今年5月中旬に13年に及ぶスタジオ史上2番目の開発規模で作り上げた意欲作“Sunset”のローンチを果たしたお馴染み「Tale of Tales」ですが、比較的良好な評価を獲得した“Sunset”の販売が予想以上に芳しくなかったことや、プロモーション的な失敗が重なったことが要因となり、今後商用作品を含むビデオゲーム開発ビジネスから撤退することが明らかになりました。
報告を行ったMichael Samyn氏とAuriea Harvey女史は、“Sunset”の開発を楽しみベストを尽くしたと前置きした上で、“Sunset”の販売本数がKickstarterの後援者分を含め4,000本を少し越える程度に留まっていると報告。今後スタジオを維持する全体的な収益は十分にあるものの、“Sunset”開発については多くの負債を生む状況にあること語り、広告の出稿を含むプロモーション的な活動が全く効果を生まなかったことを明らかにしています。
これらの状況を踏まえ、“Sunset”に最善を尽くして失敗した以上、もはや同じことを繰り返す必要はなく、今後は誰からの(ビジネス・プロモーション的な)アドバイスにも従う必要がないと語った2人は、クリエイティビティが今も強く燃えさかっているものの、今後ビデオゲームを含め商用の作品を手掛けることはないだろうと説明しています。
墓地を1人歩く老婆を描いた“The Graveyard”を手掛けたスタジオとして広く知られる“Tale of Tales”は、前述したMichael Samyn氏とAuriea Harvey女史が中心となって活動するベルギーのインディースタジオで、メメント・モリをテーマに描いたインタラクティブ作品“Vanitas”、佐藤隆善氏がキャラクターデザインを手掛け、オスカー・ワイルドの戯曲サロメをゲーム化した“Fatale”、マルグリット・デュラスの傑作“モデラートカンタービレ”を独自の解釈でゲーム化した“Bientot l’ete”、スタジオ名の由来でもあるイタリアの詩人ジャンバティスタ・バジーレの童話“太陽と月のターリア”をゲーム化した“8”など、ビデオゲームを1つのアートフォームとするアバンギャルドな作品の数々で高い評価を獲得していました。
昨今のモダンなビデオゲーム作品とはそもそも意を異にする“Tale of Tales”の作品が商用的な成功を収めることが難しいことは百も承知ながら、今回の決定は一部のファンにとって非常に残念な報告であると言え、今後2人がどんな活動にシフトするのか、スタジオの動向に改めて注目が集まるところです。
余談ながら、“Tale of Tales”の代表的な作品はまもなく終了するSteamのサマーセールにて50%から75%オフで購入できるほか(参考:Steam)、今後も販売自体は継続される様子なので気になる方は1度チェックしておいてはいかがでしょうか。
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