先日、細かなMOLLEベースのインベントリやRPG的なステータス、武器の膨大なカスタマイズ要素が窺えるスニークピーク映像が公開された新作「Escape from Tarkov」ですが、本作は耳慣れないロシアのスタジオBattlestate Gamesが開発を進めており、驚く程野心的な作品のディテールが注目を集める一方で、具体的な情報は余り報じられておらず、その出自やゲームの全体像が未だ不明瞭な状況が続いています。
FPSとTPS、RPGを組み合わせたMMOとされる“Escape from Tarkov”は、恐らく2012年頃に開発が進められていたサバイバルFPS/RPG作品“Russia 2028”を前身とする作品と思われますが、新たに公式Facebookが数多くの疑問に答えるFAQを掲載していたことが判明し、エンジンや販売形態、ゲームモードの概要とバリエーション、クラフトシステム等に関する仕様についてかなり具体的なディテールが明らかになりました。
今回はFAQから判明した情報と共に、過去の映像や公開済みのスクリーンショットをまとめてご紹介します。
- 作品の概要と開発スタジオ:“Escape from Tarkov”は、FPSとTPSにRPG要素を組み合わせたハードコアなストーリードリブンMMOで、ロシアのサンクトペテルブルクを拠点とするデベロッパ“Battlestate Games”が開発を進めている。
- 販売形態について:“Escape from Tarkov”は、F2PではなくB2P(Buy to Play)作品となる。マイクロトランザクションは採用しない予定だが、ローンチ後に有料DLCの展開を予定している。また、Steamでの販売も計画されており、Battlestateによる評価を必要とするWorkshop MODにも対応したいとのこと。
- ゲームプレイの概要について:本作のゲームプレイは従来のセッションベースな作品とはやや異なり、プレイ可能なゲームモードが幾つか用意されている。また、プレイヤーのライフは1つで、死亡した場合は所持品や探索時に入手したアイテムを全て失う。
- 1つ目は本作において最も本質的な“ストーリーモード”で、ゲームのリリース時に利用可能となる。
- “ストーリーモード”は複数のシナリオによって構成され、各シナリオのセッション(約1時間から1時間半程度)は、5から10平方km規模のオープンフィールドを舞台に展開される。連続する襲撃シナリオをクリアすることで、次のシナリオがアンロックされプレイ可能となるが、プレイヤーはさらなるアイテムの入手や探索、サイドクエストのためにクリア済みのシナリオを再度プレイすることができる。
- 10種前後を想定しているシナリオを全て完了した場合、新たに“フリーロームモード”が解禁され、15平方kmのオープンエリアを時間制限無く自由に探索可能となる。
- さらに、PvPを扱う“アリーナモード”が搭載される予定。
- ストーリーについて:“Escape from Tarkov”はオンラインプレイを基礎に置く一方で、ストーリーによって駆動するゲームであり、ゲーム内で発生する出来事は全て本編のストーリーイベントや多数のサイドクエストによって決定される。サイドクエストはトレーダー(商人)から与えられるが、一部のトレーダーは全くヒントがない状態でプレイヤーの発見と解明によってのみ利用可能となる。
- ゲーム世界の設定について:“Escape from Tarkov”は2028年のロシアに存在する架空の都市“Tarkov”を舞台としている。“Tarkov”は、多国籍企業“Terra Group”の非合法活動が引き金となり、2つの民間軍事会社が争いを繰り広げる状況となっている。(※ 世界設定のディテールについては過去記事を参照のこと)
- “Escape from Tarkov”は、ソロでもストーリーモードをクリア可能だが、Battlestateは信頼できるパートナーとのプレイを推奨しており、オフラインのシングルプレイヤーキャンペーンを開発する意図がないことを強調している。
- 作品のRPG要素について:“Escape from Tarkov”のRPG要素は、主にクラシックなスロットベースのインベントリシステムとレベリング、キャラクタースキルのアップグレードに代表される。レベルは戦闘やLoot、回復、探索、解錠といったプレイから得られる経験によって上昇する。また、スキルのアップグレードシステムは、スキルの使用に応じて該当スキルの効果が上昇する“The Elder Scrolls”シリーズに似たシステムを採用している。
