近年、CD Projekt Redの“The Witcher”シリーズを筆頭に、先日グローバルなパブリッシング事業を開始することが報じられたTechlandの“Dying Light”など、数多くの注目作を生み出し、既に440億円規模のビデオゲーム市場を抱えるまでに成長(ロシアに次いで東欧で2位)しているポーランドですが、新たにCD Projekt Redとポーランド政府が提携し、なんと新作の開発ではなく、ビデオゲーム向けの研究開発を専門に支援する1,800万ユーロ(約2,000万ドル/21億4,000万円)規模の投資ファンドプログラムを開始したことが明らかになりました。
これは、CD Projekt Redとポーランド政府が4月後半に助成プログラムの試験的な運用を開始したもので、新たにCD Projekt RedのスタジオR&Dマネジャーに就任した元アートプロデューサーStan Just氏は、今回の取り組みが研究開発分野の育成を通じて、ポーランドのゲーミングセクター全体の(世界市場に対する)競争力を増加させることが目標であることを明らかにしています。
■ 投資ファンドの利用に必要な要件
- 50万ズウォティ(約1,400万円)から200万ズウォティ(約5,500万円)の予算を持つこと。
- 3年以内のプロジェクトスケジュール。
- 産業の調査と実験開発、或いは実験開発“のみ”からなるプロジェクトであること。
- 請負の契約者が占めるコストを60%未満とすること。
- ポーランド内で計画を完了すること。
Stan Just氏によると、今回の新たな取り組みは、ポーランドの有力スタジオであるCD ProjektやTechland、CI Games、11 bit studiosが共に結んだ2014年の助成イニシアチブ“Polish Games Treaty”(ポーランドゲーム協定)に端を発するもので、これが広範囲な財政支援によって産業の急激な成長を促したアメリカとカナダのビデオゲーム開発市場に追いつくことを念頭に置いたものだったとのこと。
また、Stan Just氏はポーランドにおける現状のビデオゲーム開発産業が未だGDPの大部分を占める物ではないと語り、2015年のポーランドにおけるビデオゲーム産業の規模がGDP全体の0.5%程度に相当するとの概算を提示する一方で、開発スタジオ全体の収益の実に95%が国外からもたらされるとして、ポーランドのビデオゲーム産業が急成長の大きな可能性を持つ現代の革新的なマーケットだと強調しています。
“鉄のカーテン”の向こうにあった1990年まで、ビデオゲーム産業そのものが存在しなかったポーランドですが、昨今ではCD Projekt Redの“The Witcher”シリーズをはじめ、“Dying Light”や“Dead Island”を含むTechlandの多彩な作品群、11 bit studiosの“This War of Mine”シリーズ、Warhorse Studiosの中世オープンワールドRPG“Kingdom Come: Deliverance”、Reikon Gamesのハードコアなサイバーパンクアクション“RUINER”、革新的なメカニクスが話題となった“SUPERHOT”、架空の第三次世界大戦を描くThe Farm 51の“World War 3”、Flying Wild Hogの新生“Shadow Warrior”や“Hard Reset”シリーズ、“Datura”を生んだデモグループPlasticの“Bound”、The Astronautsの“The Vanishing of Ethan Carter”、CI Gamesの“Sniper: Ghost Warrior 3”、再独立を果たしたPeople Can Flyの新作など、数多くの注目作がポーランドから登場する状況となっていました。
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