「Far Cry 6」は現代の革命に関する政治的な物語を描く、Ubisoftが一部海外報道について声明を発表

2021年6月1日 13:37 by katakori
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「Far Cry 6」

先日、初の本格的なゲームプレイ映像がお披露目され、バックパック型の新兵器や手作りの武器、愛くるしい“チョリソー”、圧倒的なビジュアルなど、実に楽しそうなディテールが判明した人気シリーズ最新作「Far Cry 6」ですが、新たにUbisoftが公式サイトを更新し、本作の政治的なアプローチに関する声明を発表。最新作が明確に政治的な物語を描く作品であることを強調しました。

これは、ナラティブディレクターNavid Khavari氏のインタビューを掲載した“TheGamer”の見出し「Ubisoftは“Far Cry 6”を通じてキューバに関する政治的主張を掲げたいわけではない」が一人歩きし、Navid Khavari氏が本来意図していた内容とは異なるニュアンス、つまり“Far Cry 6”は政治的な作品ではないと受け取れるような印象で一部海外メディアに伝わってしまった状況を鑑みたもの。(※ 有り体に言えば、“TheGamer”の見出しは単純な正誤で言えば間違いではないものの、文脈が足りていない。コンセプトとして野心的に「○○を目指す」が、その行為は「△△を示す訳ではない」という内容において、“△△ではない”という箇所だけを引用し見出しに用いるのは端的に雑というほかない)

公式サイトに声明を掲載したNavid Khavari氏は、まず“Far Cry 6”の物語が政治的であることを明言。現代の革命を描く物語は、当然政治的でなければならないと前置きした上で、Navid Khavari氏は“Far Cry 6”がカリブ海に浮かぶ架空の島“ヤーラ”を舞台に、ファシズムの台頭や帝国主義の対価、強制労度、自由で公正な選挙の重要性、LGBTQ+の権利について、意義のある確固とした議論を展開すると強調しています。

また、Navid Khavari氏はこのコンセプトを実現するための力を開発チームに与えるべく、過去5年に渡ってキューバをはじめとする政治革命を経験した国の歴史や文化に精通しているクリエイターや協力者をチームに加えただけでなく、専門家やコンサルタントを招いて、何度もゲームのストーリーを検証し、緻密な表現を実現しているかどうかを確認したと説明。成功の是非を自ら決めることはできないが、真の挑戦を行ったことは自信を持って言えると伝えています。

こういった取り組みを進めてきた上で、現在のキューバに関する政治的情勢に限定した、単純化された2元的な政治的声明のようなものは本作に存在しないと明言したNavid Khavari氏は、自分自身が現実の革命によって引き起こされた出来事に耐えてきた家系の出身だと明かし、人生を通じて議論を重ねてきた“革命”は文字通り複雑な題材であり、一つの言葉に集約されるようなものではないと説明。

“Far Cry 6”においてプレイヤーが目の当たりにするのは、現代的な革命の政治的な複雑さをフィクションとして表現しようとする視点の物語であり、困難な問いを提示することを恐れないストーリーを目指したと語るNavid Khavari氏は、“Far Cry”が成熟したテーマと軽やかさ、ユーモアのバランスを追求しているブランドであり、どちらか一方が欠けても成立せず、このバランスを慎重に実現すべく注力したと述べ、政治的な要素の反映について難しい意見を持つ前に、まずは物語に身を任せてほしいと伝えています。

Navid Khavari氏の発言通り、開発チームの取り組みがどう作品に帰結するのか、その結果は製品版の発売を待つほかありません。筆者は、氏の見解や取り組みそのものについて全面的に同意しますが、これが上手く作品に落とし込まれるかどうかは全く別の問題であり、特に同様のアプローチや態度の表明が議論となった前作“Far Cry 5”においては、非常に刺激的な個々のモチーフが作品のテーマやゲームプレイ、ストーリー、人物描写と有機的に絡み合うことなく剥離し、個々の要素が互いの魅力を打ち消し合うような結果に終わってしまったと感じています。

実に3年ぶりの復活となるシリーズ最新作が、前作と同じ轍を踏むことなく、Navid Khavari氏が掲げた入念かつ野心的な挑戦を作品に融合させることができるか、2021年10月7日の発売に改めて大きな期待が掛かるところです。

Far Cry 6

時が止まったかのような熱帯の楽園、ヤーラへようこそ。ヤーラの独裁者、アントン・カスティロは、息子のディエゴと共に、国としてかつての栄光を取り戻すべく、血塗られた道を歩んでいる。彼らの無慈悲な圧政を受け、革命の狼煙は上がった。

自由のために戦え

ヤーラ出身のダニー・ロハスとなり、ゲリラ兵として革命の戦線に加わろう

引き裂かれたヤーラ

ジャングルや浜辺、そしてヤーラのエスペランザなどが広がるシリーズ最大のマップで、アントンの軍勢に立ち向かおう

ゲリラの武装

間に合わせの武器、ビークル、そして新たなファングフォーハイヤーとして加わるアミーゴらと共に、非道の政権を失墜させよう

情報元及びイメージ:Game Informer, Ubisoft

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