この映像はマサチューセッツ工科大学が研究を進めているコミュニケーション用のロボット「MeBot」です。手元のマニュピレーターでロボットの手や動きを遠隔操作し、ロボットの頭に位置するモニターに映し出された顔と音声でコミュニケーションを行うという物で、文字や映像だけのコミュニケーションよりも非言語的なチャンネルの伝達に注視して作られた半自立型のロボットです。
MITはMeBotを用い、静止したMeBotとコミュニケーションを行った場合と、遠隔操作されたMeBotとやり取りをした場合の知覚の差について実験を行っており、この結果からは遠隔操作されたMeBotとの対話の方がより没頭する事が出来た事が明らかにされています。非常にシンプルで判りやすいロボットですが、こういったテレプレゼンスの歴史は1950年代から研究が始められており、1988年にニコラス・ネグロポンテ氏が研究していたMIT内メディアラボの人の顔をしたプラスチックに映像を投影する”トーキングヘッズ”がMeBotのご先祖様にあたります。
このトーキングヘッズは当時のネグロポンテ氏に、”またDARPAか!”でお馴染みのDARPAこと国防総省先端技術研究計画局が核攻撃(当時は冷戦時代)が行われた場合、重要な意志決定を行う大統領や国務長官などアメリカのトップリーダーが如何にロスが無くスムースにコミュニケーションを行えばよいかと相談した際に生まれた物でしたが、実用化される事はありませんでした。
当時のネグロポンテ氏によると、咄嗟の意志決定は顔の表情や言葉よりも身振りで伝えられる事が判った事、さらにモノクロ信号を送信しながら受信側のブラウン管に色を付け、ちゃんとカラーで顔を見えるようにしたトーキングヘッズのあまりのリアルさが、いささか不真面目だと思われたのかもしれないと語っています。
今回のMeBotは当時のトーキングヘッズが持ち合わせていた問題点に、MITが宇宙開発技術などで培ったマニュピレータによる遠隔操作をブレンドする事で「存在感の伝達」を数十年を掛けて実現した感慨深い小さなロボットと言えます。
今後ソーシャルコミュニケーション等での活用を目指してさらなる研究が重ねられるMeBot、遠くない将来はこういったデバイスで友人や家族と会話をする時代がやってくるのかもしれません。
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