「Divinity: Original Sin」の販売が遂に50万本を突破、LarianのボスSwen Vincke氏がローンチ前後の状況や今後について報告

2014年9月13日 1:13 by katakori
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「Divinity: Original Sin」

先日、ローンチ後の大きな成功やコンソール対応の可能性などが報じられたLarian StudiosのDivinityシリーズ最新作「Divinity: Original Sin」ですが、本日スタジオのボスSwen Vincke氏が自身のBlogを更新し、本作の販売が遂に50万本を突破したと報告しました。

また、Swen Vincke氏は販売の成功により、ようやく負債を支払い利益が出始める満足な状況に達したと報告した上で、いつも陽気なVincke氏からは想像も及ばないローンチ前の困難な状況やプレッシャーなど、スタジオが非常に危機的な状況下に置かれていたことを明らかにしています。

  • “Divinity: Original Sin”は、オールドスクールなターンベースのRPG作品ながら、Metascoreが現在87、ユーザースコアは8.9を獲得。Steamの販売チャートにおいても1ヶ月に渡ってトップの座を占有し、販売本数は50万を突破。販売の内分けはほとんどがSteamによるもので、約10%がその他の小売によるもの。
  • Swen Vincke氏は、“Divinity: Original Sin”の開発が良くも悪くもこの世の終わりのような状況だったと振り返り、成功はひとえに開発チームの素晴らしい能力によるものだと説明。この危機的な状況を生んだ理由の多くが、KickstarterとSteam Early Accessコミュニティから寄せられた全てのフィードバックに対応することを決めたことに起因すると語った氏は、これが困難な決定だったが、ゲームを大きく改善することが明白だったことから躊躇はなかったと説明している。
  • ただし、この決定はさらなる追加の予算を必要とするもので、KickstarterとSteam Early Accessで得た資金でも十分ではなく、銀行との絡みもあり、想定していたよりも早い段階でタイトルを完成させリリースさせる必要が生じたとのこと。
  • 全てを使い果たし(※ ローンチがさらに10日延期となったことからメディアのレビューもままならず、最後の現金を絞り出して出稿した広告は僅か2つのみだった)、キャッシュフローも十分ではない状況下で遂に“Divinity: Original Sin”のローンチを実現したものの、やり残したことが山のように堆積していたことから開発チームはとても喜べる状況ではなかったと氏は振り返っている。一方、開発者達の肉体とその家族は結果的にようやく終わった開発を深く喜んだとのこと。
  • Swen Vincke氏は自身も肉体と精神がすっかり消耗した状態にあったと語り、ゲームから自身を解毒する必要があったと説明。通常の生活を取り戻すために困難な状況が続いたものの、ローンチから2ヶ月を経てようやく少し回復し、考えを整理する余裕ができはじめたと語っている。
  • 現在は、“Divinity: Original Sin”の拡張と改善を継続する一方で、今後2~3年程度を想定した新しいプロジェクトに取りかかり始めており、スタジオの開発規模を拡張するための取り組みを開始している。なお、次期プロジェクトはLarianが得意とするオールドスクールなシステムをベースに、革新的なゲームプレイシステムを擁する濃密なゲーム世界の構築を目標としている。
  • また、Swen Vincke氏は困難を極めた“Divinity: Original Sin”の開発を経て、現代のビデオゲーム開発において幾つかの重要な鍵となる考えを得たと語っており、自身がこれに助けられたことから、何人かの開発者にとって助けになればと次のような見解を明らかにしている。
    • 現代のビデオゲーム産業においては、コンテンツこそが王だ。これを第三者の関与を得ず、自分自身で見つける必要がある。参加した第三者はそれぞれが開発の複雑さを指数関数的に上昇させる。“Divinity: Original Sin”の開発において発生した問題の半分がこれに起因するものだった。
    • プレイヤーは悪いものを悪いと認識する。追加の開発が更なる延期を引き起こし、たとえ破産の縁に連れて行くとしても悪いコンテンツをリリースしてはいけない。
    • コンテンツが王である一方で、作品の磨き上げは女王だと言える。例え世界で最も優れたコンテンツを持っていたとしても、UIが貧相でつややかでない、もしくはプレイヤーが作品のシステムを理解しない場合、その評価は低くなる。これは“言うは易く行うは難し”であり、ときおり大きく後退せざるをえない状況さえ生じるが、これを躊躇してはいけない。
    • コミュニティの意見に耳を貸さなければならない。ただし、問題の格付けを積極的に行う必要がある。ゲーム開発に求められるのは民主主義ではなく、優れたリーダーによる啓蒙専制君主制だと言える。
    • また、積極的に意見を述べる少数派の主張が如何に強固であっても、彼らがマジョリティではないことを覚えておく必要がある。大多数の人達は多くの意見を書き表す時間を持ち合わせていない。さらに、フォーラム上で何人かの野蛮な人達に出会った場合は彼らを無視すべきだ。彼らが引き起こす感情的なストレスに一切価値はない。実生活で彼らに出会っても対処することはないだろう。
    • 反復は成果をもたらす。反復を回避するために多くのことを試したが、これらは全て失敗だった。反復を開発における慣習の一部とすれば、幾つかの困難を回避することが出来る。

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