12月7日に開催される年末恒例の大規模イベント“VGX”にて、新トレーラーのお披露目が決まった人気シリーズ最新作「The Witcher 3: Wild Hunt」ですが、昨晩CD Projekt Redの開発者達が本作の開発について語るEurogamerのインタビュー記事が公開され、次世代機向けの開発や技術的なチャレンジをはじめ、本作の大きな特徴とも言える性的な表現に対するアプローチ、CDPRが予てから公言している有料DLCに関する姿勢と大規模な拡張パック登場の可能性など、来る最新作の様々な側面にフォーカスした興味深いディテールが明らかになりました。
新世代のRPG
- “The Witcher 3: Wild Hunt”の現世代機版がリリースされないことに言及したCDPRの共同創設者Marcin Iwinski氏は、現世代機向けに本作をリリースした場合、それはThe Witcher 2.5になるだろうと述べ、それは異なるゲームでThe Witcher 3ではないと発言。新しいミミックシステム(※ ミミックはLoDやアニメーションに用いられる異なるクオリティの複製モデルを指す)や、より多くのアニメーション、洗練されたダイアログといった多数の新要素を特色とする本作が次世代機(とPC)のみで実現可能な作品であることを強調している。
- Iwinski氏は、ゲラルトがそもそも話し好きなタイプではないことから、眉をひそめる動作や表情、向きを変えるといったアニメーションの改善がより多くのエモーションを引き出すと説明している。
- リードキャラクターアーティストPawel Mielniczuk氏によると、“The Witcher 3: Wild Hunt”のキャラクターに使用されるポリゴン数は前作から2~30%増程度に留まっているとのこと。氏は、既に前作の段階で多くのポリゴンがキャラクターに使用されており、エッジが目立つ状況ではなかったことから、誰もポリゴン数に関心はないだろうと説明。“The Witcher 3: Wild Hunt”における技術的なチャレンジとして、衣服や衣服から垂れ下がる細部に可能な限り物理的な動きを加えるよう取り組んでいることが明らかにされた。
- 環境アーティストJonas Mattsson氏によると、衣類の他にも風に揺れる布や鎖、草原など、単なるアニメーションではない物理表現が多数実装されているとのこと。
- ビジュアル周りの開発においては、近年台頭する物理ベースのレンダリングシステムが新たに実装されており、アーティストが適切なマテリアルを利用しオブジェクトを作成するだけで、エンジンがその特性に応じ現実的なライティングや反射の計算を行い、より一貫性のある世界が構築可能となっている。
- また、大規模なオープンワールドの構築にあたって開発工数を節約するために、降雨量や土地の角度といった各種データを元に、数秒で自然な森林を生成するツールが用意されたとのこと。
次世代コンソールでの開発
- 次世代機の開発に触れたBalazs Torok氏は、高速なメモリを持つPS4は非常に良好で誰もが本当に満足していると発言。ただし、メモリに大きな違いが存在するものの、純粋な演算力はPS4とXbox One共に大きな違いはないと説明し、何れにしろ各プラットフォーム向けの最適化に注力すると強調している。
- ゲーム開発におけるPS4とXbox Oneの違いに言及したBalazs Torok氏は、Xbox OneがハードウェアやAPI面でもPCに酷似していることから理解が容易だと語り、PS4はこれが僅かながら複雑だとの見解を示した。
- さらに、Balazs Torok氏は2007年から2008年に掛けて行われたXbox 360の開発について触れ、Microsoftが当時デベロッパに隠していたパーツを利用するバックドアへのアクセス許可を得て、リスクの代わりにあれこれを実現可能にすることが出来たと説明した。Xbox OneにおいてもMicrosoftが同じことを行うかと質問されたTorok氏は、CDPRがまだその段階にいないことから判らないと述べ、恐らく今後さらに幾つかのローレベルアクセスを手に入れるだろうと回答している。
プラットフォーム特有の機能利用や取り組みについて
