近年eスポーツの隆盛や韓国産MMOの成功の影で常に並行して論じられるMMO中毒の問題ですが、先月にはネットゲームに没頭する両親が生後3ヶ月の幼児を餓死させてしまう等の凄惨な事件が起こっています。こういった連続する社会問題にメスを入れる目的で韓国の行政機関である文化体育観光部がゲーム中毒を抑制するための2つの新しい政策を発表しました。
1つは夜間のゲームサービス停止で、これは19歳以下の未成年を対象にしており、夜間6時間のゲームサービス停止を課す物です。この制度は今年後半からメイプルストーリーやマビノギなど多くのポピュラーなオンラインゲームに適用されるとの事。
さらに2つ目はスローダウンシステムで、未成年のプレイヤーが長い時間ログインしている状態が続くと、インターネットの接続スピードが著しく遅くなるという物。こちらのシステムは既にDungeon & FighterとDragon Nestにおいて実装されており、今後19のRPGタイトルにその対応を増やしていく予定とされています。
なお、この19のRPGタイトルは韓国市場のおよそ79%のシェアにおよぶ大きな物で、新政策が大がかりな物である事が読み取れます。当然この実施に対して制限から外れようとする未成年ユーザーとのいたちごっこが予想される訳ですが、文化体育観光部は未成年の両親のアカウントと住民登録番号を紐付けし、未成年ユーザーの特定を徹底して行う予定のようです。
ゲームへの依存については国内でもテレビなどにおいて、”廃人”と呼ばれ社会問題として認識される様子が見られる様になりましたが、こういった一定のコンテンツに対する極度な依存の問題は世界的に同時発生している社会問題でもあり、アメリカでもリハビリプログラムの登場など大きく注目を集めています。
今回明らかになった韓国の新政策については未成年に対する政策だけで改善される問題なのか、個人的に大きく疑問を残さずにいられませんが、ゲームを愛するプレイヤーとして、こういった問題には自制も含め客観的な視点を失わないよう努めたいものです。
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