2018年2月14日、アメリカのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で生徒と教職員を含む17名が死亡した銃乱射事件の被害者家族が、学校で突如発生した銃乱射事件に巻き込まれる地獄のような10分間の体験を描く一人称視点の生き残りゲーム「The Final Exam」をリリースし、国内からも無料で入手可能となっています。
「The Final Exam」は、前述の事件で愛する息子を失ったManuel OliverとPatricia Oliver夫妻が開発を手がけた無料ゲームで、本作が描く“10分間”はアメリカで起こる銃乱射事件の平均的な犯行時間であり、プレイヤーはこの僅かな時間で校内を移動し、時には息を潜め犯人から身を隠しながら、屋外へと脱出しなければなりません。
本作は、子供達が未だ安全を保証できない学校と恐ろしい現実を生き延びるためのカギとして、銃規制の推進を訴求する教育目的の無料ゲームで、非常にリアルなビジュアルや音声を伴う体験と共に、現行の銃規制関連法や制限、幾つかの穴を分かりやすく明示する非常に興味深い内容となっています。
なお、本作が恐ろしい体験と共に提示する情報には、アサルト・ウェポン規制法(※ 2009年から2022年に掛けて発生した乱射事件の90%にアサルトライフルが用いられたが、現在この禁止法案は僅か9つの州のみで施行されているに過ぎない)をはじめ、子供が銃に触れる不慮の事故を防ぐ安全保管に絡む法律、大容量マガジンの禁止・制限法、銃販売及び銃器使用許可に関する身元調査の義務づけ、銃を購入できる最低年齢の引き上げ(※ 現在、長銃やアサルト・ウェポンを購入できる最低年齢は18歳で、これを21歳にまで引き上げようとする取り組みが進められている)が含まれます。
「The Final Exam」をリリースした夫妻は、今こそ正しいことが行われるよう、政治家に圧力を掛けるときだと語り、ビデオゲームを原因にせず、銃の暴力に対して意義のある行動を取らなければならないと説明しています。日々私たちがフィクションの中で楽しんでいる銃と暴力が抱える問題に興味がある方は、一度この厳しい作品をプレイしておいてはいかがでしょうか。
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