現在、新生“Unreal Tournament”や“Paragon”の開発を進めているEpicですが、新たにスタジオのCEOを務めるUnreal Engineの父Tim Sweeney氏がglixelのインタビューに応じ、VRやARの未来、メタバースの誕生、コンピュータ技術の進化と歴史、ゲーミング経験やビジネスモデルの変遷など、興味深いトピックに言及するなか、コンソール向けのAAAタイトル開発と市場の変化に触れ、「Gears of War: Judgment」の開発費がおよそ6,000万ドルだったと明かし話題となっています。
PCゲームからコンソールゲームへ、そして再びPCゲームにシフトしたEpicの変遷に触れたTim Sweeney氏は、Steamの台頭以前にBitTorrentやNapsterの登場に伴い、PCゲームの収益が急落しはじめたと説明。こういった背景から2006年から2012年にかけてXbox 360向けのビジネスにフォーカスし、“Gears of War”シリーズが大きな成功を収め、一部のタイトルが600万本を超える販売を達成したと振り返っています。
コンソール市場に“予算の急増”というさらなる変化が生じたと語ったTim Sweeney氏は、初代“Gears of War”を1,200万ドルで開発し1億ドルの利益をもたらした一方で、“Gears of War: Judgment”の開発費がおよそ6,000万ドルに達したものの、利益は同じ1億ドル程度だったと説明。新しいコンソール世代へと移行する場合、開発コストがさらに倍増するリスクを抱えながらも、ユーザーベースが2倍に膨れあがることはないと、コンソールビジネスから退いた背景を示唆しています。
余談ながら、1,200万ドルだった初代の開発費に対して、続編“Gears of War 2”の開発費は4,800万ドルとなり、“Gears of War 3”に至っては6,000万ドルに到達。その後水面下で開発が進められていたEpic版“Gears of War 4”については、開発費が1億ドルを超過すると予想され、たとえ大きな成功を収めても利益が得られず、それ以下であればスタジオを閉鎖の危機に追い込む可能性があったとして、PC向けのF2Pやデジタルディストリビューションへとシフトさせた経緯が過去に報じられていました。
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