶりが何を示しているのか、その詳細やパワーバランスは不明ですが、現“ZA/UM”と“ディスコ エリジウム”、その周辺を巡る事態は以前にも増して複雑化かつ悪化しており、“ディスコ エリジウム”世界で起こった出来事をそのまま当事者達が再演して見せているかのような事態の行く末に改めて注目が集まるところです。

I have also received baseless legal threats from zaum with whom Moola is collaborating against myself, Dora, Summer E and Dark Math Games.

— Argo Tuulik (@mixedmartialarx) November 15, 2024

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— Argo Tuulik (@mixedmartialarx) November 15, 2024

【PS5】ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット

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