暗号解読第4回:「Call of Duty: Black Ops」の暗号サイト “GKNOVA6″とTreyarchの関連が明らかに

2010年5月19日 2:23 by katakori
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4回目の暗号内容はこれまでに比べて意外な程にシンプル……

先日第3回目をお送りした「Call of Duty: Black Ops」の暗号サイトGKNOVA6の解析、今回は第4回目をお届けします。なお、これまでの経緯については複雑怪奇な過程を経ていますので、興味のある方は以下のリンクに初回からのプロセスをまとめてありますので、ご確認下さい。

さて、4回目の暗号はこれまでのやっかいそうな物から一転、シンプルな男性台詞が3回だけリピートされるという物。その台詞は”azure has the task“(アズレはタスクを持っている)と言うシンプルなセンテンスです……。という事で、以下解析へと進む訳ですが、多分にARG的なネタバレが含まれていますので、閲覧にはくれぐれもご注意下さい。

まず、azureという名前は3回目の暗号解析で登場したGoogleグループのポストに見られた人物と一致しており、一先ずグループのポストを探してみるとグループの作成者Nova Sixからazure宛てに次のような投稿がされていました。

Azure:Since you have provided us with this information, we give you a new task, and see if you can deliver.

We are looking for a specific document, one that we would very much like to find. This document is posted by someone who remains just out of our reach…for now. We have intercepted communications with a code that we haven’t been able to crack. Post this document in a public place, and we will correspond again in the future.

Transmission is as follows:

They came in a black helicopter to try and aid the dead president. Even the cabal could not stop the spy. An interesting Conspiracy, one the world would not soon forget, had they ever known.

この投稿はGoogleグループの作成者Nova Sixの投稿に反応したAzureに対するレスで、情報を提供したAzureに対してNova Sixが探している文書を見つければ次の機会があるだろうと記されています。この文書はNova Sixの手が届かない場所で何者かにより公開されそうになった所、Nova Sixがクラック出来ないコードで遮断したという物。という事で文書の探索が始まる事になります。

紆余曲折を経てweb検索から、投稿にあるトランスミッションの内容に見られる”black helicopter”と”cabal”、”conspirasy”、”spy”の単語を含む新たなGoogleグループが4つ発見、この複数のグループ全てにXOという人物の投稿が行われており、それぞれrar圧縮のファイルへのurlが記載されていました。さらに投稿にはNova Sixがポストしたトランスミッションと同じ文言が発見され、関連は間違いない様子。

「Call of Duty: Black Ops」 コールオブデューティ ブラックオプス

これら4つのGoogleグループには上記トランスミッションの1文に加え、次の様な文字列が付け加えられていました。

Googleグループ1: alt.conspiracy.BlackHelicopters
freezing point is in error, I question if it’s one degree higher.

Googleグループ2: alt.conspiracy.JFK
May all servants of nihilism

Googleグループ3: alt.conspiracy.cabal
build the cornerstone of our

Googleグループ4: alt.conspiracy.spy
house in brick, stone, marble, and granite, to keep them at bay. But
remember, the

この4グループから発見されたrarファイルは分割圧縮された物で、さらにパスワードによる保護が行われています。よって、パスワードを解かなければならない訳ですが、XOによる投稿に加えられていたテキストを見ると、非常に中途半端な状態の文章の様に見える事から、意味が通る様に組み合わせて見ると次の様な文章が出現します。

May all servants of nihilism build the cornerstone of our house in brick, stone, marble, and granite, to keep them at bay. But remember, the freezing point is in error, I question if it’s one degree higher.

ニヒリズムのすべての忠実な下部が、彼らを寄せつけないようにレンガ、石、大理石、そして花コウ岩の私たちの家の礎を造りますように。しかし、凝固点が間違っている、私はそれが1度高いか疑う。

この文章が何を意味するか、レンガ、石、大理石、花コウ岩は中世ヨーロッパの石細工でよく使われる物であり、家の記述、そしてどうやら集団を示している事、ここから導かれるのはやはり石工の組合が発祥のフリーメイソンに違いありません。さらに第1文の頭文字を注意して見ると”May all servants of nihilism”から”mason”の文字が導き出されます。

これをパスワードに分割圧縮されたファイルを解凍すると次の様な一枚のPDFファイルが発見されました。

「Call of Duty: Black Ops」 コールオブデューティ ブラックオプス

非常に読み辛い文書なのでテキストに直すと次の様になります。※内容については後述

THE WHITE HOUSE
WASHINGTON

DISPATCHED
N.S.C.

