本編Crysis 2の方はディティールも登場し始め、いよいよ本格的な動きが見られる状態にまでたどり着きました。しかし、やはりCrysisで気になるのはその映像技術、来月のGDCではまた新しい情報などが出てくると思われますが、本日CryEngine 3の新技術であるLight Propagation Volumesの技術を用いたデモ映像が登場しました。内容はテクニカルな物ですが、CryEngine 3の圧倒的なパワーを目の当たりにできる素晴らしい内容になっています。
今回の映像で取り上げられているのは昨年のSiggraphでCrytekのAnton Kaplanyan氏とシュツットガルト大学のCarsten Dachsbacher教授が発表したCascaded Light Propagation Volumesのリアルタイムなグローバルイルミネーションへの応用に関する物(発表時の資料はPDFで公開されています ※リンクはPDFが開きます)で、Crytekが公開しているSponza Modelを用いて、CryEngine 3のこの新技術について映像で解説されています。
このLight Propagation Volumeというのは光や色の空間内での伝わり方をより効率的に行う技術で、シーン全体を数種の3Dグリッドを用意し、グリッド毎に光量を計算する物。これらのグリッド値を参考にシャドウマップの生成等にも応用している様です。映像ではオブジェクトの移動に併せて周辺の環境光が変化する様子や、実際のゲームプレイに反映させた様子(壁の色に注目)など、恐ろしくクオリティの高い映像が確認できます。またこの技術を応用したオクルージョンの様子も納められており、リアルタイム演算ながら非常にクオリティの高い影が確認できます。
映像では3Dグリッドのネスト数やそれによるフレームレートの増減もしっかりと記されており、そのフレームレートの高さにはこういった技術がかなり現実の物として近づいている事が体感できる内容になっています。なお、これらの映像はnVidiaのGTX285を用いており、1280×720、MSAA無しで計測されています。
さらに映像の最後では世界中のCGI作品で多く利用されているmental rayとのレンダリング比較も行われており、同じシーンを用いてCryEngine 3のGI無し、CryEngine 3のGI有り、mental rayのレンダリング結果3種を確認する事ができます。その結果からはCE3のGI有りで120fpsのリアルタイムで描画するイメージがmental rayが45分掛けてレンダリングしたイメージに大きく近づいていると言える驚愕の結果が見て取れます。
すでに疑似GI計算の様な技術はHDコンソール機でも実現されているわけですが、このCascaded Light Propagation VolumesとGIの併用がどのようにゲームに盛り込まれていくのか、ますますCrysis 2の登場が楽しみです。
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