かつて2005年の終わりから翌年にかけてUnreal Engineの対抗馬として有力視されていたProject Offsetエンジンの開発を手掛け、その後2008年にIntelに買収されたOffset Softwareでしたが、今年7月にはIntelからProject Offset開発の中止がアナウンス、それ以降の続報が途絶えていました。
そんな中、Project Offsetを率いていたSam McGrath氏が新スタジオ”Fractiv“を立ち上げ、「The Gunsmith」と名付けられたファンタジー要素を含む西部劇テーマのアクションRPGタイトルを開発している事が明らかになりました。
これはSam McGrath氏がBig Downloadのインタビューに応じた事から明らかになったもので、氏は開発も順調に進められている事を明かし、今後スクリーンショットや映像の登場も控えていると語っています。
さらにMcGrath氏はThe Gunsmithが持つファンタジーと西部劇の奇妙な組み合わせについても言及、今年のゲーム産業を席捲した”Red Dead Redemption”のゾンビDLC”Undead Nightmare”の名前を挙げ、Undead Nightmareの登場により”ヒネり”を加えた西部劇タイトルが受け入れられる土壌が出来たとの見解を示しています。
まだタイトルの詳細等については明らかにされていない本作ですが、リリースについては現在パブリッシャを探している途中との事で、対応プラットフォームもまだ明らかに出来ない状況にある様子です。
McGrath氏はIntelが下したProject Offsetの開発中止についても言及、Project Offsetが買収当初Intelが力を入れて計画を推し進めていた汎用GPUプラットフォームLarrabeeのショーケース的な役割を担っていた事を明かし、その後2009年にパフォーマンスの問題からLarrabeeプロジェクトが中止となり、結果Project Offsetが開発中止となった事を明らかにしています。
また氏はLarrabeeの技術的な問題だけではなく、Intel内部がゲーム開発者には向かない場所だった事を振り返り、経営的なコントロールや他のグループとの関係性など、クリエイティブを発揮する事が難しい状況にあったと吐露しました。
しかし、氏はその中で開発が進められたProject Offsetに実装されたツールとワークフローの完成度が素晴らしい物だったと語り、強力なビジュアルスクリプトシステムを実装した事、そしてグローバルイルミネーション技術でオスカーを受賞したMike Bunnell氏と共に開発を進め、ライトマップのベーキング(テクスチャ焼き付け)技術を30秒程度にまで短縮する技術を実現した事を明らかにしています。
McGrath氏はこのProject OffsetエンジンのIPをFractivが保有出来るようIntelと交渉を行っていた事を明かしていますが、残念ながらエンジンのIPを手に入れる事は叶わず、現在もIntelがこのIPを保有している事が明言されています。
つい先日FractivはiPhoneとiPad用のバイクレースゲーム”Lane Splitter”をリリースし、新たにAndroid対応も果たすとの事で、すでに実務的な開発業務を進めており、今回明らかになったThe Gunsmithの登場もそう遠くないと期待出来そうです。
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