Jul 20 3 00 PM ’61

TOP SECRET

July 22, 1961
MEMORANDUM FOR: Director, <-JCOS SUBJECT: Transmissions from a suspected numbers station near the [スミによる消し] embassy containing alarming and cryptic references Research appears to be underway involving variants of [[Tabun, Sarin, Soman]] and an unknown gas of possibly far greater potential for devastation. Every member of the S.O.G. team in the field should be briefed. Yesterday, a new transmission involving [Plutonium and Uranium] was also intercepted but was lost before the transmission completed. All foreign agents listening to numbers stations should be vigilant to these keywords. Recent chatter has reached a fever pitch. CIA operatives have been assigned to the program, and additional support is requested. Have all reports forwarded to the White House, and present an interim review of the situation no later than July 31, 1961. /s/ John F. Kennedy

この文書からは、1961年7月20日午後3時にJCOS(Joint Chiefs of Staff:アメリカ統合参謀本部)から行われた報告に対して、ケネディ大統領により7月31日に発行された機密文書である事が読み取れます。時期的にはキューバ危機を迎える前年、東西の緊張が極度に高まっている時期で、さらに、ドイツの東方政策によりベルリンの壁が登場したのがこの翌月、1961年の8月です。

報告には墨による消しで見えないどこかの国の大使館近辺から疑わしい通信が行われており、通信内容に前回の暗号で登場したタブン、サリン、ソマン、さらに未知のガスが含まれる危険な神経ガスに関する単語が含まれていた事、そしてプルトニウムとウランに絡む通信も受信したが、途中で遮られた事が記されています。

この危険に際してCall of Duty: Black Opsの主人公達であるS.O.G.チームのブリーフィングが必要だと述べられており、CIAの増援が要求されている事も併せて記述されています。

さらにこの文書のパラグラフを整理すると新たにTreyarchの関連が明らかになります。以下をご覧ください。

SUBJECT:
Transmissions from a suspected numbers station near the [スミによる消し] embassy containing alarming and cryptic references
Research appears to be underway involving variants of [[Tabun,Sarin, Soman]] and an unknown gas of possibly far greater potentialfor devastation.
Every member of the S.O.G. team in the field should be briefed.
Yesterday, a new transmission involving [Plutonium and Uranium] was also intercepted but was lost before the transmission completed.
All foreign agents listening to numbers stations should be vigilant to these keywords.
Recent chatter has reached a fever pitch.
CIA operatives have been assigned to the program, and additional support is requested.
Have all reports forwarded to the White House, and present an interim review of the situation no later than

という事で、Call of Duty: Black Opsの主人公達であるS.O.G.チームと”Treyarch”の名前が確認され、もはやこのGKNOVA6がCall of Duty: Black Opsの何らかに関わるサイトに間違いない事が明らかになりました。

かなり核心に近づいて来た感のある今回の暗号解析ですが、まだ様々な謎が残っています。GKNOVA6とは何なのか?前回からGoogleグループにこれと深く絡むと思われるNova Sixという人物が登場している事から、残される”GK”の文字の意味、そして今回機密文書から登場した謎の通信を行っている集団、さらにタブンやサリンに併せて登場した謎の神経ガス、この辺りの内容に次回からは迫っていく事になります。

なお、第4回の暗号にはまだ解き明かされていない謎が残されています。実は前回オーディオファイルから発見された画像ファイルと同様に、今回も以下の様な埋め込み画像が発見されています。

「Call of Duty: Black Ops」 コールオブデューティ ブラックオプス

KARL = b
NAPOLEON = d

NAPOLEONはやはりフランスのナポレオン・ボナパルトが思い浮かびますが、その一方でカールという名はありふれた物に思えます。前回発見された画像(以下参照)にもこの数式らしき記述が見られ、何らかの関連性があるかと予想されます。

「Call of Duty: Black Ops」 コールオブデューティ ブラックオプス
「Call of Duty: Black Ops」 コールオブデューティ ブラックオプス

前回の画像に記載された”5+5=10″と”FREEDOM=7″の記述からナポレオンとの関連性を調べると、ナポレオンが1821年の5月5日没である事が判明。”NAPOLEON = d”の”d”を死(death)と考えるなら、”KARL = b”の”b”は誕生(bone)とも考えられます。そこで5月5日生まれの著名人でカールの名を持つ人物を捜すと、1818年5月5日生まれの経済学者カール・マルクスの名が浮かび上がりました。

しかし、この件に関してはこれ以上の進展は見られず、今後まだ埋め込みファイルの続きが存在しているのかもしれません。

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