- スキルのアップグレードはプレイヤーに新しい戦術的な可能性を提示し、統計値が最大値に達した場合、エリートスキルへのアクセスが可能となる。
- クランシステムについて:“Escape from Tarkov”は、プレイヤーが設立可能なクランシステムを特色とし、その活動に制限はなく、他のプレイヤーを狩るための戦いを目的とするクランや商人として活動するトレーダーギルドといった例が挙げられている。
- ゲーム内経済について:“Escape from Tarkov”はオープンで広範囲かつ動的なインゲーム経済を特色とする。プレイヤーは他のプレイヤーやNPCの両方と取引可能で、プレイヤーがコントロール出来ない可変要因が経済システムに組み込まれている。その例として挙げられた変動為替相場や品不足、トレーダーの健康状態といった要素は、AIによってコントロールされるとのこと。
- 現実的なサバイバル要素について:Battlestateは、“Escape from Tarkov”を全ての面(健康状態や戦闘、インベントリ、キャラクター管理、キャラクターの相互関係、グラフィック、サウンド等)において可能な限り現実的な作品に仕上げたいと考えている。
- プレイヤーは怪我や伝染病、脱水症、飢餓といった要素で危険な状態に陥るほか、低体温症や脳しんとう、混乱といった症状も存在し、プレイヤーは適切なタイミングで適切な薬剤を使用する必要がある。
- また、武器には高度な物理演算を用意しており、リコイルやジャミング、不発といった要素だけでなく、障害物で軌道を変え、跳弾も生じる弾丸のリアルな弾道モデルを導入するとのこと。さらに、カスタマイズ可能な箇所として、マガジンの変更やフラッシュライト/レーザーポインタの設置、タクティカルグリップ、多彩なスコープといった要素に加え、一部の銃器においてはトリガーやチャージングハンドルも交換可能とのこと。
- 装備のバリエーションについて:Battlestateによると、かつて登場したAKシリーズのラインアップは全て実装されるとのこと。また、武器カスタマイズだけでなく、プレイヤー自身が調整・構築可能なMOLLE(モール:タクティカルベストやバックパック等に取り付けるアクセサリポーチやプラットフォーム等)システムが導入される。
- クラフトシステムについて:本作には武器クラフトシステムが導入されるが、これは従来のゲームにおいて木の板とダクトテープ、ネジからマシンガンを作り上げるようなものではなく、部品ベースのアセンブリを特色としている。例えば、プレイヤーが適切なマガジンや機関部、ダストカバー、ボルト、バレル等のパーツを全て発見し入手できれは、実際にゲーム内でAK-74Mを組み上げることが出来る。また、クラフト可能なアイテムは武器に制限されないとのこと。
- ベータテストについて:本編の予約購入者にはベータアクセスが保証される。その他のベータテスト参加者はニュースレターの加入者から選出されるとのこと。(参考:ニュースレター登録ページ)また、2016年Q1にクローズドベータを実施する予定で、Q2には本作のリリースを予定している。
- 動作要件について:動作要件は未決定ながら、できる限り低いものにしたいとのこと。また、現段階でハイエンドPC(詳細不明)を用いたパフォーマンスは平均120fpsオーバーを記録している。ゲームパッドも既に動作検証を行い、未決定ながらサポートされる可能性が残されている。
- ゲームエンジンについて:ゲームはUnity 5を採用しているが、多くの機能がBattlestateによって1から構築されたもの。また、Mac版のリリースも計画しているが、今のところPCと共通のサーバでプレイできるか不明瞭とのこと。
- “S.T.A.L.K.E.R.”シリーズとの関係について:一部海外で“Escape from Tarkov”が“S.T.A.L.K.E.R.”シリーズの開発者による新作と報じられたが、これは正確とは言えない。“S.T.A.L.K.E.R.”シリーズに参加した開発者が1人だけBattlestateに在籍しているが、これを“S.T.A.L.K.E.R.”シリーズの~と主張するのは酷い誇張になってしまうとはっきり明言されている。
- コンソール対応について:可能性は検討しているが、まだ言及には早く具体的な情報は提示出来ない。
- リテール版の発売について:未決定ながら、限定版を含む“Escape from Tarkov”のリテール版販売の計画が進められている。
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