Frogwaresが“シャーロック・ホームズ”シリーズの続編開発を始動、“天国の百”に絡むウクライナのゲーム開発ビジネスに関する情報も

2014年11月20日 19:39 by katakori
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「ウクライナ」

今年9月30日にローンチを果たし、人気ドラマ“シャーロック”にインスパイアされた新要素と演出の刷新によって見事なリブートを果たしたFrogwaresの“シャーロック・ホームズ”シリーズ最新作「Crimes and Punishments」ですが、新たにAFP(フランス通信社)が不安定な情勢が長引くウクライナでビデオゲーム開発を続けるFrogwaresの取材記事を公開し、Frogwaresが早くも“シャーロック・ホームズ”シリーズ続編の開発を開始したことが明らかになりました。

また、本作のニューゲーム開始時にスタジオロゴとオープニングよりも先に表示される“In memory of the Ukrainian Heavenly Hundred.”(日本語版は“「ウクライナの天国の百」を記念して。”)のメッセージを掲載したことに伴うロシアでの発売禁止に対するFrogwaresの見解や、先だって“Metro”シリーズで知られる4A Gamesが本社機能をマルタ共和国に移転(参考:過去記事)したことでも注目を集めたウクライナのゲーム開発事情に関する興味深い状況が明らかになっています。

■ Frogwaresのビデオゲーム開発とウクライナの情勢について

  • 現在、Frogwaresにて80名の開発者が“Crimes and Punishments”の続編に取り組んでいる。
  • 本作の冒頭に表示されるメッセージ“In memory of the Ukrainian Heavenly Hundred.”と、“「ウクライナの天国の百」を記念して。”は、Maidanとして知られるキエフの独立広場で昨年末から今年2月に掛けて発生した反体制派の市民と警察勢力の衝突(Euromaidan運動として知られる)で犠牲となり死亡した100名近い市民に対して捧げられたもの。犠牲となった市民は英雄視されており、犠牲者として国家認定された112名に対して“Order of the Heavenly Hundred Heroes”と呼ばれる国家勲章が2014年7月1日に制定され授与された。
  • FrogwaresのCEO Wael Amr氏によると、Euromaidan運動が始まった頃に多くの開発者がこれに関係した経緯があり、運動に命を捧げた市民に対し感謝を表すために冒頭のメッセージを掲載したとのこと。
  • ただし、ロシア地域のパブリッシャーを担当する予定だった1C-SoftClubはこれを良しとせず、メッセージを削除しない限りロシア地域向けの販売を行わないと警告したものの、Frogwaresがこれを断固拒否したことから、現在もロシアでは“Crimes and Punishments”のリテール版が販売されていない。(※ SteamのPCダウンロード版のみ購入可能)
  • なお、“Crimes and Punishments”の出荷本数は約35万本で、うち10万本がロシア向けだったとのこと。
  • Wael Amr氏によると、現在も長引くウクライナの情勢は今のところFrogwaresの開発にほとんど直接的な影響を与えていないとのこと。ただし、氏は“明日何が起こるか判らない”プレッシャーが今も続いていると説明している。

■ 現在のウクライナにおけるビデオゲーム開発について

  • ウクライナのビデオゲーム開発文化と才能溢れる優秀な開発者層は、多国に比べて安価な労働力に加え、数学とエンジニアリングの教育に力を注いだ旧ソビエト時代の遺産として発展した経緯があり、“S.T.A.L.K.E.R.”や“Metro”シリーズといったヒット作で知られる。
  • ウクライナで20年近くビデオゲーム開発を手掛けるSergiy Galyonkin氏は、ビデオゲーム産業に従事する開発者の多くが退去する計画を持っていると説明。多くの開発者が所持品の荷造りを済ませウクライナを去る準備を整えているものの、まだ“今”国を去るタイミングではないと考えているとのこと。
  • ウクライナのビデオゲーム開発産業は、数十億ドル規模のIT地区において最も大きな割合を占めるビジネスで、最大規模のスタジオ“Ciklum”はウクライナの6つの都市にスタジオを持ち、約2,500人にも及ぶスタッフを抱えている。なお、“Ciklum”は今年4月に内戦の拡大に伴いドニエツクのスタジオを退去しており、かつては7つのスタジオを擁していたことが知られている。
  • なお、“Ciklum”のCEO Torben Majgaard氏は、今後数年間のうちにウクライナのIT地区が著しい成長を果たすと述べ、IT産業がウクライナの新しい10年に変革をもたらす支援の一部になると強調している。
参考:“天国の百”を弔う大規模なデモの様子
情報元及びイメージ:AFP, EUROMAIDAN PRESS

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