かつてEAで“The Sims”フランチャイズを成功させ、Linden LabでSecond Lifeのビジネスを支えたベテランRod Humble氏が開発を率いるParadox Tectonicの新作ライフシムとしてアナウンスされ、ユーザー生成コンテンツに重点を置く様々な野心的なアプローチが話題となったものの、先日早期アクセス版の開発中止とキャンセルが正式に発表され、その翌日には開発スタジオの閉鎖まで報じられた「Life by You」ですが、新たに本作の開発を率いたゲームデザイナーWillem Delventhal氏が「Life by You」のキャンセルとスタジオ閉鎖について、Paradox Interactiveを糾弾・非難する声明を発表し話題となっています。
Willem Delventhal氏によると、Paradox Interactiveによる“Life by You”のキャンセルは早期アクセス版の発売2週間前に告げられたものの、その理由は知らされず、Paradox Tectonicの従業員たちは1ヶ月近くスタジオの独立や新たな販売先の模索をParadox Interactiveに提案したものの、返答は一切なく、スタジオの閉鎖と従業員の解雇でさえ昨日の公式発表ではじめて知ったとのこと。
これが極めて不当な扱いだと伝えるWillem Delventhal氏は、自身の意見があくまで個人の考えに基づくものであることを前置きした上で、「Life by You」の開発と進捗、仕上がりは十分なものだったと説明。スタジオに設定されていた社内指標を数値で大幅に上回り、発売に向けた承認も得て、十分なローンチ準備が整っていたと報告しています。
氏はスタジオの閉鎖と解雇に伴う守秘義務があり、Paradox Interactiveから何も表に出さないよう警告され、これを破った場合には法的措置や今後のキャリアに傷が付く可能性があると伝えられたものの、この取り交わしを無視することに決めたと伝え、今回の対応が到底黙ってはいられないような酷いものであり、強い怒りを感じていると強調。
現在のビデオゲーム業界は、開発側が期待以上のものを提供し、十分な資金を獲得してもなお、発売2週間前に訳も知らされず突然はしごを外すような場所になっていると語る氏は、(この2年で2度のキャンセルと解雇を経験した背景もあり)フルタイムの新しい仕事を探すことをやめ、今後は持続可能なビジネスを目指すためのインディー支援に注力したいと伝えています。
蛇足ながら、氏の声明を時系列的に補足しておくと、Paradox Interactiveがスタジオにキャンセルを通告したのは、当初早期アクセス版の発売を予定していた2024年6月4日から2週間前の5月下旬ごろ、その後1ヶ月に渡るParadox Tectonicの模索と提案を経て、昨日6月18日にスタジオの閉鎖が発表されたものと考えられます。
一方、Paradox Interactiveは「Life by You」のキャンセルが品質と進捗の問題によるビジネス的な決定であり、発売に十分な品質を実現するためには不確実な要素が多く、これ以上時間を掛けても改善は得られないと判断したと説明していますが、前回延期が発表されたのは2024年5月21日であり、(この段階ではまだ発売に向けた可能性を模索していたであろう状況を鑑みるに)この見極めとスタジオ閉鎖、全従業員解雇の判断が極めて性急なものだったことは明白だと言えます。
なお、「Life by You」の正式発表は2023年3月上旬に行われ、2023年9月21日に早期アクセス版の発売を予定していたものの、2023年7月に最初の延期が発表され、早期アクセス版の発売日が2024年3月5日に変更。その後、今年2月に2度目の延期がアナウンスされ、最新の発売日が2024年6月4日に変更されたものの、前述した5月21日に3度目の発売延期が報じられていました。
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