先日、Game Informerのポッドキャストに出演し、未発表の“Half-Life 2”エピソード開発を手がけていたことを明らかにしたお馴染みウォーレン・スペクター氏が、昨晩初めてRedditでAMAセッションを実施し、先日アナウンスされた“Deus Ex: Mankind Divided”に対する印象や“Half-Life 2”の未発表エピソード用に開発していたマグネットガンに関するディテール、さらにはJunction Pointの閉鎖とEpic Mickeyを巡る噂に対する見解など、多くのファンが気になっていたあれこれについて非常に興味深い経緯やディテールを明らかにしました。
“Deus Ex”や“Thief”、“Ultima Underworld”、“System Shock”の父として知られるウォーレン・スペクター氏は、古くはSteve Jackson GamesやTSRでTRPG開発を手がけた後、ブリティッシュ卿率いるOrigin Systemsでビデオゲーム開発のキャリアをスタートした業界歴31年の大ベテランで、Ken Levine氏やDoug Church氏、Harvey Smith氏など、多数の天才を輩出した名門Looking Glassの要職を担い、ロメロが大暴れするなかIon StormでDeus ExやThiefを生んだカリスマ的なデザイナーで、2005年のJunction Point設立後は傑作“Epic Mickey”シリーズを手がけたことで知られていました。
なお、氏は現在リチャード・ギャリオット氏やGreg Zeschuk氏、Paul Sams氏、Richard Hilleman氏といったビデオゲーム産業の第一人者が講師として集うテキサス大学オースティン校のDenius-Samsゲーミングアカデミーを率いるディレクターとして後任の育成に当たっています。
■ “Deus Ex: Mankind Divided”について
- シリーズ最新作“Deus Ex: Mankind Divided”のトレーラーを見たウォーレン・スペクター氏は、映像が見事にバイオレンスな内容で若干戸惑ったと説明。“Deus Ex”ゲームは殺すことに関係する作品ではなかったとの見解を述べた上で、(予てから言及している通り)“Deus Ex: Human Revolution”は氏がシリーズに望む選択や結果のメカニクスを実現していたと説明。プロモーションの手法としてアクションを詰め込んだ映像が必要とされるであろう事情を汲み、実際にゲームをプレイすればプレイスタイルの問題は僅かなものだろうと延べ、発売後必ず“Mankind Divided”をプレイすると強調している。
- 氏は“Deus Ex: Human Revolution”をエンディングまでプレイ済みで、全くもって見事な“Deus Ex”経験だったと感想を述べ、本当にクールだったと説明。Eidos Montrealの開発者達は(前述した件と同様の意味で)氏が行わないであるデザイン的な決定を下したが、全体的な経験としては本当に喜ばしいものだったと高く評価している。
- “Deus Ex”における後悔を1つ報告した氏は、かつて2000年頃に氏の下で“Deus Ex”の映画化が進んでいたことを明かし、これが実現に至らなかったことを語っている。
■ “Half-Life 2”の未発表エピソードについて
- Junction Pointを設立したばかりの時期に“Half-Life 2”の未発表エピソード開発を手がけていた話題に触れた氏は、当時スタジオ運営の基盤が固まっていない時期にValveが白馬に乗った騎士のように颯爽と現れ、“Half-Life”シリーズに関する研究と開発を依頼したと説明。この研究は、“Half-Life”ユニバースにおいて深く掘り下げられていなかった一部を舞台とするエピソードで、先日ご紹介した通り、新要素として“Magnet Gun”と呼ばれる武器を追加したことを明らかにしている。
- 氏によると、新要素である“Magnet Gun”と“Gravity Gun”は全く異なる動作で互いに捕捉し合う関係にあったとのこと。
■ “Epic Mickey”シリーズとJunction Point Studiosについて
- “Epic Mickey”シリーズは、正式アナウンス前にディズニー作品とは思えないダークなアートワークが流出し、非常に大きな注目を集めたものの、正式アナウンス時にはいわゆるディズニー的な明るい作風だったことが、一部でディズニーとウォーレン・スペクター氏、Junction Point Studiosの軋轢を示し、厳しいIP管理に基づく変更が強いられた状況があったのではないかとの噂が囁かれる状況にあった。(※ 初代の正式アナウンスから2の開発に掛けて、氏のまるで別人のような変化を知るファンにとっては、そんな噂が只の憶測であることは明白だったながらも)この噂に言及した氏は、ディズニーと自身の間にいかなる秘密保持契約も存在しないことを明かし、ディズニーは氏とチームが作りたかったゲームを生み出すために信じられない規模の自由を与えてくれたと説明。噂が全く根拠のない憶測だったことを強調している。
- なお、“Epic Mickey”の開発に禁則がほとんど存在しなかったことを明かした氏は、唯一ディズニーが禁止した表現は“ミッキーマウスの歯を見せてはいけない”ことだったと説明し、未だ奇妙に思うことの1つだと語っている。
- “Junction Point Studios”の閉鎖について言及した氏は、(巨大なレイオフが行われた当時)ディズニーがこれまでとは違う方向(※ 恐らくAAAのコアゲームを廃しカジュアルやソーシャルへのシフト)をめざしていたと説明。これは率直にいって正しい決定だったろうと語った氏は、スタジオの閉鎖に後悔はないと明言。ディズニーのために働く素晴らしい時間を過ごしただけでなく、“Epic Mickey”チームを今も誇りに感じていると強調している。
- 2009年に流出し、大きな話題となった“Epic Mickey”のダークなアートワークについて言及した氏は、元々これを公にする予定はなかったと説明。一連のイメージはディズニーが受容するクリエイティブのラインを計るために用意したものだったことを明らかにしている。
- なお、氏が思い描いていた最新作“Epic Mickey 3”は、さらにミュージカル要素を強化し、2よりもマルチプレイヤー要素に重点を置いた作品だったとのこと。
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