Blizzardが「Diablo III」にリアルマネーを利用したアイテム売買用の“オークションハウス”実装を発表

2011年8月1日 17:55 by katakori
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「Diablo III」 ディアブロ III

先ほど遂にプレスイベントのNDAが解禁された期待のシリーズ最新作「Diablo III」ですが、本日噂としてお知らせしたリアルマネーを利用したアイテム売買用のオークションハウスの登場が真実であることが明らかになりました。

このオークションハウスはBattle.netの新要素としてWorld of WarcraftのAuction Houseと似た内容のシステムが実装されるもので、詳細は不明ながら幾つかのオークションハウスが登場するとのこと。

プレイヤーは不要なアイテムをプレイしているリージョンのオークションハウスに異なる現実世界の国際通貨で売りに出すことが可能で、同様に実際にお金を使ってアイテムを購入することも可能となっています。また、この際にBlizzardは手数料として幾らかの固定料金を差し引くことになっている模様ですが、その料金に関する詳細はまだ明らかにされていません。

これら売買で得た金銭はBattle.netのアカウントに紐付けしてBlizzard製品の購入やサービスに利用することが可能であると共に、サードパーティの支払いプロバイダを介して数%の手数料を必要とする完全な現金化も可能とのこと。

なかなかインパクトの高い今回のリアルマネーオークションハウスの実装ですが、Blizzard本社で行われたプレスイベントでは多くのQ&Aセッションも行われており、ゲームデザインのVPを務めるRob Pardo氏はこのオークションハウス実装の“なぜ?”という質問に対し、シンプルに「結局のところはプレイヤーがそれを望んでいるからだ」と回答。様々な議論を呼びそうな今回の新要素ですが、Diablo 2アイテムの現状を考えると、すでにこの問題は最早公式でコントロールするべきなのかもしれません。

Pardo氏はBlizzardがこのシステムを用意しなければリアルマネー取引が発生しないと考えるほど純朴では無いと語っており、強硬姿勢を貫くよりは現状を鑑みてプレイヤーが興奮するアプローチとして組み込むべきだと考えた旨を明かしています。

また、World of Warcraftがスキルや進行度合い、費やしたプレイ時間に対して決定性が高いルートであることに比べて、Diablo IIIのアイテムルートが幾つか地域別のドロップテーブルを持っているものの、依然としてランダムなものであることもリアルマネー利用の決め手になった模様です。

また、Pardo氏はこのリアルマネーによるアイテム売買がPvPを始めとするキャラクター同士の競合を見越したものではないとの見解を示しており、プレイヤー達がPvPコンテンツでより強力な装備品を得ようとするかもしれないが、Diablo IIIが基本的にプレイヤー間の競合にフォーカスして作られたタイトルでは無いと発言。そもそも競合コンテンツではないことからキャラクター間の優位性を相対的に底上げすることの意味はあまり無く、あくまでキャラクター自身のアドバンテージに強い影響を与えると述べ、今作の装備品に関する方向性を示唆しています。

リアルマネーでのアイテム売買における適法性とファイナンスに対するBlizzardのスタンス

リアルマネーによる公式のアイテム売買が遂に実装されることになったDiablo IIIのオークションハウスですが、ゲームの規模と世界中に拡がるオーディエンスを鑑みれば、世界中にセキュアで認証された匿名の商人が存在するゲーム世界でのリアルマネートレードは合法性と経済的な影響に多くの問題をもたらすことは想像に難くありません。

これについてPardo氏は、今回のオークションハウスがビデオゲーム産業に誰ももたらすことが出来なかったシステムだと語り、実現にいたるまでかなり長い道乗りを歩んできたと準備をしっかりと進めている様子をアピール。そして“Blizzardは銀行ではない”と述べ、現金化に関するオプションは前述したサードパーティプロバイダに責任を譲渡していると明かし、Blizzardは日々の国際通貨におけるレギュレーションに対処したいとは思わないとサービスの切り分けを改めて明確にしています。

また、プレイヤーがアイテムドロップで現金を得られるということはDiablo IIIがギャンブルそのものなのでは無いかとの質問に対し、Pardo氏は“これはただプレイヤーが現実世界のコンテストに参加しているようなものだと言おう”と答え、“このコンテストで自動車を勝ち取り、eBayで販売した。果たしてこれはギャンブルだろうか?”と逆に質問を返す場面も見られました。

また、Pardo氏はコスチューム販売の可能性はあるが強いアイテムをBlizzardが販売するようなことは決して無いと明言、今回発表されたオークションシステムが潜在的に健康なモデル(※ プレイヤーが運営側からアイテムを購入するモデルで、運営側がプレイヤーに対しより多くのアイテムを販売しようとする既存のモデルとの比較)だとの見解を示し、これが成功すれば新たなビジネスモデルの登場だと言え、今後のBlizzardタイトルの方向性にも影響する大きな要素であることをアピールしています。

さて、遂にリアルマネー取引が公式に実装されることが決定したDiablo III、ローンチ後にどんなゲームプレイ世界が拡がることになるのか、リージョンやモードの区分けなども含め、今後の動向に改めて議論を呼ぶことになりそうです。

情報元及びイメージ:Joystiq

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