- ゲームディレクターKonrad Tomaskiewicz氏は、Xbox OneとPS4特有の機能について触れ、本作が何らかの形でKinectに対応することを示唆し、現段階で明言するには早すぎることから、詳細については話せないと語った。ただし、氏は“The Witcher 3: Wild Hunt”が明確に標準コントローラー向けのタイトルであることを念押ししている。
- DualShock 4のタッチパッドについては、UI周りで利用されるとのこと。
- Xbox One版はSmartGlassにも対応するが、これも同様に現段階では早すぎることから詳細については明らかにできないとのこと。
- PC版は4K対応が視野に入っているが、まだUIの互換性に問題が残されており、CDPRはこれを実現しようとしている。
性表現のアプローチについて
- 成人向けの性表現に言及したKonrad Tomaskiewicz氏は、本作の性的表現における重要な要素がプレイヤーの大きな没入性を達成することだと述べ、偽物は作りたくないとアピール。CDPRがカットシーンでセックスの“フリ”をすれば、ゲームへの没入性を損なうだろうと強調している。
- 前作の性表現が非常に満足のいく仕上がりで、ユーザーからも苦情は聞かれなかったと語ったTomaskiewicz氏は、“The Witcher 3: Wild Hunt”がこれまでと同様にエロティシズムを維持していると説明。しかし、今作では性的な表現と物語がより一体化され、キャラクター間のストーリーを物語り、彼らの別の側面を提示するための役割を担うことが明らかにされた。
- 続いて性表現について言及したキャラクターアーティストPawel Mielniczuk氏は、こういった性的な表現への取り組みが、路上で下着姿の女性キャラクターがパレードするような類のものではないことを強調。前作のトリスを例に挙げ、彼女のセックスシーンは非常にセクシーだったが、通常時は頭と指以外に肌を露出することはなく、CDPRが闇雲にキャラクターの裸体を多く示そうとしている訳ではないと説明している。
- トリスを初めとする魔女達が非常に若く魅力的である理由に触れたMielniczuk氏は、これが原作を忠実に踏襲したものだと述べ、彼女達が実際はこぶを持つ醜い120歳の老婆ながら、自身が20歳のセクシーな女性のように見える魔法を使用していると明らかにした。こういった理由からゲーム内では魔女達が世界で最も美しい女性として描写されているとのこと。
前作における失敗を踏まえた新作の難易度について
- “The Witcher 3: Wild Hunt”の難易度に言及したKonrad Tomaskiewicz氏は、前作を高い難易度に保とうとした取り組みが失敗だったと認め、Witcherファンが機敏さに基づくチャレンジではなく、ストーリーを備えた従来のRPGを望んでいたと説明。氏が愛するDark Soulsが当時の開発に大きな影響を与えたが、Witcher 2を終えた後に、こういった実験的な取り組みを控え、ファン達がCDPRのゲームを愛して止まない要素によりフォーカスするべきであることを理解したとアピールした。
- こういった反省から、“The Witcher 3: Wild Hunt”の学習曲線はより適切でスムースな状態に調整され、幾つかの難易度が用意されるものの、前作のようにノーマルがハードのように感じられることはないと明らかにしている。
有料DLC、マルチプレイヤーの非搭載、アリーナモード
- 有料DLCの是非について言及したAdam Badowski氏は、本作に小規模な有料DLCが登場することは有り得ないと強くアピールしている。
- さらにAdam Badowski氏は、本作の有料コンテンツとして大規模な拡張パックのような何かが存在する可能性を示唆し、これが唯一の有料コンテンツだと明言。世に溢れる小規模DLCやDLCパックが支払いに値するものではないと説明している。
- Adam Badowski氏は、マルチプレイヤー搭載の噂についても改めて言及し、今作にマルチプレイヤーが存在しないことを重ねて強調した。
- 続けてアリーナモードが実装される可能性に触れたBadowski氏は、アリーナモードは一種の実験で、非常にクールだったと評価したが、今のところアリーナモードの復活については判らないと述べ、別の計画を持ち合わせていると説明している。
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