先日、待望の正式アナウンスを果たし、1968年のニューオーリンズを舞台に複雑な背景を持つキャラクターや世界情勢に基づく新しい時代のマフィアを描くことが判明した2Kの人気シリーズ最新作「Mafia III」ですが、海外ではアナウンスに先駆けて行われたメディア向けのハンズオフイベント情報が解禁されており、前作の主人公Vito Scalettaを含む主要キャラクターの情報や、60年代後半の南部特有の社会的背景など、ある種のロマンチシズムと共に伝統的なコーサ・ノストラやマフィア社会を描いた過去のシリーズから大きな変化を迎える最新作の興味深い情報が多数明らかになっています。
“Mafia III”の舞台となるニューオーリンズと1968年の世界情勢
- “Mafia III”はPS4とXbox One、PC向けのオープンワールドアクションタイトルで、発売は2016年予定。開発は2Kの新スタジオ“Hangar 13”が担当しており、かつてLucasArtsで多くのスター・ウォーズ作品を手掛けたベテランHaden Blackman氏が開発を率いている。
- 舞台となる1968年のニューオーリンズについて:“Mafia III”の舞台は、アメリカの南部ルイジアナ州最大の都市であるニューオーリンズ。これまでのシリーズはアメリカの大都市をモデルにした架空の都市を舞台(※ 初代Mafiaは“Lost Heaven”、Mafia IIは“Empire Bay”)としていたが、最新作はより現実に近い歴史や文化、世界情勢を反映しており、実際に存在する著名なアーティスト達の楽曲や当時の話題がゲーム内に確認できる。
- 60年代後半のニューオーリンズは、南部特有の人種差別に対する偏狭な考え方と不平等に満ちており、これが組織犯罪を増幅させる温床となっている。余談ながら、こういった社会背景に基づく政府機関の汚職や組織犯罪の激化は、その後1970年に制定されるアメリカの組織犯罪対策法であるRICO法の成立に大きな影響を与えている。また、1968年のアメリカはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの暗殺により人種的な緊張がピークに達しているだけでなく、国民の多くがベトナム戦争の終結を望み反戦感情が高まる非常に複雑な状況を迎えている。
- ゲーム内のカーラジオにて、1968年にアメリカ独立党の候補として大統領選に出馬したジョージ・ウォレスの人種隔離政策について論じるニュースの放送が確認された。
- このほか、カーラジオやニューオーリンズの店内にこの時代を象徴する人気アーティストやバンドの楽曲が多数確認されている。激しいカーチェイス中にラジオから流れるローリング・ストーンズの“黒くぬれ!”(Paint It Black)、ボブ・ディランの“見張塔からずっと”(All Along the Watchtower、68年ならばジミ・ヘンドリックスによるカバー版の可能性も)、キンクス(The Kinks)の“オール・オブ・ザ・ナイト”(All Day and All of the Night)、店内で流れたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの“フォーチュネイト・サン”(Fortunate Son)など。また、ジャズクラブでは男性がジム・モリソンの物まねをしている様子が見られた。
- 開発を率いるHaden Blackman氏は、こういった政治や人種、差別の問題を描くことに尻込みするつもりはないとアピールしている。
主人公“Lincoln Clay”(リンカーン・クレイ)の人物像
- “Mafia III”の主人公は、黒人と白人の混血で、孤児として南部の激しい人種差別の中で黒人と白人どちらの社会にも受け入れられないまま育ったLincoln Clay(リンカーン・クレイ)。幼い頃から家族の繋がりを求めていた彼は、ベトナム戦争に参加し、地獄のような戦場で自身の“ファミリー”を持つべきだと決意する。リンカーンはベトナムからニューオーリンズへと帰還した後、地元の黒人勢力に父親代わりや兄弟のような仲間を持つ“家族”を遂に見つけるが、兵士としての能力を評価しリンカーンを雇ったイタリアンマフィアのボスSal Marcanoの裏切りにあい、ようやく手にした“家族”を皆殺しにされてしまう。
