2013年のIGFにて最優秀賞を含む3冠(Seumas McNally Grand PrizeとNuovo Award、Excellence in Narrative)を達成し、オールタイムベストにもしばしば名前が上がる傑作として高く評価されたものの、技術的な問題で販売が終了していたRichard Hofmeier氏の独創的な露天商シム「Cart Life」ですが、本日インディスタジオAdHoc StudioがGDCの開催に併せて「Cart Life」の復活を発表。なんと、オリジナルのクリエイターRichard Hofmeier氏の協力を得て、オリジナルの問題を解消する新バージョンを年内にリリースすることが明らかになりました。
「Cart Life」は、新聞スタンドやベーグル屋といった露天商で成功を夢見る3人の主人公の日常と仕事をベースに、出自の異なる主人公たちの交錯する物語を描く小売りシムですが、主人公である移民の孤独な中年男性Andrus、夫と離婚し家も仕事も失った最悪の状況で娘の親権を維持しようと奮闘する母親Melanie、夢見がちで何をやっても上手くいかない青年Vinnyの視点を通じて描かれる労働者階級の息詰まるような生活と絶望的なあがき、一滴にも満たないような僅かな希望、そして(喪失や友情、家族、苦難、夢、敗北、社会からの疎外といった)人生の機微の鮮やかな描写は、小売りシムというよりも、むしろライフシムに近い高度なナラティブとゲームプレイ体験を実現しており、当時はビデオゲームが実現しうるストーリーテリングの新たな可能性を示す野心作として極めて高い評価を獲得していました。
しかし、本作には技術的な問題とバグが多く残されており、Adventure Game Studioを使用していたビルドの構築やバグ修正にクリティカルな問題が生じたことで、2014年に新規販売が終了していました。(既存の購入分は現在もプレイ可能)
今回、「Cart Life」の新バージョンをアナウンスしたAdHoc Studioは、かつてTelltale GamesでThe Walking DeadやThe Wolf Among Us、Tales from the Borderlandsといった傑作のクリエイティブリードを務めた4人のベテランが設立したスタジオで、Richard Hofmeier氏の素晴らしい才能と傑作「Cart Life」を埋もれたままにさせておくことはビデオゲーム産業の損失だと考えた4人が、Hofmeier氏に直接コンタクトを取り、ようやく復活を実現させたとのこと。
AdHoc StudioとRichard Hofmeier氏が共同で開発する「Cart Life」の新バージョンは、前述した問題を解消するエンジンの移行(AGSからUnityに変更)をはじめ、コントローラー操作を含むコンソール対応、オリジナル向けの実装を試みていたものの、実現していなかった新たなストーリーコンテンツといった改善と拡張を導入することが判明しています。
Ten years ago this week, Cart Life swept the Independent Game Festival.
Then it disappeared.
Now we’ve teamed up with Cart Life’s creator @richardhofmeier to bring it back in 2023!
Wishlist: https://t.co/CgddGl2pwF
More info: https://t.co/s93ZxDL3Xr pic.twitter.com/Ose23WDLg6— AdHoc Studio (@theAdHocStudio) March 20, 2023
PC | PlayStation 4 | Xbox One | Wii U
PlayStation 3 | Xbox 360 | PS Vita | DS
Mobile | Movie | Rumor
Culture | lolol | Business | Other
RSS feed | About us | Contact us
かたこり( Twitter ):洋ゲー大好きなおっさん。最新FPSから古典RPGまでそつなくこなします。
おこめ( Twitter ):メシが三度のメシより大好きなゲームあんまり知らないおこめ。洋ゲー勉強中。