先日UbisoftとNadeoから改名が発表された「ShootMania Storm」ですが、本日本作のプレビューが解禁され、ゲーム性に関する新情報やFPSジャンルへの新鮮かつNadeo特有の興味深いアプローチが明らかになり、併せて数枚のスクリーンショットが公開されました。
今回は、これまでNadeoが築いてきたユーザークリエイトコンテンツ文化に基づいた新しいシューター“タイトル”と言うよりもシューター“プラットフォーム”と呼ぶに相応しい“ShootMania Storm”の新情報をまとめてご紹介します。
国内ではまだ馴染みの薄いFPS作品“ShootMania Storm”ですが、今作はNadeoが開発と運用を進めているソーシャル要素も統合するユーザークリエイトコンテンツ(UCC)プラットフォームサービス“ManiaPlanet”の第2弾タイトルで、昨年リリースされたTrackmaniaシリーズの最新作“Trackmania 2 Canyon”がManiaPlanetシリーズ第1弾タイトルとなっています。
インゲームのトラックエディタによる簡単なコース作成や共有、マルチプレイヤーの楽しさで知られるTrackmaniaシリーズですが、ShootMania Stormはまさにシューター版Trackmaniaといった趣きのタイトルで、これまでのNadeoタイトルと同様にインゲームのマップエディタを利用したマップの作成や、対戦モードのルール作成、利用可能な武器のカスタマイズなど、ユーザーが思い描いたシューターを自由に作成し、プレイ可能な意欲的な作品です。
近年ますますエクストリームな暴力表現や描写、現実社会における国際関係の投影や映画的な演出への傾倒が目立つシュータージャンルですが、NadeoのFlorent Castelnerac氏は“暴力”によって到達出来るプレイヤー文化の限界は一定の観客動員力を持つ“e-Sport”との見解を明かし、テロリズムや実際の戦争、酷い暴力描写はより広いオーディエンスには届かないと述べ、ShootMania Stormでは残虐な描写を和らげることで、家族にも優しい“競争”ゲームの大きな聴衆を見つけることを望んでいると語りました。なお、氏が語った暴力表現への見解はあくまでNadeoのスタジオ文化であることを強調しています。
詳細は後述しますが、この広いオーディエンスを想定した訴求はゲーム性の各所に表出しており、非常にシンプルな操作周りや、観客として試合を見る際に戦況が理解しやすい色分けで認識可能な2ショットキルの仕様、リロードを無くすなど複雑なルールの排除など、複雑化する一方のシュータージャンルにおいて、時代を逆行するかのような要素の採用を見せています。
また、前述した通り今作はユーザークリエイトによるゲームルールやマップが大きなウェイトを占める作品であり、固定のルールが存在しないゲームタイトルでe-Sportへの訴求を図ることは難しいようにも感じられますが、Nadeoはここで非常にユニークなアプローチを見せており、e-Sportにとって重要な要素の1つである“観客”に対する視覚的に判りやすいゲーム性の実現と共に、プレイヤーの背中やCTF用の旗などにクランやスポンサーのロゴ表示が可能なシステムを用意するなど、エンターテインメントとして成立するために必要なオーディエンスへの訴求を念頭に置いたデザインを進めているとのこと。
デザイン思想的にも非常にユニークなアプローチを見せるShootMania Stormですが、本作の全容はマルチプレイヤーのゲーム性だけでなく、ソーシャル要素を統合するManiaPlanet側の機能や、ユーザーがクリエイトしたコンテンツの共有手段、或いはそこに発生する報償等に至るまでかなり広い要素が内包されており、TrackmaniaシリーズでUCC文化を育ててきたNadeoのまさに集大成といった様相を呈しています。
■ ゲームプレイに関する新情報
- シングルプレイヤーモードは存在しない
- リリース時にはNadeoによって作成されたBattlefieldスタイルのポイント占有モードや、チームデスマッチ、1 on 1など、約17種のゲームモードが用意されている
- 操作はシンプルでWASDによる移動とマウスの左クリックによる射撃、その他ジャンプとスプリントが用意されている
- デフォルトの武器は時間で再充電されるエネルギー弾を放ち、リロードは存在しない
- 1ヒット目で相手のシールドを剥がし、2ヒット目でキルとなる(もちろんUCCによるゲームルール変更で調整可能)
- フル充電から連続で射出可能なエネルギー弾は4発
- その他の武器はマップの特定地域に用意されている
- その他の武器には1ショットキルが可能なスナイパー武器から中世スタイルの近接武器、弓など各種用意されており、全てカスタマイズ可能
- デフォルトのゲームモード例:“Elite”は1対3の対戦を実現するユニークなルールで、1人側には1ヒットキルが可能なレーザー武器が与えられ、3人側チームにはロケットランチャーが与えられる
- 観客には様々なサーバで行われる複数の試合が映し出されるインゲームの巨大ゲームスクリーンが用意されている
■ マップやゲームモードの制作とManiaPlanetに関する新情報
- エンジンはManiaPlanetタイトル間で同じものが利用されており、ShootManiaのエディタはTrackManiaのそれと似ている
- マップエディタはプレイ時からロード無しで直ぐに利用可能なグリッドベースなツールセットとなっている
- マップエディタのタイルには水や、裂け目、ジャンプパッド、フェンス、アーチ、植物などが見られ、迷宮や森林など様々なマップが構築可能だった
- プレイヤーが自分自身のゲームモードを作成するための奥深いスクリプト言語とシステムが用意されており、UCCコミュニティではこれを用いて完全なテトリスを作成した例もある
- 作成したマップはブラウザ風のManiaPlanetインターフェース上で共有可能で、Twitterスタイルのメッセージシステム、カレンダー、インゲームのBlog作成まで用意
- ManiaPlanetにはスキンやトラック、マップ、ゲームモードなど各種UCCの購入やサーバレンタルに必要なインゲーム通貨が用意されている
- 全プレイヤーが毎月ManiaPlanetから給与として一定のインゲーム通貨を受け取る
- プレイヤーは自身が作成したコンテンツをManiaPlanetで売り、インゲーム通貨を獲得可能
- ManiaPlanetではインゲーム通貨が得られる抽選やスクラッチカードも用意されている
- Nadeoは懸念される著作権侵害(※ 人気娯楽作品を模したスキンなど)についてはManiaPlanetがOSやYoutube的なプラットフォームだと考えているとの見解を示している
- TrackmaniaとShootmaniaの間にクロスオーバーは現在のところ予定されていない
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