18歳以上対象レーティング新設に絡む問題をたびたびご紹介しているオーストラリアのビデオゲーム事情ですが、昨今Portal 2やRage、Dead Islandといった注目タイトルにオーストラリア向けの独自特典を用意した限定版がリリースされるケースが多く、不思議に感じていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これはオーストラリアが2000年に導入した物品サービス税(Goods and Service Tax、GSTとも)が原因となっている現象で、通常北米や欧州市場で60ドル程度のフルプライスタイトルがオーストラリアでは80ドル近い価格で販売されている状況に起因するもので、前述した独自限定版はこういった割高感を払拭するために小売店が編み出したアイデアだと言えます。
そんな中、オーストラリアの大手小売チェーン「ハービー・ノーマン」がGSTの課税を回避し、北米市場と同価格帯でゲームタイトルの販売を行う直輸入サイト“Harvey Norman Direct Import”をオープンし、各種コンソールからPC版も含むゲーム販売を開始しました。
ハービー・ノーマンのオンラインショップではCall of Duty: Modern Warfare 3が63ドルで購入可能ですが、オーストラリアの大手小売店EB Gamesでは98.68ドルで販売(※ 現在クリスマスセール中で68ドル)されており、4ドル程度の送料を差し引いても30ドルも安く購入可能となっています。
今回のハービー・ノーマンが開始した新しいビジネスについてオーストラリア国内では、小売業界団体がこの直輸入販売に対しオーストラリアでの雇用を促進しないとの批判を顕わにする一方で、同じくビデオゲームの小売を営むJB Hi-Fiが同様のサービスを速やかに開始したいと発表するなど、レーティング新設の際にも見られた強い相反がせめぎ合う状況となっています。
なお、オーストラリア政府は今後輸入品に対しGSTを適用する調査を進めており、レーティング新設と並んで注目を集める問題となりそうです。
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