- アンチヒーロー的なキャラクターであるリンカーンは、イタリア人勢力から逃げることではなく、反撃にでることを決意。Sal Marcanoに対する報復にとりつかれたように、自らの暴力性を解放し、復讐を果たすために僅かな仲間を率い、都市の新たな犯罪組織となる自分自身の“ファミリー”を形成しはじめる。
- リンカーンは、こういった出自と複雑な社会情勢から、戦争と人種差別、両方の争いと厳しい現実に直面している人物であり、だからこそ自らの命を賭して“ファミリー”と呼べる場所を強く求めている。
リンカーン・クレイに協力する3人の主要キャラクター、前作の主人公“Vito”も登場
- ニューオーリンズには、支配と権力を求めて争う多数の勢力が存在する。
- リンカーンが支配下においた地域や店、施設を運用する代理人として、地元勢力を率いる3人のリーダーが登場する。この3人の何れかから十分な支持を得れば、固有の特別なアビリティが解禁され利用可能となる。その一方で、彼らが自身の取り分を不足だと感じる場合には、口論や裏切りに繋がる。彼らは公衆電話を通じて直接呼び出すことができるほか、一部の能力も公衆電話を通じて利用可能となる。
- Burke:アイルランド人勢力を率いるリーダー、従来のマフィア像に近い人物。
- Cassandra:ハイチ人のギャングを率いる黒人女性、イタリア人勢力との間に問題を抱えている。
- Vito Scaletta:前作“Mafia II”の主人公、イタリア人勢力を率いる。前作のエンディング後に何らかの理由で収監され、刑期を終えてニューオーリンズで落ちぶれた生活を営んでいる。港に近いダウンタウンの魚料理を出すレストランの2階にオフィスを構え、再帰に向けて小さなテリトリーと権力を手にしたいと求めている。
- ゲームプレイフッテージやハンズオフデモに登場した“Cistern”と呼ばれるジャズクラブは、今回のデモの最終目標である敵の隠れ家の1つで、ドラッグの売買が行われる巣窟でもあり、リンカーンがクラブのボスを処刑しエリアを支配下に置いた場合、この店の運営を前述した3人の誰かに任せることができる。この選択は即時、もしくは長期的な利益や結果をもたらし、CisternをCassandraに与えた場合、車中から発砲し敵を攻撃する増援を呼ぶ能力が得られたとのこと。このリワードは物件とこれを任せる代理によって固有の要素であり、リワードの内容から代理を決定することになるが、こういった選択は後々にキャラクター間の軋轢、もしくは不安定な同盟関係を生む要因の1つとなる。
- また、Vitoから得られるリワードとして、電話1つで警察内部の汚職警官に賄賂をわたし、警察の追跡と手配を消す能力が確認された。また、白人の市民が豊かな生活ぶりを思わせる会話を交わす一方で、まるで普通の出来事のように人種差別的な発言を交わす様子が見られたとのこと。
その他の新情報
- 映像に登場したゲームプレイフッテージは、プレビューイベントにて提示されたハンズオフデモの一部を収録したもので、敵の隠れ家を追って街を探索するリンカーンが夜間にドラッグの売買が行われる墓地でディーラーから拠点であるジャズクラブの情報を入手。その後クラブに侵入し、逃げるボスを追い殺害し、その後追っ手と戦うカーチェイスを経て、ジャズクラブを自らの支配下に置くという内容だったことが報じられている。
- ジャズクラブ潜入以降、激しい銃撃戦が発生し、カバーが重要な要素であることが判明している。
- 激しい銃撃戦も可能だが、“Sleeping Dogs”に似たダイナミックなテイクダウンや近接攻撃、処刑の方法を自ら選択できるステルスキルも確認されている。
- カーチェイスシーケンスでは、物理ベースのドライビングシステムや、60~70年代特有のマッシブなデザインが印象的なマッスルカー、敵のタイヤを容易に狙えるセミオートターゲッティングな戦闘システムといった要素が確認されており、後方で大破する敵の車両がまるでキルカムのように描かれるバックミラーのUIが確認できる。
- 前作“Mafia II”のキャラクターが数人再登場を果たすとのこと。
- デモの冒頭、リンカーンが敵のアジトを探すために街を探索するシーンにて、人種差別的な白人の警官が交差点をパトカーで封鎖し、黒人であるというだけで若い男性を呼び止め尋問する様子が見られた。プレイヤーはこういった状況に介入することが可能で、警官の行動を遮った場合、他の警官達がエリアを取り囲みミッションの遂行がより困難となる。
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